練習できていない時こそ、個人指導を受けに来てほしい/個人指導記録
WILLyです。
先ほど、個人指導を終えました。
今回の指導で、1番最初にお伝えした事は、
「練習できていない時こそ、指導に来て欲しい」
ということでした。
◆
その生徒さんは、ここのところ体調の影響もあり、思うように練習できていなかったそうです。
個人指導の日が近づくにつれて、
「練習できていないのに、受けていいのだろうか」
「今日はキャンセルした方がいいのではないか」
という気持ちにもなったとのことでした。
私も習い事をしている時、同じ気持ちになったことがありますし、多くの人に共通する感覚だと思います。
でも、少なくとも私の個人指導では、むしろ、
練習できていない時こそ、個人指導に来てほしい。
と本気で思っています。
◆
なぜなら、個人指導が、練習できていない状態の防波堤になるからです。
そして、定期的に個人指導を受けることが、結果的に定期的な練習になるからです。
練習もできず、個人指導も受けずに止まってしまうより、100倍良い。
そう思っています。
◆
もう一つお伝えした大事な事は、
「練習できていない時にキャンセルする、という発想は、今後の課題として、上書きしていきましょう」
ということです。
多くの場合、
「ちゃんとできていないから、行ってはいけない」
という感覚は、その人が自分で選んだ考えというより、これまでの教育や社会通念の中で、いつの間にか染み込んでしまったものです。
ちゃんとしてから出す。
できるようになってから見せる。
迷惑をかけない状態にしてから参加する。
もちろん、そういう価値観は、社会生活の中では役に立つ場面もあります。
でも、歌や声の学びにおいては、むしろ邪魔になることが多い。
◆
人間は、歌う生き物です。
これは、比喩ではなく、人と言う生き物を表す本質的な特徴です。
もちろん、歌との関わり方に個人差はあります。
歌わなくても平気な人もいる。
でも、私や、私のところに来る多くの生徒さんのように、
歌わないと、長期的にストレスが溜まっていく人
もいます。
そういう人にとって、歌う時間を確保することは、趣味・贅沢ではありません。
大げさでなく、生きる上で必要なことです。
だからこそ、
「こんなことをしていていいのだろうか」
という感覚が出てきた時に、
「いや、私にはこれが必要なんだ」
と、少しずつ自分の中で感情を上書きしていく必要があります。
そして、これも練習です。
声の練習と同じくらい、大事な練習です。
◆
その後、実際に声を出していきました。
今回は、ビリーホリデイの歌い方を題材にしながら、声の響き、身体のバランス、顔まわりの感覚、地面との関係などを見ていきました。
細かい内容は長くなるので、ここでは書きません。
ただ、今回の中で大事だったのは、
声は、響かせようとして響くものではない
ということです。
響かせよう、響かせようとすると、身体のどこかに力みが生まれます。
すると、かえって声は詰まります。
そうではなく、
身体の下の方の感覚と地面・重力との関係性
骨格の捉え方
口の中の空間の響かせ方
皮膚や表情筋の動き
そういうものを丁寧に見ていく。
すると、結果として得たい声が響いてくる。
響かせるというより、
響いてしまう状態を育てる。
その方が近いと思います。
◆
指導の最後に、
音が、身体に与える影響についてお伝えしました。
外から聴いた音に、身体が反応する。
その反応に従って、声が出る。
子どもが言葉や歌を覚えていくプロセスも、基本的にはそうです。
大人にも、その機能は残っています。
だから、ただ自分の中だけを見て練習するのではなく、優れた歌い手の声や身体感覚を外から受け取ることも必要不可欠な練習です。
自分の身体に集中すること。
そして、外から音の刺激を受けること。
この両方が必要なのです。
◆
練習したこと自体を喜ぶ
練習というと、どうしても結果に意識が向きます。
もちろん、結果は大事です。
発表の場があるなら、そこに向けて仕上げる必要もあります。
でも、練習中に結果ばかり見ていると、苦しくなります。
特に声の練習は、すぐに分かりやすい成果が出るものばかりではありません。
少し見えた。
少し反応が変わった。
一瞬だけ感覚がつながった。
前よりも、身体のどこを見ればいいか分かった。
そういう小さな変化の積み重ねです。
だから、練習の時は、
プロセスの喜びに、かなり多めに意識を向ける。
これが大事です。
◆
練習会場に入った。
それだけで一歩進んでいる。
30秒だけ声を出した。
それだけで一歩進んでいる。
今日は調子が悪かったけれど、個人指導を受けに来た。
それだけで一歩進んでいる。
そうやって、自分の身体と感情に、
「これは良いことなんだ」
と教えていく。
歌う方向に洗脳し直していく。
なぜなら、私たちは長い時間をかけて、
「歌うことは後回しでいい」
「自分のための練習時間は贅沢だ」
「ちゃんとできてから見せるべきだ」
という感覚を刷り込まれているからです。
それに対抗するには、こちらも丁寧に時間をかけて、別の感覚を上書きしていく必要があります。
◆
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