それは「途中参加」という名の過客(ボドゲの鉄人・今はまだ非公式に応援してみる Advent Calendar 2024|24日目)
おつかれさまです。W2ナニカソンです。
この記事は【ボドゲの鉄人・今はまだ非公式に応援してみる Advent Calendar 2024】の24日目です
来訪者あり
正確な時間は覚えていませんが、おそらくあと少しで暮六つにも差し掛かろうかという時分だったと思います。ふと入り口を見ますと、見知った顔の客人の姿がそこにありました。
え? …こんな時間に…?
宴もたけなわと申しましょうか? すでに会場は熱気の渦にありました。それぞれの卓では、にぎにぎしくこの日二つ目の遊戯が試されている最中でございます。
後から思えばこの来訪を把握していた方々もいたのかもしれないと思いますが、少なくとも私にとっては少し虚をつくできごとだったのです。
それに、見知ったとは申しましたが、この日私はいくつかの慣れない仕事をこなした後でしたから、やはりぼうっとしていたのでしょう。とっさにお名前も思い出せません。なんにしてもおそらくは客人のようですから、まずは戸を開きにゆきます。
「ごめんください、ごめんください…鉄の魂を見極めるという音に聞く闘技の会場は、こちらでよろしいのしょうか?」
おや、やはり客人だったようです。
申し訳ないことに、まだ若干混乱していてお名前が出てきません。混乱のせいではなく、もともと覚えが悪いのかもしれませんが、こればかりはどうしようもない。しかも悪いことに、私自身はこの日、そこかしこに並べられた真実の姿を映す鏡を恐れて仮面をつけていたのです。これでは客人にもおそらく私がわからない。というか、仮面を外していたとしても、もしかしたら私のことなどは記憶にないかもしれません。
ただ、私はこのとき明らかにこの場の裏方であることを示す黒い装束を身に着けておりましたので、それがまだよかったのでしょう。とにかく客人はそのように私に尋ねました。
「はい、たしかにそうですが…」
「すみません、これからぜひ参加したいのです」
「これからですか?」
「ええ、参加できると聞いてきましたもので」
この催しの全体からすると、もはや後半も後半という折でした。どうやら何か事情があるようではありますが、まだ要領を得ません。こういう時に限って勘がはたらかない性質でして、今思えばまごまごとしてただでさえ残り時間の少ない中、すぐに対応できなくて苛々されてはいなかったか心配になるほどの対応です。とはいえ、私は私なりに脳を叱咤激励して、兎に角話をつづけました。
「今からでよろしいのですか? この後、勝敗が決しましたら、お互いの健闘を称える宴がありますから、そちらから参加されては?」
今思えば! なんて間抜けな話をしたものでしょう。我ながら愚鈍というか唐変木というか。
「いえ、その宴には元々参加するつもりです、しかし私はあそびたいのです、まだあそべますか?」
ようやく、はたとひらめきました。なるほど! あそびたい!
ひらめきとは恐るべきもの、脳が一気にアップデートします。
あそびたい! なるほど!
なるほど! な・る・ほ・ど!
なるほどですね!
だったら、はっはっは、そりゃそーだわ! 今からあそべるかどうか、大事なのはそれだけ。まさにその一軸だけが判断基準だわ!
全体に参加した場合と比較してのコスパ? しらんがな。どうてもええがな。あそびたいがモチベなら、とにかく今からあそべるかどうかを知りたいんだよ! それ以外の問答なんてこの客人にとって大いなる時間の無駄じゃァ! もっと早く気づけ! 馬鹿か! 私の馬鹿!
などと、一瞬の火花のように思考が脳を駆け巡った私は、さすがに前のめりで即答しました。
「はい! 今4回ある試遊の2ラウンド目が回ってるので、まだあと2回どうとでも入れるチャンスがあります!!!」
「じゃあ参加します!!!」
………こうして、その後主催さんに話が通り、遅れてきた客人は、無事試遊の輪の中に入ってゆきました。(たぶん)
ちなみに、その時試遊にスタッフサイドのテーブルアシスタントさんも参加している様子が見えていたので、どういう建付けだとしてもそことチェンジすればどこかに入れるというのは最低限判断してました。

あとから確認した話では、もともとこの日は別の予定で行動されていたものの、SNSの情報でボドゲの鉄人の「途中参加」というテーマを把握し、その内容なら「途中参加」でもいいからあそびたい、と判断されたとか。
しかし申し込みサイトではシステム的な制約で受付が完了していたので、既に参加しているオーディエンスの方なども介して個別に運営に問い合わせ、参加できることをしっかり確認したうえで来てくださったそうです。
え「途中参加」じゃん…
むしろ「途中参加」の化身じゃん…
と気づいたのは少し後になってからでした。
早く気づけよ。修行が足りないよ…。
大事なことには、いつも後で気づきます。
あの日の「途中参加」の化身さまへ。
お恥ずかしいほど手際が悪くて本当にすみませんでした。よかった、あの押し問答の間に第3ラウンドとか始まっちゃうタイミングじゃなくて! 本当によかった!
そして「途中参加」のもっとも印象的な体現をありがとうございました。

あとから開封しました
少し、無粋な補足なども
こういうイレギュラーケースの対応は、たとえば今後さらに規模が大きくなったり成熟して運営自体の練度があがってゆくと、たとえば最初からこの形でなら受け付けますと整備されたり、逆に○○は禁止になるなど、ある意味において普遍的に分かりやすく、公正といえば公正に、いわゆる「よき」「正しき」姿にそれこそアップデートされてゆくのかもしれません。
情報もリアルタイムですみやかに全スタッフに連携されて、どのスタッフでもつつがなく同じクオリティで対応してくれるだとか、そういう段階にいつかは成熟してゆくはずですよね。
そういう意味では、例えばこれはなんらかのかたちで「ふりかえり」次の「アクションプラン」に発展する、発展途上の未熟な出来事だったりするのでしょう。
でもね。
だから、こういう機会に立ち会えることは、なにかを始めることのだいご味の一つでもあるのだなとも思うのです。不確かで不完全で、自分を馬鹿馬鹿馬鹿と罵ったこの出来事があったから、私はこの日のテーマが「途中参加」だったことを、きっと誰よりも忘れないでしょう。
さらに思い出したこと
この日、この出来事より少し前にオーディエンスの方の会話を一瞬聞くとはなしに聞いて、背景こそわかりませんでしたが「もしかして、今からだれか来るかもしれないのかな?」となんとなく思った瞬間がありました。
しかし、断片の会話のみでそう推測できたことや、来訪者の方とその話が関係あるかもとうっすら思い至った背景には、私が12月開催の「ボドトーーク!」に参加していたことがかなり大きいです。(説明が難しいですが!)

それがなかった世界線だったら、私のその場の判断があと数分遅れてた可能性もあるような、ないような…?
そう考えると、あらためて「ボドゲの鉄人」は柚井ゆいさんに足を向けてはNessun dorma!(少なくともワラビサコさんはそうだと思います、ええ!)
Advent Calendarよろしくお願いいたします
まあ、25日過ぎてもシステムが入力を許容するうちは埋めに来てくれて大丈夫ですよ。そう、これすらも「途中参加」OKです。
(W2ナニカソン・ワクワク魔人S)

