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アニメに描かれる異世界転生と日本人の死生観

本日のテーマは「死生観」。
これに関連するおすすめ書籍を2冊ご紹介します!




🔖この記事をひと目で!



◼︎現代日本の死生観


ある調査によって現代日本においては、宗教も死後の世界も信じない人と、宗教は信じないが死後の世界を信じる人に、大きく分かれていることが明らかになりました。


また他の調査によって、全体では「死んだら終わり」だと信じる人が約6割、「死後の世界」を信じる人が約2割であることがわかりました。

しかし、大学生に限った調査になると約6割近い人が「魂や霊魂、前世、生まれ変わり」を信じていると回答したのです。


また、さまざまな世界にある死生観を大きく分けると、以下の6つになります。

そして、このうちの1〜4が日本のアニメで見られる死生観でもあります。




◼︎アニメの世界に見られる死生観


✔︎「生まれ変わり」と「別世界で生きる」

まず、先ほどの死生観のうち、1と2は近年ジャンルのひとつとして、すっかり定着した「異世界転生」系がそれにあたります。

異世界を描く物語の先行例は、『ナルニア国物語』などの作品にも見られます。

ただし、これらの作品では、異世界を一時的に訪れた主人公が、最終的に現実世界へ帰ることが、物語の目標や終着点として描かれる傾向がありました。

それに対して、現代の異世界作品では、異世界を一時的な訪問先ではなく、新しい人生を送る場所として描く作品が多く見られます。

現実世界に帰るのではなく、別の世界で新しい人生を始め、そこで暮らし続けるのです。

そこには、単なる冒険物語だけではなく、「人生をもう一度やり直したい」「今とは違う世界で生きたい」という、現代的な願望が反映されているのかもしれません。

また、日本では1998年に森絵都の『カラフル』が出版されました。

この作品では、死んだ人間の魂が別の人間の体に入り、もう一度人生を生きるという物語が描かれています。

『カラフル』は、生まれ変わりや魂、死後の世界を扱った代表的な作品の一つだと言えるでしょう。

もちろん、それ以前から日本の物語には、生まれ変わりや死後の世界を扱った作品がありました。

しかし、1990年代後半以降、こうしたテーマが、若者向けの小説やマンガ、アニメの中でも、より広く描かれるようになっていきました。



✔︎お盆的な死生観とアニメ


お盆とは、ご先祖様の霊をあの世から家に迎えて供養する行事です。

ここでポイントは、「ご先祖様(祖霊)」をお迎えするということです。

イメージとして、特定の誰かではなく、「ご先祖様(祖霊)」という非人格的な集合的に捉える場合があるということです。

この「非人格的な存在」「意識集合体」は、日本のアニメに出てくる神概念と非常に近いものがあります。

たとえば、アニメ「コードギアス」に出てくる神的存在は、「非人格的な意識集合体」です。

また、有名な「魔法少女まどか☆マギカ」においても、神は「法則・概念」ですし、マンガ「マギ」でも、神は「非人格的な存在」です。

キリストであれ、ギリシア神話であれ、神を人格的な存在として捉える、キリスト教圏・ヨーロッパ圏では出てこない発想ではないかと思います。

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参考文献
伊佐敷隆弘『死んだらどうなるのか?――死生観をめぐる6つの哲学』亜紀書房,Kindle 版.
堀江宗正『日本人の死生観をどうとらえるか——量的調査を踏まえて』臨床死生学倫理学研究会
遠藤薫「日本社会における文化基層としての死生観とその変化──2015年/2022年意識調査結果から──」『学習院大学法学会雑誌』,学習院大学法学会,58巻1号
香山リカ『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人』幻冬舎新書