時代考察#2.5|これまでの20年、これからの40年
三つの時代をおさらいする
これまで分析をしてきた三つの時代について整理してみます。必要なところを細くした増補整理版です。年号はざっくりした目安を書いています。
壊れる時代(2000–2020頃)
時代の核
国家・制度・ヒエラルキー・伝統といった、私たちを「父」のように支配し、守ろうとするもの、その権威が腐り、制度が壊れていく時代。明るい面
確かな社会構造とヒエラルキーが秩序を保ち、人生に決まったレールと未来を見通せる安心を与えてくれる。暗い面
その秩序ある統治の名のもとに政府や企業といった組織に力が一カ所へ集まりすぎる。つまり専制が起こる。
建てる時代(2020–2040頃)
時代の核
テクノロジーを駆使した新たな共同体が構想され、水平的なネットワークによって社会を縫い直そうとする時代。この時代には、権力が制度や組織から抽象的な理念と非人間的なアルゴリズムへと移動していく。明るい面
脱ヒエラルキー化・脱中心化による個の独立、多様性の尊重、テクノロジーによる「みんな」の解放が叫ばれる。未来への期待が高まる。暗い面
冷たいシステムが人を画一化・最適化へと呑み込むこと。脱権威をうたう技術が、かえって新しい権力の中心になる。「われわれ」や「正しさ」という理念が、一人の人間を一データや群衆の一員へと貶める。
溶ける時代(2040–2060頃)
時代の核
この時代には、建てる時代に築いたシステムの境界線そのものが溶けてなくなる。幻想・芸術・信仰が私たちの関心ごとになる。そこでは霊性と慈悲が尊ばれる。明るい面
自他や人間と機械を隔てる壁が薄れ、境界を越えた一体感や、新しい霊性・意味が生まれること。暗い面
その境界の溶解が幻想への逃避、自己欺瞞へと傾くこと。デジタルや薬物への依存や溶け込み、自己犠牲と心地よい救済の物語が暴走する危うさがある。
