『フランスの最も美しい村』への旅【後編】 《葡萄畑の真珠》リクヴィア〜
【前編のあらすじ】
ドイツのマウルブロン修道院で、Vはヘルマン・ヘッセの世界に酔いしれ、温泉保養地バーデン・バーデンではOだけぬるめの温泉に浸かり、その後南フランスのアルザス地方の美しい村巡りをしていたVとO。
二つ目の村「アルザスの宝石」と呼ばれるリボヴィレでスマホの電池が切れたV。頼りにしていたバッテリーも残量ゼロ。そして車のナビとしても使っていたOのスマホまでもが、とうとう電池切れとなったのだった‥‥
🔸リクヴィア(Riquewihr)
*この地名の日本語表記は「リクヴィール」が一般的。詳しくはあとがきにて。
スマホの電池が切れた我々は、文明の利器ナビに頼らず、自力で目的地リクヴィアに辿り着くしかなくなっていた。
手元は見えにくくなったものの、遠くはどこまでも見えるVが、進む道の先にある案内標識を、だいぶ手前で読み取って、すばやく方向を指示する。
いつもは環状交差点の出口や複雑な街中の道など、ナビの指示を更に解説してOに伝える、ナビの補助としての役目なのだが、今回は真正ナビ役のV。
右も左も、見渡す限り続く葡萄畑の中の道を走り続けると、そのうちに案内標識は、絵本の中の道しるべのような表示になっていった。
葡萄畑の丘の向こうに町が見えてきた。おや? 道しるべにリクヴィアと書いてある。走り出してからまだそれほど時間は経ってはいない。
‥‥あれだけOが焦っていたから、到着までにまだ相当距離があるはずだと思っていたというのに。
電池が切れた村リボヴィレから、この日の最終目的地、“アルザスの真珠 リクヴィア”までは、たったの5Kmしかなかった。車で10分‥‥
おまけに葡萄畑の中の一本道は、迷いようもなく、リボヴィレを出発した時の、一番最初の分かれ道の案内標識[リクヴィアは右]以外、ほぼ考える必要もなかった。
「‥‥え? 近い」と拍子抜けしたVが呟く。
Oは下調べをしていたので、このくらいの距離だと知っていたそうだ。‥‥だったら言えよ‥‥
それなのに、電池が切れた時のOの狼狽ぶりが凄かった。確かにホテルの名前や住所も、全てスマホの中ではあるけれども。
危機管理能力の欠如だ‥‥この人にサバイバルは無理だ‥‥
Vは近づいてくる町の景色を眺めながら、ナビがない時代には、皆こうして道しるべや地図を頼りに旅をしたのだ、と折角なので数百年くらい昔に思いを馳せた。
歩いて旅をして来て、葡萄畑の向こうに、目指す町の教会の屋根や村の家々が見えた時、どんなに嬉しかったことだろう。

村が見えてきた時こんな感じだった
近代史において、車のGPS利用のナビの普及が1990年から、スマホのGoogleマップの音声ナビは2010年から。たった30年弱の間の出来事だ。それまでは皆、自分で地図や案内標識を見て何とかしていたというのに。
スマホを使うことに慣れきってしまい、それに頼れないと知った途端にうろたえるのは、実に脆弱で滑稽だ。
「間違ったらやり直せばいい」という選択肢があることを忘れているのだから。
そして、「辿り着くためには別の方法がある」と自分の頭で考えることを忘れているのだから。
村の外周を巡る道に入ると、村全体が緩やかな丘の斜面にあるということに気づく。
広めの駐車場は坂の上の方に2箇所あった。城壁から近い場所は満車、それより遠いところは坂が大変そうなので、城壁の周りをぐるりと取り巻く道の路駐に決めた。路駐といっても有料と無料が混在する。違反しないように注意しなければ。
そちらもほぼ全部埋まっていたが、とうとう1箇所空きを見つけ、Oは嫌々そこに縦列駐車をすることになった。どの場所も、左右の車の隙間をギリギリの状態で停めているので、縦列駐車はとても大変なのだ。
昔ジャッキー・チェンが『ポリス・ストーリー 香港国際警察』で、左右との隙間が殆どない場所に、ホンダ•シビックを横滑り(180°スピン)させて縦列駐車をした鮮やかな場面を思い出す。あれは上手かった👍✨
スーツケースから充電器を取り出し、それだけ持って、取り敢えず城壁の内側に入る。城壁の中に入る場所は何箇所かあり、停車した場所からすぐ近くの階段を上がって門をくぐると、そこは別世界。

チェックインできる時間だけれど、ホテルの場所もわからないので、まず充電するしかない。
世界遺産の町には当然スタバなどないので、一般のカフェか土産物屋辺りで頼もうとしていた。
今考えれば、あちらこちらにあるホテルのフロントに行って相談すれば、街の泊まり客であるのだから親切に解決してくれたと思うが、狼狽していたOは気が急いて、手っ取り早くすぐ目の前にあった店に飛び込んだのだった。
依頼一軒目、ワインバーの店先で充電を頼んでみたが断られた。ううむ。
取り敢えず、その店の横、アーチの通路を挟んだ隣の小さなカフェで一休みすることにした。
スタッフが「あそこなら空いているよ」と指差したのは、アーチ状の通路の席。3席並んでいる。
空いていた真ん中のテーブル席に着くと、何とそのテーブルの足元にはむき出しの埋め込みソケットが✨ 思わずOと顔を見合わせた。
何たる幸運 ! 頼んでみよう !

右側の緑の建物は充電を断られたワインバー。
左側は充電をお許しいただいた小さなカフェ。
メニューを持ってきたスタッフに、10分ほど充電させてもらいたいと頼むと、
“Oui, vous pouvez l'utiliser.”
(ええ、使っていいですよ)
“Merci beaucoup. J'apprécie votre gentillesse.” (どうもありがとう。ご親切に感謝します)
救われた! 大袈裟だけれど、本当にありがたい。
我々はやっと落ち着いて、運ばれてきたアルコールフライビール(ノンアルコールビール)で乾杯🍻したのだった。
充電のお礼に、支払いは余分に渡し、
“Gardez la monnaie.”
(お釣りは結構です)
ああ、ありがたかった🙇♀️
Googleマップが復活し、経路を進む。店を出て通りを横切りその先へ。先程の大きい道から並行した一本隣の通りに入りしばらく下っていくと、やがてホテルは見つかった。やれやれ。
オーナーに専用の駐車場の位置を確認して、部屋の鍵を渡される。ホテルのすぐ近くに停められるようにはなっているけれど、翌朝は城壁の門のところで、また車の規制がかかるので、朝6時半に外に移動させなければならないそうだ。
そして朝食はゆっくり目で9時からとのこと。
朝早く車を移動させるのは面倒だけれど、いずれにせよ、凸凹の石畳の道でスーツケースを運ぶのは大変だ。車に積んで移動する方が勿論楽だ。
「朝に移動が必要なら、ホテルの指定駐車場を使わずに、今停めてあるところから荷物を運んでもいいよ」
とOが言い張るが(いずれにせよ運ぶのはOだ)、VはOがわざわざ重い思いをして運ぶ必要はない、と反対。石畳は素敵だが、荷物を転がすのは難儀だ。
なお2泊3日ではあるものの、我が家の(主にVの)荷物は重い。
結局、Vの意見で決まり、皆でもう一度車まで行き、ホテルまで乗って来て荷物を下ろし、指定位置に停め、翌朝は早く身支度をして殆どの荷物を車に積み、再び外の駐車場へ移動させ、朝食までの時間はゆっくり街を散歩することにした。
朝なら外の駐車場も空いているだろうし、観光客が少ない朝の街を楽しめる。写真を撮りまくろう🎶
車に戻って、車で城壁の内側に入ろうとすると、[ホテル利用者は通行可能]と書いてあるものの、とても悪いことをしている気になる。
Oがこの中を運転するのを躊躇ったのもわかる。観光客は大勢歩いているし、道幅も狭い。
ホテル近くの狭い道には、隣のレストランの外のテーブルがあり、幅がギリギリだったので、通る時だけ椅子を動かしてもらった。そのくらいの狭さ。
『中世の街の中を車で走るな』と誰からも思われているのがわかる。でも仕方ない。ホテルの泊まり客だし、荷物重いし。
宿泊先の家族経営のホテルは四つ星。歴史のある建物は趣がある。朗らかなマダムに再び迎えられて、荷物を部屋へ。


部屋は改装済み。三つあり、一つは犬の為のお部屋、キッチン付きの長期滞在者向きの部屋、広い寝室、使いやすくてありがたい。





部屋に入って一番にしたことは、勿論スマホ2台とバッテリーの充電だった。やっとこれで安心😮💨
観光は明日の朝からとして、広い部屋でのんびりする。
キッチンの窓を開けると、二階のバルコニーで寛ぐ人、中庭のテーブルでお喋りするグループが見える。この日、彼らはかなり遅くまでランプの光が揺らめく中、語り合っていた。

ドイツでもフランスでも、ワインを片手にバルコニーやリビングで夜の時間を長く楽しむ人たちを多く見かける。近所を見回しても、あんなに早く寝てしまうのは我が家くらいなものだ。
直接見たことはないけれど、ドイツの人々が、日本人のように夕飯の準備や片付けに時間をかけないのは明らかだ。
明るいので夜8時近くまで子どもと外で遊んでいる主婦が、そこからゆっくり時間をかけて、夕食の準備をするはずがない。
5時半から夕食の準備をし始めるVが、作って食べて片付けをして、最後にお米を研いでいる時、ふと外を見れば、もう彼らはバルコニーで寛いでいる。『いつ夕飯作って食べた ?!』
夕飯は有名なカルタス・エッセン(各種パンや各種ハムやチーズ、サラダ、ピクルスなどだけの火を使わない食事)で済ませ、温かいものは作らず、そして軽くしか食べないのだろうな、とわかる。でも家族や友人が集まって、ワインと共に長い時間楽しそうにのんびりしている。
ううむ。ワインはそんなに飲まなくてもいいし、夕食は一汁三菜の温かい和食を食べて、早く寝たいVには、真似できない生き方である。
🍷✨🥖✨🍷✨🥖✨🍷
翌朝、早めに起きて身支度し、6時半までに車に運ぶ分の荷物をまとめた。Oはそれを車に運び、昨日停められなかった、門から一番近い駐車場へと車を移動させた。朝の日程完了。
朝食までの時間、朝の散歩に出た。7時頃にホテルの近くで写真を撮っていると、袋を下げたオーナー夫人が通りかかって、我々に気づいた。
「朝食は9時よ! どうしてあなた方こんなに早いの?!」と訊いてきた。
「人が少ない時間帯に観光です」と答えると、笑いながら、
「後でね」と歩いて行った。
「奥さん、どこに行くのかな?」
「袋を持ってたから、朝食のパンを買いに行くんじゃない?」
見ているとオーナー夫人は道を下り、右に曲がって行った。
この町並みの景色の中で、坂を下って行くオーナー夫人の姿は、まるで絵画の中に溶け込んでいるように見えた。
中世の姿をそのまま留めたこの美しい町に暮らし、近所に買い物に行く夫人の後ろ姿は、ここで生きている人の日常そのものだ。
感動を覚え、Vは思わず写真を撮った。

オーナー夫人は道を下り、右に曲がって行った。



近所の建物の写真を撮りながら道を下ると、この辺りの住人らしき人々が、皆同じ方向に向かっていた。
我々も行ってみると、右に曲がったその先の突き当たりにパン屋さんがあった。やはりオーナー夫人も買いに行ったのだ。
「奥さん、自分でパン買いに行くんだ」と感心するO。そして、
「ちょっと買ってくる」と店に向かった。

この美しい街並み✨


パン屋さんにはその後も次々に買い物客が訪れる。
大きなホテルなら配達もしてくれるのだろうけれど、オーナー夫人が自分たちの食事分と、泊まり客分を買うくらいなら、自分で来ても済むのだろう。
家(ホテル)から2、3分の場所に、これだけ人が集まる焼き立てのパンを売る店があって、羨ましい。
美しいが決して便利とはいえない町。高速充電器など、今後も絶対売ることはない町。
城壁の中は車も自転車も規制されていて、何をするにも大抵は歩くしかない。
地震がない国、戦争で破壊されなかった村、木組みの家はこうして何百年も前と同じ姿を保っている。
他の『美しい村』でも同じ事を考えたが、ここで生きるということは、観光客から常に家を見られながら、大きな店や娯楽施設など周囲に全くない中で、不便さと共存しながら生活をするということだ。長く住むうちに、その暮らしが当たり前なので、不便とも思わないのだろうけれど。
結果、スマホやWi-Fiはあるけれども、それ以外は昔とほぼ変わらない暮らし方をすることになる。家の保全に手間をかけ、近隣の人と関わり、皆で町を守って行く暮らしがそこにある。


避難場所の壁に這う藤の幹もこの町らしい











































営業中は店の前と右側のアーチの下にテーブルが並ぶ


大変お世話になりました🙇♀️





超有名なクリスマス用品店


絵のようだ


(Gemini作成の絵の元写真)









朝のまだ人の姿が殆どない町を堪能して、ホテルに戻る。なかなか日中ではこうはいかない。
そろそろ朝食の時間だ。





使われていた場所。この地方の特徴的な造り。


「食べきれなければ持ち帰るように」とのこと。
先程の店のパン💕持ち帰ったところ、大変美味だった。

あのパン屋さんはすごい‥‥✨✨
大袈裟ではなく、これまでの人生で最高のバケットだった

チーズ&ハム



オーナー夫妻のが親しみやすく、家庭的な心地良いホテルだった。
町を抜けて駐車場へ。















1時間ほどで歩けるので、ハイキングする人々も。







🔸ケゼルスベール
リクヴィアを出発した寂しさを感じる暇もなく、葡萄畑を抜けて、次の村ケゼルスベールに到着した。
リクヴィアからケゼルスベールは車で10分、5kmの距離。デジャブ?と思ってしまうほど、村と村の間は見渡す限り葡萄畑で、距離や移動時間が前日とほぼ同じだ。
ケゼルスベールは『フランスの最も美しい村』には登録されていないものの、国内の評価は高く、2017年にフランスの人気テレビ番組『フランス人が選ぶ好きな村』において、第一位を獲得している。
前編で書いたように、大人の事情(村の規模や人口などの事務的な規定)により登録はされなくても、それによって村の美しさの価値が下がる訳ではない。
ここは『花の町・村(Villes et Villages Fleuris)』での最高ランクの4つ星の称号を獲得しており、街の中の花の装飾が非常に美しいことで知られている。
この時期、花はまだ少なかったが、春から夏の時期にかけて、更に華やかになる事だろう。
(3年前行ったレーゲンスブルクもこの称号を受けている。花の見事さは群を抜いていた)
またノーベル平和賞を受賞したアルベルト・シュヴァイツァー博士の故郷としても有名。



















サント・クロワ教会は、13世紀から16世紀にかけて建設され、ロマネスク様式とゴシック様式が混在した建造物となっている。
彫刻が施された砂岩の入り口部分は13世紀のロマネスク様式。







デザインが美しい🎶



何人も触っていた





フランス語で Enseigne(アンセーニュ)
絵で何の店かわかるようにデザインされる

川沿いに人が集まる




















ケゼルスベールを出発する。
ドイツ国内から、フランス アルザス地方に移動し、ベルクハイム、リボヴィレ、リトヴィア、ケゼルスベールと四つの美しい村を眺めた。
いずれの村も美しく、同じような時代の、同じような町でありながら、それぞれの個性や美意識の高さや意識の違いが見て取れる。
その中から人にお勧めの「Vの一番好きな村」を挙げろと言われれば、やはりリクヴィアだろうか。
もし暮らすとしたら、住みやすさ(平らな土地で、道が広く、舗装もされている)と好み(最も好きな家を発見した)ではベルクハイムを選びたい。
リクヴィアは、城壁、街並み、木組みの家の数、保存状態、パーフェクトだ。
3年前に行って驚いたレーゲンスブルクと良い勝負。両方美し過ぎる町だ。
この美しさは当たり前のものではなく、長い年月、住民の暮らしの中で守り抜かれた奇跡のようなもの。
戦争で失われる事なく、また地震がない国だからこそ災害で壊れゆくこともなく、存在し続けた。
長い歴史の中で、住人が請け負ってきた責任を今後も担っていくことは、覚悟がいることだろう。
それでもこの美しい村で生きていくことは、どんな都会の便利な街に住もうとも得られない価値だ。
丁寧な暮らしをして、彼らは美しく家を整え、子孫はそれを受け継いでいくことだろう。
『一体いつまで? 』
リクヴィアの町で、ふとそう考えた時、Vの目に映る木組みの街並みの過去と未来が、押し寄せるように感覚の中に入り込んできた。
木組みの建物の一軒一軒が、数世紀の冬を耐え、数世代の生死を見守り、壁に刻まれた傷跡や煤けた梁は、長い時間の層のように重なって見える。
その圧倒されるような過去は、Vがいなくなった後も、更に何百年、もしかしたら千年を超える未来へと続いていくのだろう。
Vが立つこの場で見ている風景は、過去の誰かが眺め、そして未来の誰かがまた眺めるのだ。
この連続する時間の連鎖を想像した時、Vは一瞬自分がその中に溶けていくような、時間の渦に巻き込まれたような感覚に包まれながら、石畳の道に立ち尽くした。
—了—
【あとがき 地名についての補記】
冒頭の町 Riquewihr について。
ガイドブックなどでの日本語表記は、「リクヴィール」が一般的である。語尾に「r」が付く為のようだ。
しかし現地でリクヴィールと発音しても、おそらくすぐには通じない。
フランス語でもドイツ語でも、この地名は「リクヴィァ」と発音する。アは小さいァ。
アクセントは「リ」の位置。
私見であるが、本来のそちらの響きの方が、いかにも『アルザスの真珠』らしく美しいと感じるので、本記事では敢えて「リクヴィア」で統一した。
現地の発音は最後の「r」を「ァ」に近い音で「リクヴィァ(リキュヴィァ)」
VもOもこの町をずっとそう呼んでいたので、その方が馴染みがある。
もしこの町に興味のがおありの方は、日本語での検索は「リクヴィール」をお勧めするが、発音する場合は是非「リキュヴィァ」で。キュは「ク」に近いキュ。queだから。
場所の名前の発音は、日本語表記とはかなり違うのでご旅行の際はご注意を。
Vはドイツのある街の名前を、うっかり慣れている日本語表記のまま発音したことがあり、「何それ?」と大笑いされた経験がある。その為、地名の発音にはトラウマがある。
日本語の五母音の発音はフラットで、音として可愛いく聞こえるらしく、興味は持たれるものの、場所の名前はその国の言葉の発音で伝えないと、まるで通じないのだ。ああ恥ずかしかった🫣
恥ずかしいと言えば、本文にも書いたGoogleマップのナビの音声による地名の発音だ。最初は驚いたり笑ったりしたものの、ずっと聞いているうちに、単に音声エンジンが英語ベースなのだと気づいた。
本来のそれぞれの国の言語の発音でもないし、日本語の音声であっても、ガイドブックなどの日本語の一般表記でもない。アルファベットをただそのまま読む、英語を習い始めたふざけた中学生のようだ。
最初の旅の頃、Googleマップの発音は、Lの音が消えるのに気づいた。それに加えてドイツ語の発音ルールとの違いのせいで、結果聞いても「どこの事を言っているのかわからない」となる。
ザルツブルク(Salzburg)に行った時は、ずっと「サズバーグ方面 出口」などとと聞こえていた。ドイツ語の語尾の「-burg」は本来「ブルク」と発音するけれど、ナビでは「バーグ」になる。
なのでハンブルク(Hamburg)は勿論「ハンバーグ」、ローテンブルク(Rothenburg)は「ローゼンバーグ」、アウグスブルク(Augsburg)は「オーグスバーグ」、ニュルンベルク(Nuremberg)は「ナーンバーグ」
それぞれハンバーグのメニューのようだ。
他にはシュトゥットガルト(Stuttgart)が、「スタトガー」とか。
「ふざけてるの? で、それはどこ?!」とナビに向かってツッコむ。
一番笑えたのは、ミュンヘン(München)に行った時のこと。アウトバーンで走っていると、相当手前から、ミュンヘン方面を案内してくれるわけだが、聞き間違いかと思っていたら、繰り返し違和感のある名前が聞こえてくる。
「チェン」って聞こえる!!!
「チェン方面 右方向」
思わずナビに聞き返す。
「何?! チェンって!!!」
「Mün(ミュン)」はどこに行った?‥‥」
「残った「-chen(ヘン)」がチェンになってるし」
『ドイツに失礼でしょう?!』と思っていたら、フランスに対しても同じ非礼があった。
ストラスブール(Strasboug)が「ストラスバーグ」またハンバーグみたいに。
フランス語読みのブールがそんな扱いを受け、
お洒落なストラスブールが、ちっとも優雅じゃなくなっている(T ^ T)
手強そうな肉の塊みたい‥‥
英語ベースAIの音声の限界なのだなぁ、と思いつつ、ナビの案内を聴いて笑う楽しみは増えた。
Vは、国名、地名、人名などの固有名詞に関しては、世界で発音を統一すべきという案を、身内で の中で提唱している。
⭐︎日本は「ニホン」(或いは「ニッポン」)で統一 !
(Vはドイツ語の「ヤーパン」の発音が好きではない」
⭐︎小泉純一郎は「コイズミ ジュンイチロウ」で統一!
(Junichiro : 英語ではジュニキロー、ドイツ語ではユニヒロー、イタリア語やフランス語ではジュニチローと発音されてしまう為)
言語ルールにより、発音できない音がある国の人には、できる限り近い音で発音する努力をしていただけば良し !
帰る途中、このナビ音声についての検証結果を、車の中でOに大々的に発表して、
「ちょっと黙ってて。ナビが聞こえない」
とうるさがられるVであった。
