【ボイトレ】良い先生だけど何かが違う。勇気をだして辞めた話。
先月、半年通ったボイトレ教室をついに辞めた。
歌へのモチベーションが下がったわけではなく、
むしろ真剣にうまくなりたいからこその決断だった。それにしても決断するまでに相当悩んだ。
8月、担当講師の方と初対面。
気さくで明るい女性の方だった。
待ちに待ったボイストレーニングの時間。
わくわく。
先生のピアノに合わせて発声している自分を鏡で見て、
”なんか自分、それっぽいことしてる!”
と気分が上がったのを覚えている。
最初はそんな調子で気分が良かったけれど、
レッスンを受けているうちに、
ある不安を感じるようになった。
私は基礎的な歌声というものが全くなっていない初心者だ。
歌声というよりしゃべり声に近くて艶もない。
そんな声でスケールレッスンをして意味があるのだろうか?
間違った発声の仕方が癖づいてしまわないのだろうか??
ハミングやネィネィネィと鼻に響かせる練習も、
やってる感はすごくあるけれど、
高音にかけて声がかくっと裏返るし正しくできている気がしない。
先生からのフィードバックは、
「もっと息を流して~」とか「喉の力を抜いて~」
「うんできてますね、」とか軽い感想をもらうだけで、
声の出し方本当にこれでできてるのかな?
と釈然としないまますぐに曲のレッスンが始まるというのがいつもの流れだった。
自分はまだ良い声をだせていない、
というのを分かりながら曲を通しで歌う時間は苦痛だった。
間違った癖を定着させるだけだと思ったからだ。
(学生時代に6年間フルートを吹いていたのだが高校生のときの苦い経験が蘇った。)
この不安を見逃すわけにはいかない・・!
と気が気じゃなくなり、先生に自分の考えを話すことにした。
といってもプロの指導法にケチをつけているようには思われたくなくて、
なるべくラフに聞こえるように気を使った。
「なんかもっと、根本的なところができてない気がして。。
一音だけ集中してキレイな声をだせるようになることからやりたいです。先生の綺麗な声をマネして発声するロングトーンみたいな・・もっと基礎的なことをやりたいです。」
語彙力はさておき、
よし、よく言った自分!!
と心の中でガッツポーズしたのもつかの間、
「基礎ってつまらないじゃないですか」
先生からの一言で会話は終了した。
先生曰く、歌が上手くなる人は
深いことを気にせずどんどん積極的に歌いつづける人なのだそうだ。
この言葉、全然腑に落ちなかった。
どんどん歌って上手くなれていたらボイトレに来てない。
自己流で8年間歌の練習をしてきて、限界を感じたからプロにアドバイスを貰うためにここにきたのだ。
センスのない凡人には、
根本的な理屈から説明してもらわないとダメなのだ。
毎回のレッスンで疑問点を先生にぶつけるもんだから、
ある日ついに言われてしまった。
「こんなに真剣にボイトレ受けにくる生徒さんいないですよ。笑」
偉いね、という誉め言葉だったのかもしれないが、
私はこれに対しても不信感を感じてしまった。
月2回で13,000円のレッスン。
私からすれば大金だ。
それだけ真剣になるのは当たり前だし、
それだけのフィードバックを求めてしまう。
この先生の元でレッスンをつづけていていいのだろうか・・
とだんだん辞めることを意識するようになった。
だけど、悪い先生ではないのだ。
自分より格段に綺麗な声をしていて、
それを生で聞けるという環境も恵まれているはずだ。
歌が上手く聞こえるビブラートとか発音の仕方とか、テクニック的なことも教えてくれる。それに先生なりに一生懸命にアドバイスをくれる。
なのに辞めるなんて言い出しづらいし、
他のスクールに行ったとしてもっと良い先生に出会えるとは限らない・・
ともやもやした気持ちで通い続けていた。
レッスンに通い始めて3カ月が経った頃、
「どうすればいいんだろう・・」
と先生を悩ませてレッスンが中断してしまうことが増えてきた。
質問が多くて相当面倒な生徒と思われていただろう。
「喉の力を抜いて」
というのをしぬほど何回も言われたが、
これができなくて私は苦戦した。
私だってそうしたい気持ちは山々なのだが、
「猫のことを考えるな。」と言われたときに頭の中が飼い猫でいっぱいになるように、
力を抜こうと意識するほど喉に意識がいってしまい、力が入ってしまうのだ。
不器用でセンスのない自分に嫌気がさした。
でもあきらめたくない・・!!
そんな時に、YouTubeで見かけた1本の動画に、
長年抱えていた頭のもやもやが少し晴れていくのを感じた。
喉の力を抜くためにはどういう練習をすればいいのか、
深く息を吐くためにはどんな筋肉が必要なのか、
という具体的な練習方法やアドバイスをくれる動画だった。
ずっと探し続けていた「歌が上手くなるための道筋」が見えた気がして高ぶった。みんなが口をそろえて言う「喉の力を抜いて」というアドバイスは間違ってはいないけど、全然本質的なアドバイスではなかったのだ。
早速この先生の無料体験レッスンに申し込みをした。
これまで色んなスクールに体験に行ったが、
発声の前の呼吸法から指導されるのは初めてだった。
楽器経験者の私は腹式呼吸を分かっているつもりでいたけど、
横隔膜や腹横筋が全然使えていないことが分かったし、一度のレッスンだったのにくたくたになった。
レッスン体験後、
この先生の元で鍛えなおしたい・・!
という思いが日に日に強くなり、
ついに半年お世話になった先生に退会の旨を伝えた。
新しい先生は、
不器用で質問が多くて面倒臭い私を、
”面白い”と言ってくれる。
また一からボイストレーニングに再挑戦することになった。
