3万円のウィンドブレーカーが、ずっと欲しかった
みんなが当たり前に持っているものを、自分だけ持っていない。
その感覚、わかる人にはわかると思います。
中学時代、テニス部だった
私は母子家庭で育ちました。
中学のとき、テニス部に入っていました。
部費、ラケット、シューズ、大会費、練習で使うコート代。
振り返れば、親にかなりの負担をかけていたと思います。
今ならわかります。
部活に入れさせてもらえること自体が、ありがたいことだったと。

でも、当時の私はそうは思えなかった
部活で使うウィンドブレーカーがありました。
メーカーのもので、上下セットで3万円くらい。
みんな持っていました。
持っていないのは、私と数人だけ。
冬の練習。
コートに出ると、みんなはお揃いのウィンドブレーカーを着ている。
同じ色、同じデザイン。
「チーム」という感じがする。
私だけ、違うものを着ている。
一人だけ浮いている気がして、ずっと居心地が悪かった。
「欲しい」とは言えなかった。
言ったところで、買えないのはわかっていたから。
でも、心のどこかでずっと思っていた。
あのウィンドブレーカーを着て、みんなと同じ格好で練習がしたい。
それだけのことが、叶わなかった。
ガット交換3,000円、グリップ350円
ラケットは型落ちの安いものでした。
みんなは最新のラケットを持っていて、しかも数本持っている。
ガットの張り替えは1回3,000円。
グリップテープは1本350円くらい。
普通は3ヶ月に1回くらい交換するものらしい。
すごい人になると、大会があるたびにグリップを巻き替えていた。
私は3年間で、ガットを何回変えたかな。
数えるほどしか変えていない。
ガットは伸び切って、打感がぼやけている。
グリップは真っ黒で、汗を吸わなくなっている。
それでも、交換するお金がなかった。
「お金がない」がコンプレックスになった
中学生の私には、この差がすべてでした。
技術の差じゃない。
努力の差でもない。
ただ、お金があるかないか。
その違いだけで、みんなと同じものを持てない。
この感覚が、ずっとコンプレックスになっていました。
社会人になって、ようやくわかった
大人になってから、親のありがたみがわかりました。
部活に入れさせてもらえた。
ラケットを買ってもらえた。
大会にも出させてもらえた。
母子家庭で、決して余裕があったわけではない。
それでも、私のためにお金を出してくれていた。
当時は「足りない」ばかり見ていました。
でも本当は、「もらっていた」ほうがずっと多かった。
今、生活保護を受けている
話は変わりますが、今の私は生活保護を受けています。
体調を崩して働けなくなり、貯蓄も尽きて、この制度に頼ることになりました。
月に10万円程度。
無駄遣いをしていなくても、月末には通帳が心細くなります。
中学のときと、状況は似ているかもしれません。
「足りない」という感覚が、また私のそばにあります。
でも、見え方が変わった
中学のときは、「持っていないこと」ばかり見ていました。
今は、「持っていること」が見えるようになりました。
住む場所がある。
毎日ご飯が食べられる。
PCがあって、noteが書ける。
AIを使って、アプリを作ることもできた。
「足りない」は、今もあります。
でも、「ある」も、確かにある。
いつか子供ができたら
私にはまだ子供はいません。
でも、将来もし子供ができたら。
やりたいことを、自由にやらせてあげたい。
ウィンドブレーカーが欲しいと言われたら、「いいよ」と言ってあげたい。
新しいラケットが欲しいと言われたら、一緒に選びに行きたい。
3万円を、迷わず出せる自分でいたい。
「お金がないから」という理由で、諦めさせたくない。
私が目指しているもの
贅沢がしたいわけじゃない。
高級車に乗りたいわけでも、タワマンに住みたいわけでもない。
ただ、最低限のお金を気にせず出せる自由が欲しい。
子供に「これ欲しい」と言われたとき、財布の中身を気にせず「いいよ」と言える。
それだけの余裕があれば、私は満足です。
私はこれを「自由なニート」と呼んでいます。
働かなくていい生活じゃない。
お金に振り回されない生活。
それが、私の目標です。

あのとき持っていなかったものが、今の私を動かしている
3万円のウィンドブレーカー。
数本のラケット。
新しいガット。
白いグリップテープ。
持っていなかったものが、私のコンプレックスになった。
でも、そのコンプレックスがあるから、今の私は動いている。
「あのとき悔しかった」という感情が、原動力になっている。
これは、恵まれた環境では手に入らなかったものかもしれません。
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