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ルーブル美術館、改築・改修決定。《モナリザ》混雑緩和なるか?!


▪️はじめに
 2週間ほど前に、『フランスへの旅🇫🇷』と題して旅行記を書いた。いつものように無計画に書いた結果、前後編、こぼれ話①〜⓷となった。

 前後編がそれぞれ長い割に、こぼれ話は短いのが三つ。いつもの私だったら、三つを一本の記事にするのだけれど、たまには短い方が、読んでくださる方々のストレスにならないかと思い、そのままにしたのだった。

 書いている私自身が、既に写真選びや自論の長さに疲れ果てており、前後編を書き上げるよりも先に、逃げでこぼれ話を書いてストレス解消をしているくらいだったのだ。

 そもそも書き始めた頃は、まだ車での長旅の疲れが抜けずにいた。また、年末の超有名観光地の混雑で受けたダメージは半端なものではなく、牡蠣を沢山食べて帰ってくるくらいでは解消できずにいたのだ。

 帰ってからも、いつもはさほど食べようと思わないクッキーを、いつまでもいつまでも食べ続けている状態は明らかにストレスフル。モン・サン=ミッシェルのお土産のクッキー🍪が妙に美味だったこともあり、それを加速させた。

 紅茶とクッキーの香りが、私の旅の記憶を呼び起こす。マドレーヌではなくても記憶は呼び起こされる。
そう、いつものように『失われた時をもとめて』冒頭の主人公の回想に身を置いてみるのだ。(あの超長編は、『冒頭だけ読めば良くない?』 と主張しがちな私)

『あ〜混んでた!!! ルーブルも!!!ヴェルサイユも!!!』

《香りと味覚によって、過去の思い出が蘇る》というマルセル・プルーストの描く心理学的・哲学的な例のアレではない。
 単に疲れた体感が蘇り、イラッとして過剰に食べているだけなのだ🐷

 特にルーブル美術館の入場時の混雑、《モナリザ》展示室の大混雑は、どう考えてもルーブルを運営する側の人為的なミスとしか思えず、疲れ果てた後、『絵画を鑑賞する意味って何なの?!』と根本的なところを疑問に思ってしまうくらいだった。

 美術鑑賞が好きなだけに、今回ほどがっかりしたことはなかった。あれではいくら好きでも絵に没入することなど無理だとしか。
 混雑で疲れて余裕がなくなり、様々見逃した。久しぶりのフェルメールすらも見逃した‥思い出す度に今でも頭を抱えたくなる(T ^ T)

 とまあ、こんな感じで過ごしていたものの、取り敢えず記事を公開する事で、自分の中に一区切りつけたような気分でいたのだった。



▪️ルーブル改修へ

 記事を公開してから1週間ほど経ったある日、Google ニュースに目が止まった。以下の記事である。
 読んだ瞬間に、『今頃?!』と歯をギリギリさせたのだった。


地元メディアによると、ルーブル美術館は1月、フランス政府に対し「博物館の中ではいたる所に損傷があり、深刻な荒廃状態にある」として、改修などを訴える文書を送りました。

その上で、美術館の内部について「防水性をなくした場所や、深刻な温度変化の影響で作品の保存が危ぶまれている」と指摘しています。

本文より抜粋

 
 ルーブル関係者は、1989年に造られた美術館への入口の例のガラスのピラミッドは、年間900万人以上の訪問者に「構造的に対応できない」と政府に訴えたのだそうだ。

また、「モナリザの展示方法については、誰もが見直す必要があると考えている」とも指摘した。

 こんな当たり前のことを今頃?!  

 ルーブルへの入場者は1日3万人、そのうちの約4分の3が「モナリザ」を見るそうだ。そのモナリザの展示室《サル・デ・ゼタ》は人混みが絶えず、絵を観たり写真を撮ったりする時間は、平均して50秒しかないそうだ。

 ちなみに私が行った日は30秒あるかないかだった。鑑賞時間は最前列の人の執着とマナーに寄る(~_~;)
 彼らが最前列に到達し、ベルトパーテーションから解放されるまでの時間を、何回かスマホのストップウォッチで確認してみた。ぎゅうぎゅう詰め状態の待ち時間が長いので何でもする。


30秒だけ眺められた《モナリザ》 お久しぶりですね🙇‍♀️


 このGoogleニュースの記事によれば、ルーブル宮殿の建物の補修・改築と同時に、大混雑のモナリザ展示室《サル・デ・ゼタ》の問題を解決する為、別の専用の展示室を設けることになるようだ。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、1月28日にルーヴル美術館の《モナ・リザ》の前で演説を行い、この計画を発表。「ルーヴル・ヌーヴェル・ルネサンス」と呼ばれるこの改修計画では、セーヌ川近くに新しい大規模な入口や、《モナ・リザ》のための専用展示室などが設けられる。

 そう! 入り口がそもそも駄目! なのだ。 長い列ができて当たり前の構造になっている。だーかーらー、そもそもあのピラミッドを入り口として造ったのが間違いだったのだ!と反対派の私は強く申し上げたい。

 そしてその列を整理するやり方が下手すぎる。更に係員の案内は雑すぎる。結果あの場がゴタゴタした状況になる。
(現在ピラミッドの入口以外にも、リシュリュー翼のパーサージュの入口からも入場できる)

 入口前広場からチュイルリー庭園方面にかけては、さして工夫された庭ではなく、低木の垣根はあるものの、ごく殺風景だ。ただいつも混雑しているので、芝生の緑があろうがただのむき出しの地面であろうが、さほど関係ない場所。今後の改築でそこに新しい入り口を増やすのは大いに賛成である。

 こうなると、どうやら年末のあの混雑ぶりを知る観光客は、これで最後になる様子だ。この判断が下されるまで、どれだけルーブルに幻滅する人々を増やし続けた事だろう。


 日曜にこのGoogleニュースを読み、だいぶ溜飲が下がる思いだった。
 火曜は美容院の予約があり、いつもの日本人美容師さんと話していたところ、年末年始の話になった。
 彼女もフランスに行き、ルーブルには25日に行ったという。
「《モナリザ》どうでした?  笑」と訊くと、
「酷い混み方でしたよ〜😓」と。
私と同じように、すし詰め状態の部屋で30分待って眺めてきたそうだ。

「あのベルトパーテーションの使い方変だったでしょ?!」と訊いてみる。
「モナリザの前をあれで仕切るって意味ないですよね?!ディズニーランドみたいに使わないと!」
同意を得られて嬉しかった‥‥😮‍💨


 更に思いがけず共通の話題が幾つかあったのだった。
あのすし詰め状態の中、彼女も私も一人であったせいで、人と人の隙間をぬって歩き回りやすかったという話で同意した。外国人の中に混じると、我々はとても小さいのだ。

《モナリザ》展示室でも、弾き出されることも邪魔に思われることもなく、スッと隙間に入れるために、スムーズにそこそこの場所に位置取りをして観ることができたのは、そういうわけだった。


 またカフェにしてもショップにしてもトイレにしても、それぞれが酷い混み方だったと話すと、彼女は、
「トイレ綺麗でしたか?」と訊いてきた。
 館内に何ヶ所かあるうちの、私が行った所はまぁ普通だったと話すと、彼女は、
「散々待って、やっと入れた個室は、人生で一番汚くて泣きそうでした😭」とのことだった。
 
 20〜30分待っている間、清掃係の姿は見えなかった。利用者が多すぎて、通常業務では間に合わないだろうと思う。

 彼女に、このGoogleニュースの話題を伝えてみた。ルーブル関係者が現状を国に訴えたんですって!と。まさかこの話を共感できる人と話せるとは思わなかった。

 「モナリザはとにかく別の大きい部屋に移して、入場制限もしないと無理だし、美術館の入口もトイレも増やさないと駄目ですよね!」とお互い実感を込め、納得しあったのだった。


 水曜にまた同じニュースの別記事を目にした。

今月初めに公開された政府宛ての書簡でデ・カール氏は、1989年以来、美術館への唯一の入場口があるピラミッドが、年間900万人以上の訪問者に「構造的に対応できない」と訴えた。

本文より抜粋

 木曜にもまた別記事が。

 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、1月28日にルーヴル美術館の《モナ・リザ》の前で演説を行い、この計画を発表。「ルーヴル・ヌーヴェル・ルネサンス」と呼ばれるこの改修計画では、セーヌ川近くに新しい大規模な入口や、《モナ・リザ》のための専用展示室などが設けられる。

本文より抜粋

 改修計画の一環として新しい入口が設けられ、それによって現在のピラミッド入口の混雑を緩和し、訪問者にとってより快適なアクセスを提供することを目指す。また、《モナ・リザ》は専用の展示室に移され、特別なチケットを購入した鑑賞者のみがアクセスできるようになる。


 さらに、美術館の中庭の下には新しい展示室も建設され、隣接するカルーセル庭園とチュイルリー庭園も修復される予定。また、セキュリティや収蔵品の安全性、スタッフの労働条件、アクセシビリティなども改善されるという。


 展示室《サル・デ・ゼタ》は部屋の中に《モナリザ》展示の為に、内側に黒い仕切りを造り、《モナリザ》の為の一部屋のように使われている。しかしその仕切りの壁の向こうや両側の壁には、他の画家の作品も並んでいる。



 モナリザを見終わって、混雑から解き放たれた人々は、やっと一息つけ、さっさとその部屋から出て行く人が殆どだ。誰も他に展示してある絵を眺めない。 モナリザ以外の他の絵の扱い方、というか展示位置があまりにも失礼で雑ではないか、と思う。

 また一日中混み合う為に、その部屋の温度・湿度が適正に保たれているとはとても思えなかった。
 [この状態で何十年も展示していると、名画にこれだけの影響が出てしまう]という実験でもしているのかと思うほど、ラフな展示である。



▪️価値ある作品の保護

ミラノ サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会


《最後の晩餐》

 絵に隠されたMの文字、ヨハネと説明され続けてきたキリスト横の赤い髪の人物の真実、その首に突きつけられたペテロの手、人物の間から見えるナイフを持った(誰の手でもない)手の存在、謎が沢山隠された《最後の晩餐》

やや薄暗い館内


 ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》はイタリア、ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会のドメニコ会修道院食堂の壁に描かれている。壁画である上、当時の絵の具の問題もあり劣化が進み、修復後は時間指定の入場制限がなされ、広い食堂に30人ずつくらいの人数しか入れない。

 であるからゆったり観られて快適である上、入り口は空調を管理できる構造になっているのが素人目にもわかるドアで、温度・湿度の管理が徹底されている。
 後世に残して行く為に、価値ある作品の保護とはこうあるべき、と感じたのだった。
 


▪️《モナリザ》の保護、ルーブルの今後

 絵と壁画では、保護の仕方に違いもあるのだろうけれど、素人目に見ても、現在の《モナリザ》は気の毒な状態であると思う。また同じ展示室のそれ以外の絵も。

 《モナリザ》に特別な料金が加算されても、あの絵を愛する人は絶対に観たいだろう。料金のせいで極端に入場者が減るとは思えないけれども、しかしおそらく《モナリザ》限定チケットにも予約時間が設けられ、入場制限されるであろうから、混雑はある程度軽減されるだろう。

 さほど興味がなければ、追加料金がかかる事が抵抗になり「別に観なくてもいい」とか、「前に観たことがあるから今回はいい」という層は一定数いる筈だ。


 たまたま今回、年末にルーブルに行ってあの状態を見ていなければ、この幾つかの記事を読んだところで、『ああ、そろそろルーブルも改装の時期か。モナリザは相変わらず人気が凄い!』くらいの気持ちであったと思う。

 旅行から帰っても、ルーブルに関して残念な気持ちが残り、あの経験で絵画鑑賞が嫌になってしまう人が世の中に沢山いるのでは、と憂鬱になっていた。鑑賞する時の状況が、これほど大切だと思わされたのは初めてであったし。

 絵を観る、休憩して食事やお茶を楽しむ、美術館グッズを眺める、そうした時間や美術館を出てからの余韻を含めて、美術鑑賞の楽しみなのだから。

 私以外にもこのGoogleニュースを納得して読んだ人は、相当数いるだろう。
 取り敢えず、旅行中から引きずっていた疑問と不満がやっと解決した気がする。
 あとはルーブルの改築、改修後の運営方法の見直しでどう改善するのか、その結果をまた観に行かなければならない、次回はもっと余裕を持って、時間をかけて美術品を楽しみたいものだ。

 この何日かの間、これらのニュースを読み終え、清々した気分で、その度に勝ち誇ったように私が発した言葉は一言、

「でしょうね!!!」だった。


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