読書🟢緋文字/ホーソーン
書評
本日、7月4日は米国作家ナサ二エル・ホーソーンが生まれた日に当たる。1804年生まれだから、ちょうど222年前のことだ。本日取り上げた代表作の『緋文字』(新潮文庫)も不朽の名作であるが、一般に、姦通をテーマにした長篇小説だといわれている。ヒロインのへスター、へスターの恋人の牧師ディムズデール、へスターの夫の医師チリンググワース、この3者の心の葛藤が本書の大きな読みどころとなっている。また、ストーリーの中に<色>が重要なポジションを占めているのも海外の文学では珍しいことかもしれない。ヘスターが<罪の刻印>として胸のあたりに飾り付けている緋文字<A> が、重要な節目で何度もあざやかに出現している。カラーを<赤>ではなく<緋>に設定したところもしぶいよね。
物語の前半はこんな感じだ。1642年のニューイングランド(ボストン)。へスター・プリンは美しい英国出身の女性である。彼女は年上の夫を母国に残しひとり渡米していたが、不倫の末に妊娠した罪で投獄されてしまう。そして獄中で女児を出産したあと、刑台の上にひとり立ちさらし者になり、今後は赤い布地にAの文字を縫い付けられた衣服の着用を義務づけられてしまう。一方このころひそかに入国していた彼女の夫は世間体を考慮してロジャー・チリングワースと名乗り医療活動をスタートさせる。

