女性も男性も大変なクラシック音楽②オペラ歌手と管弦楽団(音楽に関する疑問を先生に聞く会)
M:19世紀のヨーロッパでは、中~上流階級の女子がピアノを習うのは一般的で、例えばショパンやリストも裕福な家庭の女子にレッスンをして、収入を得ていましたね?
G:はい。その通りで、彼女達はピアノを習っていましたが、音楽をたしなむことと、音楽家になることは全く別の話でした。
彼女たちに期待されていたのは、家庭やサロンでピアノを弾いたり歌を歌い、社交の場で教養を示すことであり、職業音楽家になることではありませんでした。
そして習う楽器にもかなり男女差がありました。
女性が習うことが多かったのは、ピアノ、声楽、ハープ(でもピアノに比べれば少数派)。
これらは当時の価値観で「優雅」「上品」「女性らしい」と認識されていました。
M:女子が習う楽器としてピアノが主流だったとすれば、編成上も管弦楽団には入れませんね。ハープも一般的とは言い難いです。
G:それ以前の問題として、特に金管楽器や大型の弦楽器は女性にふさわしくないとされていたのですけどね。
M:ああ。
G:女性が管楽器(特に金管楽器)を演奏することについては「顔を歪ませて息を吹き込むのは女性らしくない」、大型の弦楽器(チェロやコントラバス)は「足を開いて楽器を挟む姿がはしたない」などと言われていました。
M:うーん。当時の価値観を考えれば仕方ないですね。
G:そもそもオーケストラ奏者という仕事は、現在の私たちが思うような、華やかな芸術家の世界というイメージとはちょっと違いました。
むしろ、専門技術を持つ職人集団に近いような存在。だから余計に女性からは遠い世界でしたね。
M:そうすると声楽は特別ですね。オペラでは必ず女性がやるべき役がありますし。
G:そうなんです。オペラの世界では女性歌手が必要不可欠で、しかも彼女たちはソリストです。
はやくも18~19世紀には、現代のトップスターにも匹敵する人気を誇る女性歌手も少なくありませんでした。
有名なプリマドンナともなれば王侯貴族とも交流し、高額の報酬を得ていました。
もちろん社会的地位の問題や偏見はありましたが、女性音楽家の中では、女性歌手は比較的早い段階から公の舞台で活躍していました。
一方で、19世紀の時点でもオーケストラは、宮廷、劇場、軍楽隊などと結びついていた組織でした。
男性ばかりの組織に女性が入るという意味でも、女性がオーケストラのメンバーになるのは難しかったんです。
女性のオペラ歌手はソリストで、スターで、特別枠という感じなので逆に受け入れられやすかったのですが。
M:当時の事情を具体的には知りませんが、組織に加わる際の問題として考えると、その障壁の高さは現代の感覚でも理解できる気がしちゃいますね。。。
以上の会話はフィクションです。
特別出演:Gemini先生、チャッピー先生
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