1+1=0。たったひとつ拾うだけで、世界は変わる

釣り場でゴミを見るたびに、ずっと思ってた。
「誰が捨てたんや」って。
でもその横で、自分は何もせんと通り過ぎてた。
正直な話をする。
昔の俺は、他人のゴミを拾うなんて汚いし、面倒くさいって思ってた。
自分が出したんやないし。
なんで俺が拾わなあかんねんって、どっかで思ってた。
けどある日、釣り場の隅に落ちてたペットボトルを1本だけ拾って、
車に積んどいた袋にポンって入れて帰った。

ほんまにそれだけのこと。
それだけやのに、なんやろな……ちょっと気持ちがよかった。
そこからや。
毎回釣りに行くたびに、「1個だけ拾っとこか」って思うようになった。
最初はやっぱりちょっと嫌やったけど、
気づいたら、“面倒や”って気持ちが薄れていった。

今では、釣りを終えて片付ける流れの中に、
ひとつ拾うって行動が自然に組み込まれてる。
1+1=0

ひとりが、ひとつ拾うだけで、そこにあったゴミはゼロになる。
小さな計算式かもしれへんけど、
俺にとっては、これは希望の数式やと思ってる。
せやけどな。
次に同じ釣り場に行って、また新しいゴミが落ちてるのを見ると、
正直、めっちゃ悲しくなる。

「また誰かが捨てたんか…」
「なんで、釣り場を大事にできひんねん…」
怒りじゃない。悲しさと、むなしさがこみ上げてくる。
俺が拾ったゴミなんか、たった1個。
誰も見てへんし、目立ちもしない。
それでも、意味はあると思ってる。
だから、こんな計算式を作ったんや。

「53+1=0」
53は、「ご・み」
その「ごみ」に、1人が1つ拾う行動を足したら、ゼロになる。
たったひとつ拾うだけで、釣り場が変わる。
ひとりの+1が、未来を変える。
誰かが捨てたゴミでも、
「これは俺の釣り場の一部や」って思えるなら、
ひとつ拾う勇気を持てるはずや。

完璧にキレイにする必要はない。
釣り人なら魚つかみ(フィッシュトング)を持っているだろう
1人が、1つだけ拾えばええ。
それが習慣になれば、きっと景色は変わる。
そして、いつか。
次に釣り場に行ったとき、ゴミが落ちてないって未来が来たら、
そのとき初めて、「1+1=ほんまに0になったな」って言える気がする。
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