七福神日誌66

五時起床。今日は夜番。
昨日は仕事から帰って夕方、コタツでうとうとしていたら、となりで会社の事務作業をしていた妻が風邪を引くからベッドで寝なさいというから、言われるままベッドへいき本格的に眠りはじめて、そのまま朝になってしまった。
丸半日寝てしまい、なんだか騙されたような気分。でも久しぶりにたらふく寝て体が軽い。しかしやはり損をしたといえば、夕飯を一回食べ損ねたし、毎晩こつこつやっているイーストワードも昨日はワンクエストも進めることができなかった。悔しい。
何か食べようと思ってキッチンに行く。床にでかいダンボール箱が置かれている。見ると長野の親戚からで、りんごがたくさん入っていた。
三玉切って食べる。うまい。
長野は父、カズさんの故郷で、親戚が農家や旅館をやっている。毎年送ってくれるこのりんごは、東京の千疋屋にも卸されるとか。
どれもかっと蜜がさして甘い。
妻が起きるまでゲームをする。
イーストワードを二時間、ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダムを二時間。
九時頃、妻が目をさます。コーヒーをいれて、さっそく給与計算や先月の納品伝票の確認など始めたので、となりでゲームをしていては心象が悪い。
と思い、本を読むことにする。止まっていたワンピースを読み進める。八十八巻まで読んで、なるほど次の巻でホールケーキアイランド編も終わるなと思っていると、妻がこいつマンガを読んでるなという顔をしている。
仕方なく、金子光晴の『マレー蘭印紀行』に切り替える。金子光晴は旅の詩人だが、とにかく名前が金ピカで縁起がいいので、関西の商売人の間では招き猫や恵比寿さんくらい目出度いものとされているとか。わが家でも常に本棚の上棚に飾っている。
たしか詩人が友人と寄席を回ったり吉原のおでん屋に行ったりした思い出を書いているのがあったがあれはどの本だったかと『ねむれ巴里』、『どくろ杯』、『西ひがし』などコタツに広げて、あちこちぱらぱらしていると、妻がそろそろ仕事に行ってこいという。
出かける。
十二時に梅田に着く。
第四ビル本店と、第二ビル店に寄って、少しランチの営業を手伝ったあとバルチカ店に向かう。
バルチカは朝イチがグチさんで、ちょうどニシさんが来て、グチさんが休憩に出るところだった。
ニシさんに店をお任せして、グチさんと昼飯にいく。
四階のそば屋に入る。
天麩羅そばを注文。熱くてうまい。
でもグチさんは、ラーメンも好きらしく、そばを食べながらずっと二人で梅田のラーメン屋の話ばかりしたので、二人とも途中からそばを食べているのかラーメンを食べているのかよくわからなくなってしまった。
店に戻ると、阪神ファンのてっちゃんが来ている。この人は西九条のたこ焼き屋さん。
仕事はどうですかときくと、うん、そろそろ店を仕舞ってキッチンカーを買って、全国各地、放浪のたこ焼き屋になろうかな、という。
それは大賛成、いってらっしゃい。というと、よっしゃ打ち上げ花火のたこ焼き坊主や、といって、ビールを飲み干してちょっと踊りながら帰って行った。
友達にいつも旅先の人がいたらきっと楽しいだろう。てっちゃんも仕事をしながら旅を続けて、だんだんと寅さんみたいになって、俺たちがあの人はいま頃どこでたこ焼きを売ってるだろうと思っているところへ、わっと帰ってきて喜ばせてほしい。
そして俺もいつかてっちゃんからキッチンカーをもらって放浪の串かつ屋になろう。

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