【後編①】アメリカ大統領選挙2024~「もしトラ」とウクライナという火薬庫side:RED
いよいよ11月5日は米国大統領選挙の投票日。振り返るとバイデンvsトランプが競った2020年の米国大統領選挙で現職大統領が敗れるというサプライズに警鐘を鳴らしてから4年の歳月が経ったことになります。
2024年は、1月から米国大統領選挙に向けての基本的な仕組みである予備選挙、選挙人投票、副大統領の役割について既に触れてきました。
また2024年は世界人口の約半分にあたる40億人超の暮らす国・地域で国政選挙が行われるグローバル選挙イヤーでもありました。
9月・10月には大統領選挙に関する映画も紹介しましたが、映画はご覧になりましたか?
日本でも先日、衆議院選挙が行われましたが世界的な注目を集め、自分たちのリーダーを直接国民が選出する米国が少々うらやましくもあります。
(日本でも首相公選制度についてもっと議論が深まれ…)
本記事は選挙イヤーに入った2024年1月から2024年8月末までのアメリカ大統領選挙に関連する出来事を振り返るものです。
今回の大統領選挙は当日の天気一つ、またはアメリカの外(ウクライナや中東)の情勢などによって結果が変わる可能性もある非常に僅差となる見込みです。

またニュースなど情報の見方について、流れてくるものだけを鵜呑みにせずに視野・視座・視点を変えて考えることの大切さを説くものになります。
党員集会・予備選挙
大統領選挙イヤーに入り、1月中旬から「党員選挙」または「予備選挙」が行われました。
2024年の米国大統領選挙では現職のバイデン大統領が2期目を目指すことを表明していたため、民主党は新たな候補者の擁立を通例に倣って見送り、バイデン大統領・ハリス副大統領によるペアのままで選挙イヤーに突入したことになります。

他方、政権奪還を目指す共和党では候補者を7月の党大会に向けて絞り込んでいくことになりました。

主要候補者として選挙イヤーを迎えたのはドナルド・トランプ前大統領を筆頭に、トランプを真似た攻撃的なリベラルへの批判で「賢いトランプ」や「ミニ・トランプ」の愛称もあるフロリダ州知事ロン・デサンティス候補、トランプ政権時代に国連大使を務めた元サウスカロライナ州知事ニッキー・ヘイリー候補などがそれぞれの党員集会・予備選挙で競いました。

1年前の2023年1月時点での共和党候補は以下の通りでしたから、かなり絞り込まれたことになります。

しかし1/15に行われた初戦のアイオワ州党員集会でトランプ候補と次点のデサンティス候補は得票率で30ptを引き離される結果となります。
トランプ候補51%
デサンティス候補21%
ヘイリー候補19%
続く1/21の第2戦となるニューハンプシャー州では、ヘイリー候補に逆転されデサンティス候補の失速が鮮明化。
トランプ候補54.4%
ヘイリー候補37%
デサンティス候補7%
デサンティス候補は7月の党大会までにトランプ候補を上回る明確な道筋が見えないという判断で撤退を表明。そして政策的に近いトランプ候補の支持を表明しました。
訴訟を抱えながらの選挙戦

一方、トランプ候補はこうした党大会・予備選の合間を縫って、民事裁判・刑事裁判の内、大統領任期中に関連した大きな争点になっている4つの事件での裁判が行われていました。

2024年4月時点で裁判費用だけで1億㌦(約150億円)、民事訴訟で求められている保証金は4億5400万ドル(約685億円)を、期日までに納められないと財産の差し押さえがされるという状況でした。
ここで注目を集めたのは、いくら資産家とはいえトランプ候補が高額となりやすいアメリカの、それも大統領職にまつわる訴訟費用などをどうやって工面するのかという点でした。
トランプ候補は元々は不動産王。資産の大部分は不動産です。NYを中心に数多くの不動産を所有しており、歴代大統領経験者の中でもトップクラスの資産家で、1990年代には10億㌦に届かなかった時代も珍しくありませんでしたが、2016年の大統領選挙時代には30億㌦。直近では就任1年後には35億㌦がピークとされていました。
しかしコロナ禍による外出自粛やリモートワークによって都市部の地価は下落、家賃収入も大きく減少。
不動産オーナーの立場として、コロナ禍が明けてこれから大都市の地価が回復すると見込んだ場合に、安くなっている時点で手放すことは得策でしょうか。
更にトランプ候補の資産の持ち方も、事態を難しくします。
不動産はまとめて一棟や1区画まるごと持っていることで資産としての価値を高めます。区分所有のように1部屋、1フロアだけのように切り売りをするには大勢の買い手が付くまでに時間もかかり、現金を手に入れられるようになるまで時間がかかります。また高額なNYの不動産を買える人たちは限られています。
不動産を担保に銀行等から融資を受けることもできますが、融資の利息は住宅ローンなどの金利よりも圧倒的に高く、インフレ抑止のために利上げをしてきた米国の政策金利(1年)は5.50%。住宅ローン金利は平均7.00%(固定金利が9割)
事業用ローンやフリーローンなどは更にリスクプレミアムが乗せられた金利になることが想像できます。
またトランプ候補自身も苦しい状況にありました。

2018年の大統領時代にトランプ氏の弁護士となった、911発生時のNY市長だったジュリアーニ弁護士は2020年の大統領選挙で「(トランプ候補の)票が奪われた」と投票の集計システム等への批判。
これに対して弁護士資格はく奪された上、1億㌦4800万㌦(当時レート換算210億円)の賠償を命じられ、破産を申請するなど顧問弁護士というブレーンを失っていました。
更に大統領任期中に大統領の報酬年収40万㌦(当時レートで4270万円)を年1㌦*しか受け取らないことを公約に掲げていました。
*無償にすると法律違反となるため
またトランプ候補は連邦議事堂襲撃事件を扇動したなどの疑いで2021年にFacebookやTwitter(現X)でのアカウント停止処分を受けたことを不服として、自身でSNS「Truth Social」(運営会社:Trump Media & Technology Group Corp/TMTG、ティッカーDJT)を立ち上げました。
そして既に上場していた特別買収目的会社(SPAC*)「Digital World Acquisition Corp」(DWAC)に買収**させる形で2024年3月に資金調達などを行いました。

上場の2024年3月時点でユーザー数140万人
DJT=ドナルド・ジョン・トランプ
*SPACはそれ自体が事業を行わず、企業を買収する前提の空箱企業。
**合併までの申請等に約2年半を要している。
この買収・上場によって時価総額80億㌦(1兆2000億円)が確保され、トランプ氏は保有する58~69%の株式を保有。
尤も上場から半年間は株式の売却や株を担保に資金を借りる事は制限されていて、カネは作ったけど引き出せないし、借りられない状態に陥りました。
そこで活用されたとされているのがPACという仕組みです。
これは2010年に米国における政治献金への規制で上限があることは違憲であるという判決を契機に確立したもので、候補者から独立したPACを組織すれば、寄付額の上限がなく、またPACがその資金をどのように使ったかの支出は非開示で良いとするものでした。

この仕組みを「スーパーPAC」と呼ぶようになった。
また近年の大統領選挙の党大会や予備選挙においてコンサート会場のようなきらびやかなステージなどは多くの企業や投資家、資産家から一般有権者まで多額の寄附をすることで資金調達を行い、実現しています。

非開示のため資金の本当の流れは不透明となり、トランプ候補は訴訟費用や保釈などの保証金をこうしたあの手この手を駆使して確保しながら選挙運動を展開しました。
PACを利用した選挙活動についてはコメディ映画『スイング・ステート』でも描かれており、米国における政治(選挙)とカネの闇にあたります。
驚くべきは、振り返ると先々に起こる事態をまるで見据えているかのように事前に仕掛けていた物事がトランプ候補に道を譲るように開いていったように思える点です。
しかし「保守」である共和党支持者の中には、こうしたトランプ候補のやり方に賛同できない人たちも少なくありません。

幾つもの訴訟を抱え、汚い言葉を吐き捨て、相手を威嚇し…こんな人物が米国の大統領候補でいいのだろうかと悩む保守的な共和党員も少なくありません。
スーパーチューズデイ
そうした反トランプ派の共和党支持層に支えられて、ヘイリー候補がトランプ候補を追う展開となった共和党候補争いは各州で引き続き競われますが、2月末までにトランプ候補が16州中14州を先行して制する一方で、ヘイリー候補はワシントンD.C.とバーモント州を抑えただけ。

2月24日にヘイリー候補がかつて州知事を務めた地盤であるサウスカロライナ州でトランプ候補に敗れても撤退を表明しないまま3月初旬のスーパーチューズデイに突入。
その直後の3月6日に撤退を表明。ヘイリー候補がすぐに撤退を表明せずに各地で選挙活動を続けてきた理由は、4年後の大統領選挙を見据え、できるだけ多くの州で知名度を獲得する狙いがあったとされています。
また撤退を表明したものの、その場ではトランプ候補を支持せず、共和党内の自身の立ち位置(反トランプ)を堅持することを示しました。
この3月時点で共和党=トランプ支持であると示してしまうと、反トランプ層が共和党から民主党に鞍替えしてしまうリスクを考慮してのものだったと考えられます。
結果、7月の党大会でトランプ候補が選出されるタイミングを見計らってヘイリー候補がトランプ候補を支持する旨を表明しました。
こうして現職である民主党のバイデン大統領・ハリス副大統領と、共和党はトランプ候補で2020年の大統領選挙のリベンジに挑む構図となりました。
2024年6月28日、トランプvsバイデンの討論会が開かれ、90分間の中で相手が発言している際には他方のマイクがオフになる仕様で行われました。

しかし声はかすれ、歯切れも悪く口ごもるバイデン大統領に対して、トランプ候補は攻撃的な言葉で応酬。
前回の大統領選挙における討論会では相手の話している時に、声をかぶせて遮るなどしたトランプ候補の悪癖を封じることでバイデン大統領の主張をしっかり届けようとしましいたが、これが裏目となり、視聴者の間で「バイデンで本当に大丈夫か?」という不安が募る結果に終わります。
D・トランプ暗殺未遂事件
7月13日、ペンシルベニア州バトラーの選挙集会で演説中のトランプ候補が銃撃される事件が起こりました。
演説中のトランプ候補を3Dモデリングして、その顔の動きと弾丸の軌道をシミュレーションした映像では本当に間一髪、仕草で顔を動かした数mmが生死を分ける紙一重だったことが分かります。
シークレットサービスに囲まれて流血をしながらも舞台の上でガッツポーズを示し、「FIGHT!FIGHT!FIGHT!」と観衆に無事を示し、舞台を去る様子をAP通信のカメラマンが撮影。

後ろで空にはためく星条旗の構図が、太平洋戦争で世論を動かしたとされる『硫黄島の星条旗』を思い出す人も少なくなく、今回の大統領選挙における決定的な流れが変わったシーンの一つになりました。

訴訟や暴言、何をしでかすか分からないトランプ候補への批判や不満から、一転、力強いアメリカの大統領(候補)を思わせました。
公式ではありませんが、あの銃撃事件があったにも関わらず、翌日には大好きなゴルフに護衛もつけずに出かける様子がXで投稿されるなどそのタフさ*と自由さがトランプ候補の魅力なのかもしれません。
*銃撃事件だけでなく、過去に事業倒産など数々の失敗・スキャンダルを経て大統領になった不屈の精神を含む意味で。
銃撃事件のわずか2日後、7月15日から3日間で開かれた共和党大会には耳にガーゼを当てながらもトランプ候補が登場。

共和党候補者として指名され、3日目には副大統領候補としてJ.D.ヴァンス氏が指名されました。
ヴァンス氏は近年の大統領選挙の争点激戦州の一つでもある「さびついた地帯」オハイオ州出身の上院議員。

ハリス候補への対抗として人種の多様性をアピールする狙いも。
自身の幼少期の経験を描いたベストセラー『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』の原作者でもあります。
もしもトランプ候補が大統領に再選したら…「もしトラ」と言われていたそれが銃撃事件を契機に「ほぼトラ」へと変わりました。
もし明日選挙なら、トランプがほぼ勝つだろうという状況です。
そして力強いトランプ候補のイメージが、そのまま現職有利とされたバイデン大統領の弱弱しさを引き立ててしまうことになります。
民主党の誤算(1)
対する民主党、バイデン大統領はコロナ禍からおよそ1年が経った2021年1月に就任し、失業保険・補助金等のバラマキ、新型コロナウィルス感染症対策のワクチン外交、世界中の物流停滞・減産によるインフレーションを鎮静化するための利上げに奔走していました。
そんな中で就任から1年1か月が経過した2022年2月24日にロシアのウクライナ侵攻が発生。2014年のロシアによるクリミア半島併合以来の危機が訪れました。
ウクライナ危機
メディアによってはロシア・ウクライナ戦争とか、ウクライナ戦争、ウクライナ侵攻と様々に呼ばれたりしますが、私は「戦争」や「紛争」ではなく、核戦争寸前まで突入したキューバ危機になぞらえウクライナ危機と呼んでいます。
ウクライナ危機におけるアメリカの対応は非常に残念で、散々なものだったと振り返る人も少なくないのではないでしょうか。

2022年3月2日に米国下院議会で行ったバイデン大統領初の一般教書演説ではウクライナのマルカロワ駐米アメリカ大使を招きロシアを批難し、NATOの結束をチラつかせたものの、侵攻を止めるための介入もウクライナを助けるための派兵も行わないことを宣言します。

バイデン大統領がこの演説の中で掲げたのはウクライナ支援のために金を出す、国際金融からロシアを締め出す、ロシアの新興財閥らが保有している資産や別荘やクルーザー、贅沢品を差し押さえ、同盟国と共にこれを実施することを掲げました。
その時の在米ウクライナ大使の表情は失望と落胆でした。

大使の失望は尤もです。バイデン大統領とウクライナの関係を考えれば、これはオバマ政権時代に副大統領だったバイデン氏が約束していた事の反故ということになります。
2014年に起きたユーロ・マイダン革命、クリミア併合など一連のウクライナ情勢の最中でもバイデン氏は米国側の窓口であり、「ウクライナがNATOに加盟したいなら、アメリカが強く支持する」と言っていたのです。

それがいざウクライナに火の粉がふりかかってから、「NATOは共同安全保障だからさ、既に戦争している国を入れちゃうとロシアとNATOの全面戦争になってみんな困るからウクライナはNATOに入れないわ」と梯子を外したことになります。
その後の国連で、決議にかけられました。しかしロシアは常任理事国ですから、自国の制裁に対しての可決*など認めるはずもありません。
*常任理事国が1国でも反対すれば否決できるため
だからアメリカは、自主的に各国がロシアとの貿易や国際決済等に関して締め出しをするよう働きかけました。
西側同盟諸国でアメリカとこれからも仲良くしたいよね、協力しないならロシア側だと捉えられて一緒に制裁対象になるからねと脅しながら。

コロナ禍における物価高などが世界的に始まりつつあった中で、世界でも有数の石油・天然ガスなどを各地に供給しているロシアを締め出す…
これで打撃を受けたのは喉元で戦争状態に突入しているヨーロッパだけでなく、世界中がドミノ倒しのように影響を受け、世界的なインフレーションが加速していきます。
ウクライナが戦況を容易にひっくり返すことは困難で、この侵攻はウクライナが早々に敗戦を受け入れ終結するというのが大方の見方でした。
しかし隣国ポーランド経由*で米国らから供給された武器を活用し、徐々に領土の奪還を始めます。すぐに集結すると思っていたロシアにとっても誤算でした。
*NATO加盟国であるポーランドを攻めるためにはウクライナを領土・領空を攻略しなければいけない上に、ポーランド北部と隣接する飛び地のロシア領カリーニングラードがNATOに袋たたきにされ失われるリスクがある。
世界の人々が考えていた以上にウクライナ人の士気は高く、ゼレンスキー大統領の決意の元で一般国民が武器を手に戦い抵抗する覚悟をしていました。

キエフでの徹底抗戦によってロシアの兵力が分散し、失地奪還の機会を伺っていた。
ゼレンスキー大統領は元々コメディアン出身、しかも下ネタ系が持ち芸だった人物です。
ウクライナ国内で人気ドラマに主人公として出演し、作中の展開と奇しくも(狙って?)連動した大統領選挙で2019年に大統領に選ばれ、多くのメディアは「有権者はフィクションと現実の選挙を混同(倒錯)した」と揶揄しました。
ゼレンスキー大統領は当選時のインタビューでプーチン大統領と会ったら何を話すかと聞かれ、「私たちのクリミア半島を還してくれてありがとう。よくも私たちのクリミア半島を長年に渡って占領してくれたものだ。この賠償のための予算はいくらほど用意しているんですかと伝えたいと思う」と語っていました。
しかしマクロン仏大統領・メルケル独首相(当時)などの欧州の首脳らがセッティングした交渉テーブルで妥協点を見出すことができずに関係は悪化。
2022年2月、ついに侵攻に至ってしまいます。

クリミア半島の返還を求めて協議を行うが…。
2022年3月に入ると米軍から武器の一部が届き始め、ウクライナ軍の反撃が始まります。
供給される武器の性能はロシア軍が装備する旧ソ連時代の重火器のようなものでなく、2000年代に相次いで開発された比較的新しいものから、2019年、2020年に改良された最新鋭のものであることも大きな要因でした。
侵攻直後に電撃戦で首都キエフ近郊や北部の広い範囲を奪われていましたが、4月上旬には北部地域の奪還に成功。
しかし弾薬の数が足りない等で追加の支援を求め続けますが、アメリカを始めNATOの国々は積極的な支援をしてはくれません。
物価高により各国が厳しい状況にあるだけでなく、積極的な支援をする事でロシアの矛先が自分たちに向くことを警戒しているのです。
こうしてウクライナが望んでいなくても戦争は膠着に近い状態となり、現在はロシア領に近い東部および南部の激戦地での攻防が続いています。
国連人口基金は2022年2月時点で約4300万人だったウクライナの総人口が、2024年10月時点で推定3500万人になっていると発表。
(2014年のクリミア併合からでみると1000万人の減少)
ウクライナの民間人死者数は1万582人(2024年2月時点)
戦死者数はウクライナ兵3万1000人、ロシア兵の7万人。(2024年9月時点)
戦争はあまりに多くの犠牲を払うことになり、次々に届く国民と兵士の犠牲の中でゼレンスキー大統領の表情は兵士のそれになっていきます。
就任5か月で即位の礼に来日されたゼレンスキー大統領。キーフに残るという“命を捨てる”決断で国民を1つにまとめた氏。露の暴挙が通れば台湾も日本も危うかった。心ある日本人はウクライナだけでなく我が東アジアの為に闘ってくれているとの思いで手を合わせていた。こうも変わった大統領の顔。ただ感謝 https://t.co/MaHu6pPj0q pic.twitter.com/yWL6mveGJD
— 門田隆将 (@KadotaRyusho) April 5, 2022
ロシアがウクライナへ侵攻した2022年2月以降、西側諸国とメディアは一斉にロシア批判を行いました。
また制裁と称して、バイデン大統領の呼びかけに応じてロシアで展開するグローバル企業が相次いで撤退しました。

ロシア軍の侵攻そのものへの批判と、ロシアが侵攻をした背景についてはきちんと分けて見つめる必要があることを私はこれまでも過去記事で繰り返し警告してきました。
西側メディアにとって都合の良い報道に感化されて同情心などで寄付を募ったり、義援金を送る行為は非常に危うく、それ自体が詐欺の片棒を担ぐようなものだと考えています。
ソ連解体以降にウクライナが歩んできた腐敗と汚職の歩みは、一方的にロシアが悪いとは言えないことも、ウクライナを擁護する方からは批判をされますがウクライナの自業自得であったと私は今でも思っています。
(ウクライナ国民が悪いのではなく、そういった汚職や腐敗を選挙で当選させ続けた帰結としての現状という意味で)
特に東部地区ルガンスク・ドネツク州におけるウクライナ政府による国際人権侵害をロシアは国連に警告し、日本の法務省も深刻な事態であることを報じています。
しかしロシアとウクライナは旧ソ連時代に一体だった国であり、国連常任理事国の座をロシアは引き継いでいます。
国連にはどうやらロシア・ウクライナのクリミア併合以来の領土侵略は内政干渉にあたると考える節があり、拒否権を行使して介入をさせまいとする動きが働きます。
またこれと非常に近い状況にあるのがかつての国連常任理事国である中華民国(現:台湾)と中華人民共和国の関係にも同じことが言える危険性があります。

トランプ候補は日本の安倍晋三元首相を介して、ロシアのプーチン大統領とも個人的に親しく、安倍元首相の銃撃事件による死を悲しんでいました。
また「自分が大統領だったらロシアはこんな愚行をしなかった」と語り、大統領を退いた後にプーチン大統領、ゼレンスキー大統領とも私的に連絡を取っていたことについて明言を避けつつも、自身が大統領に返り咲いた際にはウクライナ戦争を24時間以内に停戦させると宣言しています。
振り返るとこれは結果論かもしれませんが、トランプ大統領時代に世界は絶妙なバランスで成り立っていました。
アメリカに比肩するロシアが日本を介し、世界の安定のためにこうした戦争状態を起こさなかったことはトランプ候補にとっての誇りでもあるでしょう。
他方、一度弱腰を見せてしまったバイデン大統領時代のこの4年間はウクライナ侵攻、第五次中東戦争…世界の緊張が崩れてしまっています。

トランプ候補が大統領に返り咲いたからといって現在の戦争が終わり、新たな戦争が絶対に始まらないという保証はありませんが、世界のバランスに期待する人が少なくないのもまた事実としてあります。

次回は「民主党の誤算(Side:BLUE)」の続きを書きたいと思います。

