じつは近くにいるのかもしれない
朝の激込みの通勤電車の中、見たいわけじゃないのに知らない人のスマホの画面が視界に入ってくることがある。
そんな時、私はそっと目を瞑り、妄想を始める。
その人が見ているスマホの画面はnoteである。
よく知っているnoterさんのページを見ている。
私は心の中で「あっ」と声をあげる。
(こ、これは○○さんのnote。)
(え?それを読んでいるあなたは一体だれ?)
心臓が高鳴る。
ログインしている本人のアイコンを確かめるために目を凝らす。
驚きで思わず声が出そうになる。
(うそでしょ⁉ 昨日の夜もコメントをやりとりした△△さんじゃない。)
(えー。こんな近くにいるだなんて。)
(私、今、あなたの後ろに立っているんですけど!!)
(知らせたい!でも、どうやって?)
誰一人 声など発していない朝の通勤電車の中では、たとえ一言であっても声をあげるのは憚られる。
(どうする?)
警察手帳のように自分のnoteの画面が出ているスマホを相手に見せながら、その人の前に立つ?いや、車内の込み具合から考えてそれは無理だ。できたとしても怪しい人すぎて、見てもらえないだろう。冷たい視線の先にいる自分の姿が滑稽すぎる。
じゃあ、勇気をだして、後ろから肩をトントンしてみる?いや、それも自分がされたらすごく嫌だと思うとできない。朝の電車で後ろからトントンなんてされたら、体を硬直させて恐怖で顔が引きつるだろう。あるいは「ぎゃー」とか声を出してしまうかもしれない。そんなことになったら、無事に仕事に行ける気がしない。
それに、こちらは気軽に身分を明かしたとしても、相手はリアルでは会いたくない人かもしれない。
などと考えているうちに、目的地に着く。
実際は、目が悪くて他の人のスマホの画面が視界に入っても何のページかなんてよくわからない。
でも、本当に身近なところによく知っているnoterさんがいるんじゃないかと思っている。
駅のホームで、カフェで、スマホの画面を熱心に読んでいる人がいたらそんなことを考える。

今日も仕事から帰ってくると郵便受けに宅配業者からの連絡票が入っていた。
『お届けのお荷物は宅配ボックスにお届けしました』
あ、この業者さん!あれ?前もこの暗唱番号だったような。
これで3回目かもしれない。
『ボックス番号 7』『ボックス暗証番号 874』
え? 874? は・な・し?
やだ。同じドライバーさんなの?
急いで、名前を確認する。
『ドライバー名:南野(なんの)』
あなたは、一体だれ?

最後まで妄想にお付き合いいただきありがとうございました。
また、次のnoteでお会いしましょう。
