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【54歳になっても。今も昔も変わらねぇ「繋がりの価値」】

アンタにとっての「高価なモン」って、何だと思う? ブランド品のバッグか? 高級車のキーか?

 本当に価値のあるモン…アンタは、何を知ってる?

俺はな、高価なものには一切興味がねぇ。ブランド品なんて、全く分からん。ある程度の金は必要だけどよ、本当に価値のあるモンってのは、そんなもんじゃねぇって、若い頃に思い知ったんだ。

昔の俺は、面白いこと、楽しいことには徹底的に突っ込むやんちゃ坊主だった。

中学生の頃、おとなしかった俺が、いじめられてた友達を見てブチ切れて、リーダー格の奴をぶちのめした。それが俺の「開花」の瞬間だ。その後は、喧嘩ばかりの毎日。無免で単車を乗り回して、自由を追い求めた。

俺が一番大切にしている「繋がり」は、金じゃ買えねぇ、あの頃の修羅場で学んだ魂の絆だ

そんな荒っぽい青春を送った俺が、今、最も大切にしているのが「人と人との繋がり」だ。金なんかじゃ買えねぇ、義理と情で結ばれた繋がりだよ。この価値観ができたのは、高校1年の時、数ある修羅場の中のひとつをくぐり抜けた時なんだ。


敵地のド真ん中へ!彼女を守った俺を待ち構えていた地獄

アンタは、守りたいもんのために「ヤバい」って分かってても、突っ込めるか?

高校1年の時、俺には地元じゃ有名なヤンキーの彼女がいた。彼女も俺と同じで、人には優しい子だったぜ。当時、訳あって俺はアパートを借りて一人暮らしをしてたんだ。学校が終わると、彼女を単車のケツに乗せて、俺の家に帰るのが日課だった。

ある日、彼女を家まで送る帰り道。彼女は「危ないから、電車で帰るから駅まででいいよ」って言う。駅まで二人で歩いていったんだが、俺が住む市は、俺が敵対するヤンキーグループの拠点でもあった。

「大丈夫だ、気をつけて帰れよ」—この嘘と、不敵な笑顔が、地獄への片道切符だ

案の定、途中でそいつらと遭遇した。「おい!女連れてんじゃねぇか!」って言われてな。俺は「送ったら戻ってくるから待っとけ」とだけ言って、彼女を駅まで送り届けた。彼女は「大丈夫?」「やばいんじゃないの?」って心配してたが、俺は「大丈夫だ」「気をつけて帰れよ」って、強がって見せた。

駅からの帰り道、セブンを通りかかったとき、それは起きた。

この修羅場、たった一人の入場料はデカいぜ。 —だが、俺を笑わせた代償は、もっとデカくつく

セブンに3人、電話ボックス周りに5人、路地の奥には十数人。合計で20人弱の愚連隊だ。「クソっ」と思ったが、行くしかねぇ。さっき会った奴が「待ってたぞ」と胸ぐらを掴んできやがった。

「お前喧嘩つえぇかどうかしらねぇが、愚連隊をなめんなよ」と。

俺は笑っちまったね。「なめる?なめる価値もねぇな」と返した。


20人に囲まれた夜。缶コーヒーとタバコに詰まった先輩の男気

絶体絶命の状況で、アンタは恐怖を感じるか?それとも「愉しさ」を見つけられるか?

言うな否や、顔面にパンチが飛んできた。剣道をやってたおかげで、ボクサーのように完全にはかわせねぇが、ダメージを最小限に抑えることはできる。痛くも何ともねぇ、蚊に刺された程度だ。その後の蹴りやパンチも、数人から一方的に受け続けた。口の中が切れた血の味がする。

クソみてぇな状況だが、俺はワクワクしてたのを覚えてる。「なめんなよ!」というバカの一つ覚えみたいな言葉に、俺は笑っちまう。 「お前、一人の時同じことを俺に言ってみろ、ただじゃおかねぇ」と言いながら、コイツ一人の時は必ず締め上げてやるって、そればかり考えてた。

痛ェのは拳じゃねぇ。目の前を、誰も見向きもせず通り過ぎていく、この世の中の冷たさだ

殴られながらも、セブンの前を通り過ぎるサラリーマンや人たちを見た。誰も見向きもしねぇ。世の中つめてぇな、って、腹の底から感じた瞬間だった。

痛くねぇ、痛くねぇぞ…って笑いながら、あの時、俺の心は「孤独」に支配されていた。

軍歌をかき消す『喧嘩か?』の一言。世の中のデカい壁が、俺一人に向かって笑ってやがる

そんな時だ、軍歌を掛けながら、でっけぇバスが近づいてきた。バスのスピーカーから、軍歌をかき消すように「おい、〇〇(俺の名前)、何してんだ?喧嘩か?」と声が聞こえてきた。さらに、「〇〇が切れたらお前らやべぇぞ、まじで」「まぁその前に俺がこ〇すけどな」と笑いながら話している。俺を昔から可愛がってくれていた先輩だ!

先輩の登場で、愚連隊は「クソが!」と言いながら、そそくさと散っていった。

世の中には、缶コーヒーとタバコが最高に旨くなる瞬間ってのがある。
次にヤる時は、ぼっこぼこだ。そう決めた時の、この味だ

その後、セブンの前に黒塗りのバス3台と俺と先輩だけ。先輩は俺に缶コーヒー一本とタバコを差し出し、「ほれ」とくれた。どこかスッキリしていた。次に奴一人の時は、ぼっこぼこにしたろと思いながら吸うタバコとコーヒーは最高にうまかったのを覚えている


54歳の俺が貫く「繋がりの哲学」

 若い頃の荒っぽい生き方は、確かに格好良かった。でも、親父として、人として、『責任』を果たすことのほうが、どんな喧嘩に勝つよりもよっぽど難しいし、よっぽど誇らしいことだった。

アンタにとっての「本当に高価なモノ」って、何だと思う?先輩のくれた缶コーヒーのような「義理」か?それとも「ブランドの価格」か?

あの時に痛感したよ。今も昔も世の中、自分のこと以外は無関心な奴が多いってな。だからこそ、誰かのために動いてくれる「繋がり」が、どれだけ価値があるか。あの先輩の缶コーヒーは、俺にとって金じゃ買えねぇ高価なモンなんだ。今でも、地元に戻ったときはその先輩と飲みに行く。お互い歳をとったな、って笑いながらな

あの頃の缶コーヒー一本から始まった絆は、金じゃ買えねぇ。
こうして笑い合える歳月こそが、俺にとっての一番高価なモンなんだよ。

あの夜、俺を助けに来た先輩の背中こそが、俺が追い求めるべき「最高の価値」だった。金じゃ買えねぇ、命を懸けられるほどの義理と情だ。

俺の人生は、喧嘩の数じゃねぇ。繋がりの数でできている。そして、繋がりに応える責任の重さでできている。

高価なモンは追わなくていい。大事なのは、アンタが本当に繋がっていたいと思う誰か、そして、その繋がりを守り、裏切らねぇ「アンタ自身の心意気」だ。


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