読書🟢スローターハウス5/K・ヴォネガット
感想
今日は米国作家カート・ヴォネガットが生まれた日に当たります。代表作の『スローターハウス5』(早川書房)は半自伝的な長篇小説で、テーマは反戦でしょう。作者自身が戦争体験したドイツのドレスデンでの出来事について強く言及されていました。作者はドイツ系移民4世であり特別の思い入れがあったのでしょう。そのドレスデンでは無差別爆撃による死者がおよそ14万人。原爆が投下された広島(死者7万人)や焼夷弾や高性能爆弾による東京大空襲(同8万人)と比べてはるかに大きいことに衝撃を受けました。アメリカはその事実を戦後20年間にわたり隠し続けていたようです。(ただ実際のドレスデンでの死者はもっと少ないとの諸説もありますが)作者の語り口は絶妙であり、読後しばし余韻に浸れる稀有な素敵な作品でした。
物語の前半はこんな感じだ。ビリー・ピルグリムはその人生の中で起きたさまざまな出来事をまるで時間旅行者のように次々と繰り返し追体験していく。ビリーはニューヨーク州イリアムで生まれ育った。第2次世界大戦では歩兵としてヨーロッパ戦線におもむきドイツ軍の捕虜となった。帰還後、故郷で検眼医となり妻と2人の子供に恵まれ裕福な家庭を築いていく。


