【登録不要・無料】現役税理士がAIと『本格M&Aシミュレーションゲーム』を作ったら、バランス調整の地獄にハマった話
「税理士が本気で資本主義の裏表をゲームにしたらどうなるか?」
そんな実験から生まれたのが、登録不要・完全無料で遊べるM&Aシミュレーション『キャピタル・エンパイア』です。
リアルタイムで動く株価、新株発行による買収、独占禁止法の是正命令、そして怪しい裏取引……。単なるマネーゲームに終わらない「リアルな資本主義の手触り」を、スマホやPCで数分から体験できます。
本記事では、本業の傍らAI(Claude Code)とタッグを組んで挑んだ開発秘話や、AIに何千回もプレイさせて調整した「バランス地獄」の裏側を開発者目線で公開します!
(本稿はClaude、Geminiの力を借りて制作しました)
どんなゲーム?(60秒でわかる遊び方)
プレーヤーは持株会社の運営者として、グループ名(ホールディングス名)と祖業(10業種から)を選んでスタート。 それだけ。アカウント登録もインストールも要りません。
リアルタイムで動く株価チャートを眺めながら、割安な会社を見つけて買収。現金が足りなければ自社株を発行し、その株を対価に相手を飲み込む「株式交換M&A」も使えます。
イベントが飛び込むと時間が止まり、意思決定を迫られる。買うか、売り抜けるか、それとも……裏取引に手を染めるか。
経営およそ20年。あなたの歩み方に応じて、迎えるエンディングが変わります。
スキマ時間に数分で終わらせることも、じっくり帝国建設に没頭することもできます。


オリジナリティ ―― 「規模の暴力」を、あえて崩したM&Aゲーム
経営シミュレーションは数あれど、私がこのゲームでこだわったのは「買えば買うほど強くなる"スノーボール"を、いかに壊すか」でした。
この手のゲームは通常、一旦、序盤にリードを奪えば後は雪だるま式にアドバンテージが蓄積され、そのまま逃げ切って一人勝ちしがちです。
それを、できる限り現実の資本主義に実在する"ブレーキ"で崩しました(もちろん、現実に存在する多種多様な規制を全て織り込めているわけではありませんが)。
1. 独占禁止(アンチトラスト)
会社を傘下に抱え込みすぎたり、同じ業種を寡占したり、短期間に買い集めすぎると、当局から是正命令(制裁金+子会社の強制放出)が飛んできます。しかもこれはライバルファンドにも平等に適用される。
したがって、グループが大きくなっても崩れる余地があり、逆転が起きやすいギミックを入れています。これにより、「数より質」――傘下を固定せず、収益力の高い会社に入れ替えていく動機が生まれます。
2. 持株会社の"地力"は、傘下企業の平均
ホールディングスの技術力・広報力は、集めた子会社の平均値。つまり「どんな会社を買い集めたか」がそのまま自分の実力になる。安さに釣られてよく吟味せずに会社を買い集めれば、グループの地力も薄まります。
3. シナジー vs 集中度ディスカウント
同業・同国を集めると連結収益力にボーナス、業種を散らしすぎると連結収益力にマイナス影響が生じるという、"選択と集中"のロジックを組み入れています。ただし、「選択と集中」は独占禁止の是正命令リスクを高める点に注意が必要です。
4. 株を"通貨"として使う
グループが巨大化すれば、現金ゼロでも新株を発行して大型M&Aを仕掛けられる。これは実際の資本主義の中でも最も夢のある仕様のひとつです。ただし、新株発行は株式の希薄化を引き起こし、(本ゲームの中では)増資余力を低下させ、その結果として将来的な成長スピードの鈍化に繋がります。そして、株式の希薄化の解決策として「自社株買い」が用意されています。
5. 手ごわい4つのライバルファンド
さらに、4つのライバルファンドがプレーヤーと鎬を削ります。ライバルファンドたちはそれぞれ「攻撃的ロールアップ」「割安ハンター」「業界特化」「闇資本」という行動特性を有します。
彼らはそれぞれの行動特性に従って会社を買い集め(時にはプレーヤー傘下の上場子会社にも手を出してきます!)、終盤には互いの上場子会社を敵対的買収で奪い合います。
ライバルの成長に追い付けなければ、最終的にはプレーヤーのファンドが飲み込まれる(=ゲームオーバー)可能性もあります。「攻めなければ、負ける」。まさに弱肉強食という資本主義の黄金律がここにあります。
魅力 ―― 「善き経営者」も「悪の帝国」も選べる
このゲームでは、唯一の"正解"を用意していません。
正統派:会社を連ね、育てて根を張る巨大コングロマリットへ。
売り抜け上手:買って育てて最高値で手放す伝説の投資ファンドへ。
職人連合/個の富:一度傘下にした会社を一切売らずに堅い信頼で繋がる職人連合、絶妙のタイミングで全てを現金化する"個の富"……。
闇の道という選択肢
そして――闇の道。裏取引に手を出すと、市場の信頼(評価)を犠牲にする代わりに、帳簿に載らない現金が毎週入ってきます。
さらに「情報操作」で拠点国の政情不安を高め、当局からの摘発(独占禁止の是正命令)を受ける確率を抑制します。あなたの名は莫大な富とともに、密やかに畏れられる"経済マフィア"や"死の商人"として歴史に刻まれます。
リアルな資本循環とやり込み要素
また、株価が低迷する時期にも、借入によりレバレッジをかけて自社株買いを行って株式の希薄化を解消したり、借入によるレバレッジをかけて有望な会社を買ったりできます。「株価が高いときに増資して売り、安いときに買い戻す」――この資本循環が、そのまま腕の見せ所になります。
ゲームが終了すると、最終株価・時価総額・収益力が表示され、個人の歴代ランキングと全世界の共有ランキング、そして到達したエンディングを集める"図鑑"が残ります。次はどの結末を狙うか――そこからが本番です。
開発秘話 ―― 税理士が、なぜ?
出発点は「経済の手触り」を届けること
私の本業は税理士です。日々、会社の数字、事業の価値と向き合っています。時価総額、レバレッジ、M&A、規制――経済ニュースで飛び交うこれらの言葉の"手触り"を、遊びながら体感できるものがあってもいいんじゃないか。そう思ったのが出発点でした。
本ゲームには、技術的な縛り、すなわち、すべてを1つのHTMLファイルに詰め込むという制限を課しました。そのおかげで、このゲームは、サーバーも登録も不要、リンクを開けばそのまま動きます。
株価チャートも、ライバルファンドも、10種のエンディングも、全部その1ファイルの中で動いています(世界ランキングだけは Cloudflare のサーバーレス基盤を使っています)。
そして最大の相棒が、AIコーディング(Claude Code)とのペアプログラミングでした。設計の相談から実装、そして後述する"バランス地獄"の検証まで、AIと壁打ちしながら詰めていきました。
個人が本業のかたわらでここまで作れるようになったのは、間違いなくこの数年の生成AIの変化のおかげでしょう。
苦労した点 ―― バランス地獄と、真っ黒なチャート
きれいごとだけでは終わりませんでした。
① チャートが真っ黒になるバグ
株価チャートの描画をブラウザのアニメーション機能に任せていたところ、タブを裏に回すと描画が凍りつき、チャートが黒い画面のまま残る現象に悩まされました。
原因を突き止め、「毎フレーム描く/一定間隔でも描く/作り直した瞬間にも描く」という三重の防御でほとんど根治させています(このバグはまだ稀に起きますがご容赦ください……)。
② バランス地獄
一番時間を溶かしたのはここです。「攻めないと負ける、でも下手に攻めても負ける」――このヒリつく緊張感を"数字"で作るために、AIに何十回もプレイさせて勝率・吸収率を測定する"ヘッドレス・シミュレーション"を回しました。
消極プレイなら100%飲み込まれ、上手な攻めなら首位争いに残る……その黄金比を、独占禁止・増資枠の上限設定・集中度ディスカウントといった仕組みの係数を何度も調整して追い込みました。
闇の道も、「強すぎず弱すぎず(現金は増えるが、評価と摘発リスクで相殺)」の一点を狙って調整しています。
③ スマホで"トンデモなく見にくい"問題
情報量が多いゲームなので、スマホのゲームプレイ画面が、最初は開いてびっくりするほど目も当てられない状態でした。情報帯と操作行を分離し、一覧の並びを組み替え……と、モバイル向けインターフェースを抜本的に作り直しました。
④ 日本語/英語対応
アクセス国が日本なら日本語、それ以外なら英語を自動表示する多言語対応も入れました(右上のボタンで手動切替も可能)。UIだけでなく、飛び交うニュースや意思決定、エンディングの文章まで――全文をまるごと英訳しています(AI任せなので不自然な翻訳もあるかもしれませんが、そこはご容赦ください)。
こんな人に遊んでほしい
経営・投資・資本主義の"感触"を、遊びながら味わいたい人
桃鉄・A列車・Capitalism・シムシティ的な経営シミュレーションが好きな人
スキマ時間に、登録なしでサクッと遊びたい人(でも奥は深い)
ビジネスパーソン、就活生、経済に興味のある学生
そして――"悪い経営者"をロールプレイしてみたい人(闇ルート、お待ちしています)
さいごに
登録不要・完全無料。スマホでもPCでも、リンクひとつで始められます。
▼キャピタル・エンパイアを遊ぶ
いつ買い、いつ売り抜けるか。あなたの選択が、あなたの帝国の結末を決めます。
遊んでみた感想や「こんな機能がほしい」というリクエストは、ゲーム内のお問い合わせフォームから気軽にどうぞ。お待ちしています。
なお、本ゲームに登場する企業名・グループ名・人物・国名等はすべて架空であり、実在の法人・団体・個人とは一切関係ありません。
