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2026年宇宙の旅

モノリスは今何処にいるのだろうか。

スタンリーキューブリックの2001年宇宙の旅を観ましたか?

私はあの映画を観た時
物語の冒頭に登場する原始人に自分とを重ねていた。


あれから四半世紀以上の時間が流れた。

私は宇宙へ旅立つ代わりに、手のひらのなかの小さな黒い板―
スマートフォンという名の、お行儀よく洗練されたモノリスに夢中になった。

それは言葉を覚え、音楽を奏で、私たちの代わりに考え、いつの間にか私たちの知性を少しずつ拡張し、あるいは奪い去っていった。

西暦は2001年を遠く過ぎ、いまや2026年だ。
人類は宇宙の果てへたどり着くことも、星の向こうの知性と手を取り合うこともなかった。

代わりに手に入れたのは、AIが吐き出す膨大なデータの海と、便利で窮屈な日常だけだ。

それでも、時々夜空を見上げるときがある。
波の音がかすかに響く部屋の窓辺で、ふと暗い海原の向こうに思いを馳せる。

モノリスは今何処にいるのだろう。

私が待ち焦がれたその石板は、もしかすると宇宙のどこかで、あるいは私たちのすぐ足元で、まだ見ぬ次の「始まり」の合図をじっと待っているのではないか。

あの荒涼とした大地で、天を仰いで骨を放り投げた原始人のように、私は今も、暗闇の中で途方に暮れながら、同じ空を見上げている。

画面をスクロールする指を止め、
私は空に向かって骨を投げつけたい。

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