夏休み限定、「流行らない食堂」今日も大繁盛
我が家の食卓は、6人掛けだ。
そこに夏休みが来ると、家族が集まって増える。今年は今のところ11人だ。
どう計算しても、一度には座れない。
朝、昼、晩。毎食ごとに向かえる「ごはんの時間」は、必然的に二交代制になる。
第1陣が食べ終わり、皿を下げ、テーブルを拭いて、第2陣を迎える。それを娘たち一家が滞在中、毎日くり返す。
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かつて、義母が言った言葉がある。
「我が家はね、流行らない食堂なのよ」
義母はそれ以上、何も説明しなかった。
けれど、私がその台所を引き継ぎ、夏休みの台所で包丁を握り続けるうちに、理解できた。きっとこういうことだったんだなぁ、と。
11人が食べ終われば、それで今日の営業は終わり。
けれど営業中の台所は大忙しで、目が回るようなてんてこ舞い。
朝ごはんが終わったと思えば、もう昼ごはんの仕込み。次から次へと洗うお皿とコップ。
でも、どんなに汗を流しても
1円も儲かりはしない。
あの言葉には、怒涛のような忙しさへの笑いと、家族のお腹を満たすことへの強い思いが、詰まっていたのだ。
仕込みから片付けまで途切れることのない夏休み。
「流行らない食堂」の切り盛りは本当に力仕事で、毎日クタクタになる。
それでも、賑やかな声が響く食卓で、交代しながらおいしそうにごはんを食べる家族の姿を見ていると思う。
利益はないけれど、今年の夏も我が家の食堂は大繁盛だ。
多くを語らなかった義母の言葉の意味をかみしめながら、私も汗をかいて、この愛おしくも忙しい暖簾を守っている。
今日もようこそいらっしゃいませ!
