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エッセイ講座~上級13期・中級11期・初級9月期~

※〈エディターコース〉メンバーならびに受講生向けの限定記事です
※その他の方も、途中まで無料でお読みいただけます

やってきました、エッセイ講座の日!

🔶概況

🔷上級・中級

現在、それぞれ13期・11期開講中。
次期はいずれも11月開講。

🔷初級

9月期のテーマは「月見」「サンマ」「待ってました!」。
初級は随時申込を受けつけているので、これなら書ける!書いてみたい!という方のチャレンジをお待ちしている。

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🔷オンラインクラス

9/13に1期が開講。
講義の時間は文章の初歩を真剣に学び、ゲームの時間は腹を抱えて笑い…
なんとも楽しい90分になった。

初回を終え、
「残りの講座、たったの5回?といまからさみしくなっています」
「新たな刺激をもらった」
「皆さんとのゲームはとても楽しくて、たくさん笑ってしまいました」
という嬉しい感想をいただいている。


🔶公開添削

ここからは現在開講中の講座の公開添削だ。

🔷上級

13期の今回、むちゃな条件をつけた。

テーマ 万博
執筆条件 昨日行った体(てい)のエッセイ

行ったことのない人にとってはかなり難しかったはずだ。
おそらくふだんのエッセイではやらない何らかの「工夫」が必要だから。

今回も全員が「大公開オプション」を選ばれたので、誰でも見ることのできるこの場で添削!


👩 まいまいままさん

数々のエッセイを産み落としてきたまいまいままさんの「工夫」やいかに。

「異次元の紹介記事(仮)」
 
人が多い場所が苦手なワタクシ。それなのに昨日、思いきって万博に行ってきた。キッカケは2つ。
ワタクシが生きているうちに行ける日本開催の最後の万博かもしれないとささやかれ焦ったこと。そこに「開催中の万博で競争率40倍というサウナに入った」という奇妙な紹介記事が目についたこと。
「万博内でサウナってなんなん? 競争率40倍? どんなセレブなサウナなわけ?」
気になってその紹介記事を読み始めると、すぐにその辺の紹介記事とはわけが違うことをハッキリ感じた。

散歩するテンポで語られるのが心地いい。情報は押し付け過ぎず、足らなすぎず。ほどほどに入っている著者の感想の匙加減が絶妙。そして文中に添えられた写真から、一気に景色が広がった。
「やられた! 読後感ハンパなし! ここ、行かなきゃ絶対に損!」
第一目標は、万博サウナと決めた。

一方、偶然再生されたこの万博サウナの関連映像。
「うわ~! きゃ~! 汗がいっぱい出ます~!」
という女性の黄色い悲鳴ばかりで情報が薄っ! 最初にこれを観ていたら100%気にも留めなかったに違いない。タイミングって大事。


念願の万博の西ゲート前へ降り立ったのは昨日の夕方。そこからお目当ての万博サウナの場所を再確認。
「この方向だよね…。あってるよね?」
ところがすぐに困ったことになる。
「入場チケットは分かったけど、太陽のつぼみ・万博サウナの予約の仕方が分からな~い!」
現地に来ればなんとかなると思ったけど2か月前予約とか、当日予約とか。 説明文が長すぎて全然意味分からん。
そのとき、ハタと思い出した。
「いまnoteで人気の、万博のあれやこれやを案内してくれるサービス『アテンド万博』ってあったよね。なんであれを申し込まなかったんだろう」
今さらながら激しく後悔。これは明らかに大失敗。どうしよう…。


実はこれ、本当に会場に行ったわけではなく自宅のパソコンで1人旅をシュミレーション中。大の大人のくせして地図が読めないうえに方向音痴、かなり残念な感じのワタクシ。
「これ、リアルだとサウナに入れたかな」
「自力でお土産を買えてたのかな」
「トイレの行列できるって聞いたけど、無事にたどり着いただろうか…」
自宅にいながら、しっかり迷子になっていた。
「リアルじゃなくてホントよかった~」
ほっと胸をなでおろす。

そうだ! 迷子ついでに端から順番に全部の料理を味見して行こう。
どうせワタクシの勝手な妄想の世界。
時間もお金もいくらかかっても構わない。
行かずに迷子、味見の妄想で満腹のフリ、あの異次元の紹介記事で万博サウナを味う。これがワタクシ流・万博の楽しみ方。
悪くない…と、つよがってみる。
ちぇっ。

なるほど。
実際に行ったのではなくパソコンでシミュレーション中、という設定がまいまいままさんの工夫。

全体の6割をシミュレーションに充て、そこで種明かし。
ちょっと種明かしが早くて後半もつのか心配になったが、そこは持ち前の筆力でいつものまいまいまま節に持ち込み、「ちぇっ」でフィニッシュ。

へんいちの添削はこちら

文章を直すところはほぼない。
が、「昨日行ったテイ」という条件をクリアしているかは物言いがつく。
行ったか行っていないかでいえば、行っていない。

でも、「これがワタクシ流・万博の楽しみ方」とある。
何があろうとも(執筆条件がどうあれ)これこそ自分の楽しみ方だと言い切って、「悪くない」とうそぶき、つよがる。
それはまいまいままさんにとって、まさに行ったのと同義なのだろう。
…ということでセーフにしよう。


👩 としえんさん

半年ぶりに上級チャレンジのとしえんさん。
「工夫」はどこにあるだろう。

「大屋根リングウォーキング」
 
 ぶわっと生暖かい風が下から吹いてきて、ワンピースの中を下から上へと強い風が通り抜けた。強い風に驚いたが、暑い中、風がないよりあった方がありがたい。早朝に起きて、始発の新幹線に飛び乗りやっと着いた万博なのに、いざ中に入ろうと思ったら長蛇の列。この暑さの中、運動会のように走る人もいて、それを見ただけでも、同じことはできないと逆に冷静になる自分がいた。

 私は列に並ぶのが苦手。10分くらいなら待てるが、それ以上になると少し質が落ちても楽できる方を選んでしまう。年々我慢することが嫌になり、自分の嫌いなことを排除していくと、人に気をつかうのが嫌、人と競うのが嫌、できるだけストレートに自分を喜ばせてあげたいと自分に対して極力甘い自分が浮き彫りになってきた。何でもやってみたいと思う気持ちは昔から変わらないが、困難があると分かっていても良い経験だと進んで受けいれていた挑戦的な自分は影を潜め、自分の機嫌を取りながらやる気が無くならない程度にゆるゆると進むようになった。目標に対して同じように進んでいるのだが、少し遠回りでも嫌いなことを排除する方を選んでいるので、傍から見たらやる気がないように見えるかもしれない。

 そんな私は万博で運動会のように走って我先に順番を取ったり、暑い中じっと我慢強く待ったりすることを避け、並ばずに登れる大屋根リングの上にいた。これは万博会場のシンボルであり、世界最大級の木造建築物である。大きくて新しい建物には夢がある。作り上げていく段階を見ているだけでも明るい未来を見ているようで嬉しくなる。これができた頃にはどんな風に使われているのだろうと人々の笑顔を想像するのも好きだし、建物そのものが人々を囲いながらとても嬉しそうに堂々と構えている姿を思うと自分が守られているような気分になる。その建物が完成し現実のものとして見ることができた時にはまるで親になったかのように喜びが体の芯を通り抜ける。

 大屋根リングは私にとって、各国の建物よりも気になる存在だった。清水寺の舞台と同じ工法で作られている貫(ぬき)接合に加えて、楔(くさび)の部分に金属を使うことで現代の建築条件をクリアしている。あの大きくて高い清水の舞台を作っている木の枠と同じ工法なのに清水寺の舞台を超す高さに作られている。清水寺は12メートルの高さだが、万博の大屋根リングの外側の高い部分は20メートルある。現代版に進化している建物にはたくさんの人の努力や知恵が結集されていて、それを思うだけでもまた心まで温まる。たくさんの人間の英知を集結した作業が好きなのである。

 大屋根リングの下を歩けば強い夏の陽ざしから私たちを守ってくれ、風が通りぬければ私たちをホッとさせてくれる。少し元気なら大屋根リングを、意気揚々と建物を上から眺めながら歩くことができる。少し強い海風に吹かれながら歩く大屋根リングは最高である。高い位置から他の国々の建物を見下ろすことができ、少し遠くからなので建物の全体像を見ることができるのが楽しい。同じ日本を代表する建築家の隈研吾のデザインの建物でも、カタール館の帆船をイメージしたものもあれば、ポルトガル館はロープをたらして建物の周りを囲んでいる。私の思いつかない斬新なデザインである。

 他にも銀の丸い円柱のような建物のモナコ館や、明るい赤が目をひくトルコ館。タイ館の屋根も大きくて特徴的。サウジアラビア館はテラスがおしゃれなので実際に建物にも入ってみたいと思う。スペイン館は色が明るくて気分が高揚する。インドネシア館の木の部分が特徴的な形なのは何のためなのだろうかと思ったり、真っ白なベルギー館や赤い丸い球体のシンガポール館を上から見たりしてるだけでも飽きない。歩きながらたくさんの建物を見比べることができて大満足の時間だった。そして西側まで歩くと見えるのは大阪湾の海。西側なので夕方に見える夕日は格別で美しかった。海風は昼間より穏やかに私の頬をなでた。

 万博に初めて行くことができて、大屋根リングの2キロメートルのウォーキングは私を目からだけでなく新しい建物の未来ある空気を海風も交えて胸いっぱいに吸うことができて本当に楽しかった。

 あ、雨が降ってきた。自分の腕や頭に、雨のしずくを感じ目が覚めた。今まで見てきたのはすべて夢だった。万博に入る前の行列でうたた寝をして夢を見ていたのだ。短期間で物を作り上げる人々のパワーには毎回感動させられる。万博の大屋根リングが閉鎖的な輪ではなく、世界の国々を迎え入れる円としているコンセプトにも感動する。やっと自分の順番が回ってきた。夢ではなく今度は本物を見に勇んで中に飛び込んでいった。

としえんさんの工夫はまどろみ、そして夢。
全体の9割が夢で、残り1割でその夢をどう処理するのかと思ったら、夢を見ていたのがなんとゲートの前。
夢でした、チャンチャン…ではなく、「勇んで中に飛び込んでいった」。
最終的に執筆条件の「昨日行ったテイ」を華麗にクリア。
やるぅ!

パビリオンの建築についてもかなり詳しい。
もしとしえんさんがまだ万博に行っていないなら、かなり調べて書いたのだろうと思うが、この努力には脱帽だ。

へんいちの添削はこちら

とはいえ朱はちょっと多い。
表現上、修正したほうがよい箇所がいくつかあった。
読後の余韻をより効果的にする言葉の選び方にぜひ神経を使ってほしい。


👩 ちゃすよさん

さて、大トリ・ちゃすよさんの「工夫」は?

「万博ー人生イチの人出」
 
昨日、万博に行ってきた。噂に違わぬものすごい人出。アテンドしてくれる人が、〈9月10月なんて一番混むんやで。ちょっと涼しくなってからの人・そろそろ行っとかなくちゃの人・招待券消化の人が全部そこに集中すんやで〉と口酸っぱく言ってくれていたが、5月~8月は繁忙期でもあり…やはり9月にはなる。まぁ、どれだけ口酸っぱく言われても〈だって結局夏休みに行く人多いやん〉と、楽観しているところも正直あった。
が、蓋を開けてみれば9月そこそこから、連日ニュースになるほどの人出だ。
〈万博入場者過去最高更新〉(え、今の時期に?(汗))・〈早朝4時半のスタッフゲート開放待ち300人〉(え、この人たちどうやってそこまで行ってんの? 寝ないの? お目当てはなに?(汗))・〈夢洲駅始発着5時半の入場待ち1,000人突破〉(え…早起き…(汗))と、耳を疑う内容が連日報道される。
 
今回は、一生一度の万博行きから、過去の〈人出多かった歴〉を振り返ってみたいと思う。
 
ちゃすよ的に、子供の頃に〈人出多かった〉経験は遊園地だ。父は今から思っても体力オバケというか、塗装工の現場監督と農業をしながら、よくあちこち子供を遊びに連れていってくれた。まぁ、仕事と子供以外に趣味がないだけとも言え、自家用車で行ける範囲の近隣の遊園地・サファリパーク・博覧会・有名観光地にあちこち連れて行ってもらった。今から思えば数百人規模の人出だったのだろう、〈よぉけ来とる〉〈めちゃ混んどる〉と言いつつ、順番待ちが我慢できなくて乗りそびれた、などという記憶はないので、子供でも待てる程度の田舎のほのぼのした行楽地風景だったろうと思う。
 
ちょっと成長して、初の巨大テーマパークは東京ディズニーランド。高校の修学旅行だ。1983年に華々しく開園し、ちゃすよの修学旅行は1987年。まだ周りでも行った人はほぼおらず、夢のディズニーランドに修学旅行で行ける! ど田舎の学生には宇宙に行くほどの夢の旅行である。ディズニーランドは旅程の最終。それまで〈箱根の関所跡〉とかいう、いかにも修学旅行のテイを保つための、でも高校生には1ミリも興味のない行程を消化しつつ、心は既にディズニーランドだ。唯一の心配は天気。せっかくのディズニー、雨で一日中スペースマウンテンに乗っているわけにもいかない。実は旅行初日、朝6時学校集合時には、視界1メートルほどの豪雨である。早朝の学校には〈この天気だが予定通り出発か〉という保護者からの電話がじゃんじゃんかかったそうだ。送り出す側の校長始め教員はきっと、〈もう早く行ってくれ〉と思っていたに違いない。
ディズニーランド当日は快晴に恵まれた。なにしろ敷地が広く、平日だったせいもあって大いに楽しめた。ただスペースマウンテンの行列は、え、これ待って乗るん?とあ然としたが、友人は絶対乗る!とがんばる。しかしまぁ乗車(?)人数も多いのだろう。喋ってたらあっさりと順番が来た。
 
次の人出多いぞ記録は鈴鹿F1日本グランプリ。ちゃすよが通っていた頃の鈴鹿F1人気は凄まじく、予選決勝3日間で23万人、決勝当日は15万人と言われていた。ただ、サーキットはとにかく広い。テレビでしか見たことないと、目の前走り過ぎるん一瞬やんと言われるが、まぁまぁ視界は開けている。サーキットゲートから観戦席までも遠く、高低差もあってテレビの空撮のように見渡せるわけではなく、15万人いようがそう気にならない。
人出を実感するのはレース終了後。最寄りの駅まで直通バスが出ているのだが、これに乗る人々がグラウンドほどの広さを埋めつくす。市内中のバスをかき集めてるのだろうが、自家用車でサーキットを後にする人もいて交通渋滞がいつまでも解消しない。おかげでバス待ちもいつまでも人は減らない。ちゃすよは1回だけバス待ちに参加したが、待つのに飽きて駅まで1時間歩いていた。
 
万博の人出は既に最盛期の鈴鹿F1を上回っている。ちなみに会場面積は鈴鹿サーキットの方が広い。遊園地やらホテルやらキャンプ場も込みかもしれない。
〈面積は鈴鹿より狭く、人出は数万人上回っている…うへっ💦〉というのが、万博に行く前の正直な気持ちだった。
 
が、行ってみるととにかく人人人…ではあるがそれなりに場内をうろうろできる。鈴鹿バス待ちのようにすし詰めで動けないわけではない。ただただどこもかしこも人だらけ。が、万博の空気というか雰囲気は十分味わえた。
〈まぁ万博が空いてても困るしな〉と思いつつ予約なしで入れるパビリオンをやっと覗く。建物好きなので、パビリオンを眺めているだけでけっこう楽しめた。
 
普段、平日休みで人混みに縁のないちゃすよ、〈間違いなく人生一番の人出。一生一回の万博やけん許す。この上を行く人出人混みは…いや、いい!〉と思いつつ、人生で最初で最後の万博行きを終えた。

ちゃすよさんは、シミュレーションでも夢でもなく、実際に行ったテイ。
が、本文の6割ほどが「人出」に絡めたまったく別のエピソード。
万博会場内の描写をとことん減らすための工夫といえる。

へんいちの添削はこちら

ほぼ修正はない。
が、「今回は、…を振り返ってみたいと思う」という一文は他の文と違って非常に客観的な著者のひとこと。
文章の骨組みがチラッと見えてしまう点で、読者が一瞬冷めるポイントにもなるから、できるかぎり本文と同じ主観的な立場で書くようにしたい。


🔷中級

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