2025年4月 ウィーン🇦🇹への旅 中編〜賑わう蚤の市とナッシュマルクト〜
蚤の市は朝8時から始まる。我々はゆっくり朝食を食べてから9時過ぎに訪れた。
ここは、地下鉄カールスプラッツ駅から一駅の、ケッテンブリッケンガッセ駅(Kettenbrückengasse)の真上に位置している。土曜日に開催される人気の蚤の市だ。
駅から出たすぐの道路に500メートルくらいの間に、400店ほどだろうか、絵画、骨董品、家具、古本、陶器やガラス製品などが並ぶ。
それぞれのお店で値段を設定するので、意外と高かったり、安かったり。絵画などは強気の値段のお店が多い。
ドイツの蚤の市と比べ、食器が少ない印象がある。やはりマイセンのお膝元のドイツは強いのだ。しかしウィーンならではの優雅な品々が多く楽しい。
出される品の傾向が違うので、蚤の市はどこに行っても楽しい。

お天気も良く大賑わいである。
この蚤の市に来ると不思議に思うことがある。他の観光地やマーケットなどでも我が家の愛犬は可愛がられるのだけれど、この場所は特に話しかけて来る人、写真を撮らせてと頼んでくる人が異様に多いのだ。
旅の途中でうちの犬を見て、預けてきた自分の犬を思い出す人も多く、よく愛犬の写真を見せてくれる。
少し歩くと話しかけられ、また少し品物を眺めていると犬に向けられた熱い目線に気づく。
無闇に触ってはいけないと思って手は出さないが、できれば抱っこさせて、撫でさせて、という犬好きの人たちが多いので、はいどうぞ、と抱っこして差し出したり、『どうせ写真を撮るなら良いお顔を』と、犬に向かって、
「目線くださ〜い👋」と何度もやっていた。
この場所にいる間に、喋った人は恐らく200人を超えていた。もっといたかもしれない。
ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語が飛び交うので、混ぜこぜでお喋りをする。
気を遣ってドイツ語を使うと、「英語でもいいですか?」と聞かれるし、その逆もある。
大勢の人と喋りすぎて、途中から何語で話しているかわからなくなったりもするが、多少単語が入れ替わっても大丈夫なのがありがたい。
いつか日本に帰国すれば、知らない人と話す機会は少なくなるだろうから(うっかりこの調子で話しかけると訝しがられてしまうだろう)、こういう機会は大事にしたいと思う。



この蚤の市に行く楽しみは、品々だけでなく、道の向かいに並ぶ建物が美しく、買い物途中でも何度も眺められることだ。
ここは有名なメダイヨン•マンションとマジョリカハウス。


オットー・ワーグナーが設計した集合住宅。壁面の金のオブジェがとても豪華だ。
ドイツ語圏で言う世紀末芸術ユーゲント・シュティール時代(19世紀末〜20世紀初頭)の建物である。
*フランス語ではアールヌーボー



建物上部壁面の金の装飾が豪奢である。


こちらマジョリカハウスは、メダイヨン•マンションと比較して色鮮やかで華やかな印象だ。
壁面は、植物文様のタイルで仕上げられている。薔薇の装飾の華やかな色彩が目を引く。
このアール・ヌーヴォー時代の二つの建物は、歴史的な建物が立ち並ぶウィーンの中にあって、特徴的であり、とにかく目を引く。観光客が蚤の市側にずらりと並んで写真撮影をしている、一つの観光スポットである。
この有名な建築物の写真を撮りながらも、私の目は左側に隣接する白い建物の方に惹かれていく。
私はアールヌーボーがあまり好みではなく、歴史主義建築の方が好みだからだ(^◇^;)

マジョリカハウスに隣接しているので、建築様式の違いが楽しめる。
一階はカフェで、こちらも上は個人住宅となっている。


4階バルコニーに男性がいるのが見える。毎度美しいヨーロッパのアパートメントを見る度に思うことは、
『あの建物に住んでいる人がいるなんて(T ^ T)!!』
ということだ。‥‥ずるい
一番ずるいと思ったのは、シシィが幼い頃に育った、ドイツのシュタルンベルク湖畔のポッセンフォーヘンの城である。現在個人所有となっている。
であるから、ぐるりと城の周辺は観光できるようにはなっているし、垣根に何ヶ所もわざわざ穴を開けてくれてあって、庭を覗くことはできるけれども、中には入れない。
一昨年バイエルン地方に小旅行で訪れた際、城周辺から立ち去った後もしばらく、
「ずるい‥‥シシィの城だったのに、個人所有だなんて‥‥」と怨念を込めて唸り続けた。
羨望を通り越して、怨念に変わっている。
「近くにEDEKA(スーパー)もROSSMANN(ドラッグストア)もないよ」
という夫の現実的な一言で目は覚めたのだけれど。あそこは庶民が住むには確かに不便。
このように、美しい建物を眺める度に、
『自宅があそこってどういうこと?!』という目で眺めてしまう。
先程の4階のバルコニーにいた男性は、下からスマホを向けたり、眺めている観光客に対して、
「ここに住んでるんだよ」という気配を出している。出したくもなるだろう、あの豪奢な建物では。
この建物ほどでなくても、街には歴史的な建物が溢れている。建物の装飾、窓の造りやバルコニーの見事さを見るにつけ、『ここに住むって‥‥』と呟く私。

メダイヨン•マンションの通りを挟んで立つ建物も流麗な装飾で美しい。

ああ素敵‥‥こんなところに住むなんて‥とまた呟きながら、蚤の市のお隣のマルクトに移動する。現実に戻ることに。












トルコの野菜、果物、ドライフルーツやお菓子、スパイスのお店が多い。他にもワインの店や紅茶の店、お土産屋さんも幾つも入っている。
人が多すぎて、あっという間に人酔いした。一休みすることに。

さて、お腹が空いた。マルクトには幾つもレストランやカフェが並ぶ中で、やはりトルコレストランに足が向く。

トルコ料理は大好きだ。ドイツにもレストランは沢山あるし、ケバブの小さい店舗も多くある。
トルコ料理にはどんなプレートにも野菜が沢山添えられるので、とても嬉しい。何を頼んでも添えられる。
[ドイツ料理]には是非この[トルコ料理]を見習ってもらいたい。ドイツは肉料理とじゃがいもの組み合わせが乗っかった素朴な料理が多い。酢漬けの野菜が添えられることもあるけれど、生野菜を一口でも食べたければサラダを別に頼むしかない。そしてサラダは値段の割にかなりシンプルなのであまり頼む気にならない。
またドイツはパン屋さんは沢山あるし、勿論普通に食べるのだけれど、レストランでパンを頼む人をあまり見たことがない。ランチでもディナーでも。
プレッツェル🥨は別。プレッツェルは皆さん大好きで、他のパンとは別扱いだ。いつでもどこでもプレッツェル。でもいわゆる食事パンを頼む人は見かけない。
それはじゃがいもが主食だということなのだろうけれど、『それでは胃がもたれませんか?』といまだについ思ってしまう。
トルコ料理のスープには必ずパンが添えられる。 このメニューだけでもお腹いっぱいになるので、これで簡単に食事を済ませる人もいる。
トルコのパンは美味しい。世界一ではないかといつも思う。実際トルコで食べるパンの方が遥かに美味しいけれども、他の国で出されるものもかなり美味しくて好きだ。
トルコ料理だけではなく、フランス料理にも、イタリア料理にもパンは添えられる。注文後一番に運ばれて来る。ワインと共に、またオリーブオイルと共に。
料理が美味しい国ではパンが出される。料理を待つ間、ワインと共に食べるパン、美味しいソースを食べるためのパン。
美味しい料理の国ではパンが出されるという法則✨✨
声を大にして言いたい。
『聞いてる? ドイツ』

私が大好きなレンズ豆のスープを頼む。スパイスによって、店によって色や味は少し違うけれど、大抵どこも美味しい♡
このお店のものは黄みが強目だけれど、赤茶色系のものも多い。
独特の食欲をそそる風味と滋味豊かな味だ。


トルコ料理のソースにはヨーグルトが多く使われるので、さっぱりした風味で美味しい。トルコのスーパーではバケツのような容器に入って売っている。
野菜やヨーグルトを多く食べる国は、体系がスリムで健康長寿の人が多いのが頷ける。
『聞いてる?ドイツ』


ナッシュマルクトを出て、道を渡って少し行くと、日本食材店やアジア食材店が並ぶ一角がある。


品数豊富でありがたい。奥には日本のおもちゃやアニメグッズなども売られている。
売られているのは日本の製品なのだけれど、どこの日本食材店でも、外国人目線で見た日本っぽいイメージ路線で、ショーウィンドウに並べられる。
中華食材店やアジア食材店などと同じで、摩訶不思議で混沌とした飾り方で、それをいつも不思議に思う。
日本人スタッフがいても、どこもそんな感じだ。
販売される品物が多岐に渡るからそうなるのか、その混沌さが好まれるのか。
茶筅や抹茶茶碗も、日本的な繊細な見せ方ではなく、無造作に積み重ねられているし、小鉢とか酒器、ご飯茶碗など日常使いの食器と一緒に並べられている。
どこもそうなので、別にいいのだけれど、買い物客に、実際の整然とした日本のお店をお見せしたい、といつも思ってしまう。
こちらの店は、ドイツで売られている日本のお米(5キロ)で比較すると10€も安かった。調味料、だし、お菓子、様々な買い物をして帰る。
冷凍のお団子も勿論買う🍡
車の旅なのでお米を買って帰ることができたけれども、納豆や油揚げ、うどんなどの冷凍の食材をもっと買いたかった。まだ旅の途中であるので我慢。
ドイツでもイタリア産のお米は手に入るけれども、やはり日本のお米はモチモチして、香りも良く大変美味しい。
それにしても、5キロで10€の違いは大きい‥‥20キロくらい持ち帰りたかった(^◇^;)



お隣には日本のお茶、抹茶やほうじ茶を扱うお店があり、カフェも併設されている。人気店らしく満席のようだった。何だか嬉しい☺️










少し移動して、賑わうシュテファン大聖堂周辺へ。
この夜は、楽友協会のコンサートがある為、一旦ホテルに戻らなければいけない。
まだ少し時間があったので、ステファン大聖堂を眺め、その裏のモーツァルト博物館の前を眺め、
駅に向かうことにする。
シュテファン大聖堂の写真を撮りながら、
「中に入らないの?」と夫に訊くと、
「いつも入ってるからいい。中は地味だし」
確かにシュテファン大聖堂は外側の装飾が美しく見事な外観だけれど、内部は思ったよりシンプルな造りだ。
‥‥でも地味って。しかし私もこれには同感なので(^◇^;)、黙っている。
教会内部は、どこまでも荘厳で凝った装飾であってもらいたい。美しいステンドグラスも、これでもかというくらい沢山あってほしい。
信徒でない、ただの観光客の我々は、無礼にもついそう思う。
さて、夜のコンサートは20:15からだ。ホテルに戻って支度をせねば。
楽友協会 黄金ホールでのコンサートは、単独の別記事で是非。
⭐️次回は旅三日目のシェーンブルン宮殿広場のイースターマーケット、モーツァルトやベートーヴェンも頻繁に訪れて、壁に落書きをした歴史あるレストランへ。
