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AIをしのぐ智慧の創造 ー 「2026年6月5日NASDAQ大暴落」をテーマに考えてみると

〇 まえおき

・「AIと共生する心の時代をつくる」の記事で、「AIのできないこと、人間がやるべきこと」の話をしました。

AIと共生する心の時代をつくる AIのできること、人間がやるべきこと ー 阿部元巨人軍の監督辞任を見て思うこと|hide

〇 演繹法と帰納法

・少し難しい話になりますが、哲学的な言葉を使うと、「智慧とは、概念と現象の運動のこと」です。
・学問の世界では、演繹法、帰納法という言葉があります。
・演繹法とは概念を具体(現象)化することで、帰納法とは現象をまとめて概念で説明することです。

〇 AIができること、できないこと

・AIができることは、概念と現象の両方をデータ化して入力したときに、その現象がどの概念に近いかを示すことです。

・逆に言うと、AIは、自分で概念をつくってその概念で現象を説明することも、現象をまとめて概念をつくりだすこともできません。

・後で、生成AIの問題点を明らかにするためにChatGPTの答えをコピペしてお見せしますが、その箇所で書いてあることをあらかじめお伝えしておきます。

[ChatGPTの答えをコピペする理由]

⇒ 頭のよい人の説明の仕方は次の二つのうちのどれかになります。
① 「景気後退」とか「信用収縮」という概念が、「現実化しているか、いないか」を説得力のある事例一つで説明する(演繹法)
② 多くの現象から、それが景気後退の現れである(あるいは景気後退は起きていない)と説明する(帰納法)

⇒ ChatGPTの説明は、「議論の目的が明確でないので、いろいろなことをグダグダ言っている」という感じです。

・これをお伝えしたかったということです。

〇 AIをしのぐ智慧の創造

・したがって、現象をまとめて(体系化して)概念を示すことができれば、AIをしのぐ智慧を生み出したことになります。
・これを2026年6月5日のNASDAQの大暴落の原因を探る話で証明したいと思います。

NASDAQの大暴落が意味すること


1 NASDAQの大暴落の原因 ー 私の考え

・私の考えでは、NASDAQの大暴落の原因は信用収縮の現れです。
(景気後退の現れです。⇒この信用収縮とか景気後退が概念です。)
・その理由は、以下の通りです。

① スペースXの上場に伴う資金の確保

・6月12日にスペースXが上場されます。
・スペースXの株を買うには大量の資金が必要です。
・「そのために、他の株が売った」と考えられます。
・その根拠として、株だけではなくビットコインも、金も、銀も、さらには現在高騰をしている原油も売られました。
・「トレーダーが現金を確保したがった」ということは間違いありません。

② ローテーションによる現金の確保

・「それまでに高騰していた金融商品が売られ、新しい投資商品を買うという動き(=資本のローテーション)」は2025年11月から始まっています。

・2025年末から、マグニフィセント7の株、ビットコイン、金が売られ始め、その代わりに日本株が大暴騰を始めました。
・2026年に入ってからは、銀価格が下がり、韓国株が急騰を始めました。
・2026年4月からは、イランショックで、多くの株価は下がり、金、銀の価格は下がったままですが、データーセンター関連の株だけが急騰しています。ビットコインも底値圏ですが、上昇しました。
・2026年4月末からの日本のデーターセンター関連の株価は異常でした。
(4月24日の日経平均の終値は5万円台でした。そこから一本調子で上がり続け6月3日の最高値は68786円です。15%近くの大暴騰です。この時にも銘柄のローテーションが起きていました。)

4月後半からの日経225の株のローテーション

・4月末からの日経平均225を動かした上位銘柄の最高値をつけた日付とその後の動きは以下の通りです、特に5月27日~6月4日までは毎日高値更新銘柄が変わってでてきていました。(6月3,4日がピークでそこから下落に転じたと考えられます。)

4月末 ディスコ、レーザーテック ーその後乱高下
5月前半 アドバンテスト ーその後乱高下
     フジクラ ーその後暴落
5月25日 安川電機 -その後乱高下
5月27日 古河電工、ファナック ーその後暴落
5月29日 イビデン、ファーストリテイリング ーその後下落
6月1日 村田製作所 ーその後少下落
6月2日 ソフトバンク ーその後下落
    TDK ーその後少下落
    スクリーンHD ー高値維持
6月3日 太陽誘電 -その後少下落
6月4日、京セラ、 東京エレクトロン 

③ 信用収縮ということ

・経済が順調に発展しているときであれば、資金調達は金融機関を通して行われるはずです。
・しかも、現在は、金利が上がっている状態ですので、景気がよければ金融機関はどこでもよろこんで資金を貸してくれるはずです。
(金融機関から資金を調達するのであれば信用の創造です。)

・しかし、現実には、金融機関から資金調達をするのではなく、金融資産を売って資金調達をしているので、信用収縮が起きていると考えられます。

・また、あとで、でてきますがChatGPTはNASDAQ暴落の原因を、「金利が上昇したから」と言っています。
・もしも、「金利が上昇したから株価が下がった」とすると、この金利上昇はこれからも続くので、これが信用収縮の始まりと考えられます。
(そもそも金利が上がって株価が下落すれば、それが景気後退ということです。)

2 NASDAQ暴落の原因 ー ChatGPTの答え

・ChatGPTの考えでは、NASDAQ暴落の理由は金利の上昇です。

[ChatGPTの答え]

6月5日のNASDAQ急落(-4.2%前後)は、「何か1つの悪材料が出た」というよりも、AI相場の過熱懸念と金利上昇が同時に起きたことによるバリュエーション調整と考えるのが最も自然です。

[ChatGPTへの反論]

・もしも、金利上昇が急落の原因だとすると、金利が最高値になった5月19日に株価が暴落するはずですが、そうなってはいません。
(この点に関しては、どうでもいいことなのでChatGPTに対して深追いはしていません。)

3 ChatGPTに信用収縮の話をぶつけてみた

・ChatGPTに私の考えをぶつけてみました。
・その結果が以下の言葉です。

[私の質問]

私の見立てでは、スペースエックスの上場に伴う、キャッシュの確保が原因のような気がしています。もしそうであれば市場全体で信用収縮がおきていることの証左ともいえるとおもうのですが、どうでしょうか

[ChatGPTの答え]

その仮説は十分に検討に値すると思います。
ただし、私なら
「SpaceX上場が暴落の直接原因」ではなく、「既に流動性が逼迫している市場で、SpaceX上場が資金移動の引き金になった」
という位置づけで考えます。
実際、今回の市場では、
SpaceXが約750億ドル調達予定
さらに年内にAI関連大型IPO(Anthropic、OpenAIなど)も控える
Alphabetも大型増資を発表
という状況で、「買いたい新規案件が多すぎる」状態になっています。

・要するに、「ChatGPTもキャッシュがなくなっているから株価が暴落した」という私の考えは認めてくれましたが、それが信用収縮とは断定できないと言っています。

・私の概念では、市場からキャッシュがなくなることが信用収縮ですので、私の得た結論とChatGPTの出した結論は同じものです。
・それを確認するために、別の質問をしました。
・最終的にChatGPTから返ってきた答えは以下のようなものです。
・長くて面倒くさいので、そのままコピペします。
(全文を読む必要はありません。)

[ChatGPTの答えをコピペする理由]

⇒ 頭のよい人の説明の仕方は次の二つのうちのどれかになります。
① 「景気後退」とか「信用収縮」という概念が、「現実化しているか、いないか」を説得力のある事例一つで説明する(演繹法)
② 多くの現象から、それが景気後退の現れである(あるいは景気後退は起きていない)と説明する(帰納法)

⇒ ChatGPTの説明は、「議論の目的が明確でないので、いろいろなことをグダグダ言っている」という感じです。

・これをお伝えしたかったということです。

〇 ChatGPTの答え

結論から言うと、

「信用収縮が始まっている可能性は十分ある。しかし、まだ『信用収縮が主因である』と断定できる段階ではない」

というのが私の見方です。

ただし、あなたの論法には強い説得力があります。
なぜなら、あなたはNASDAQだけを見ているのではなく、
2025年11月頃からの金の下落
・銀の下落
・ビットコインの下落
・今回のNASDAQ急落
一つの現象として見ているからです。

実際、2026年に入ってから、
・金は1月高値から大きく下落
・銀はさらに大きく下落
・ビットコインも年初から大幅調整
・6月5日にNASDAQが急落
という流れになっています。

ここで重要なのは、
通常の信用収縮の初期段階
では何が起きるかです。

まず売られるのは

・最も値上がりした資産

  1. レバレッジがかかった資産

  2. 換金しやすい資産

です。

2008年でも、
・株
・原油
・金属
・REIT
が最初に一緒に売られました。

「安全資産の金まで売られるのはおかしい」
と言われましたが、
実際には証拠金不足になると何でも売られます。


あなたが見ている現象はむしろ

リスク資産だけでなくインフレヘッジ資産も同時に売られている

という点です。
これは
「資金が足りない」
時によく見られるパターンです。


一方で反論もあります。
6月5日の市場については、
強い雇用統計によって
利下げ期待が後退
・米国債利回り上昇
・ドル高
が起きたため、

金やビットコインの下落は説明できる、という見方です。

つまり、
「信用収縮ではなく金利ショックだ」
という解釈です。


しかし、私が興味深いと思うのは、
あなたが指摘した
「2025年11月から始まっている」
という時間軸です。

もし本当に6月5日の雇用統計だけが原因なら、
金や銀の下落は6月5日から始まるはずです。
ところが実際には、
・金は1月高値から下落
・銀も数か月下落
・ビットコインも高値から調整
という流れが続いています。

これは
市場の流動性が徐々に悪化している
という仮説と整合的です。


さらにあなたのSpaceX仮説を組み合わせると、

次のようなストーリーになります。

  1. AI投資で巨額資金が吸収される

  2. 金利が高止まりする

  3. 金・銀・ビットコインが先に天井を打つ

  4. 大型IPOが続く

  5. 半導体株にも売りが波及する

  6. 最後にNASDAQが急落する

この流れは論理的には十分あり得ます。


私が今後見るなら、
株価そのものより
・ハイイールド債スプレッド
・プライベートクレジットの延滞率
・商業不動産の借換え失敗
・データセンター投資計画の延期です。

信用収縮が本物なら、
最初に壊れるのは株価ではなく
「借金で回っている部分」
だからです。

むしろあなたの仮説で最も重要なのは、
「NASDAQが下がった」ことではなく、
金・銀・ビットコインという本来性格の違う資産が、数か月単位で同じ方向に動いていることをどう説明するか
だと思います。

その観点から見ると、私は現時点で
単なる金利ショック説:60%
徐々に進行している信用収縮説:40%
くらいの印象です。

ただし、もし今後数か月で
・SpaceXなど大型IPO後も市場に資金が戻らない
・ハイイールド債が崩れる
・プライベートクレジット問題が表面化する

なら、その比率は逆転し、「信用収縮が主因」という見方がかなり有力になると思います。

〇 補足(筆者注)

・実は、ChatGPTに質問するときには面倒くさく省きましたが、数日前に、「ブラックロックがプライベイトクレジットの返済の制限をはじめた」というニュース(=プライベイトクレジットの問題の表面化)が流れています。
・ハイイールド債も6月5日に下落しています。
・さらに、私の考えでは、「オープンAIやアンソロビックのNASDAQ上場は今まで通りの方法で資金調達できなくなったから」というのが理由で、この上場自体が信用収縮の現れだということです。
・また、ChatGPTの答えを見ると、「自分の仮説が正しいことを証明するために、今後何を見ればよいか」という議論をしています。
(私の考えは、「過去のデータを見ればそれがわかるであろう」ということです。ChatGPTは、「仮説を証明するために過去のデータを体系化する」という能力が欠けているのだと思います。)

4 要するに

・以上を整理すると次のようになります。

① 議論の前提に関して

・ChatGPTはこちらの議論の前提を理解していません。
・勝手に前提を考えます。したがって、議論の前提を入力しないと間違った答えが返ってきます。
(巨人軍の阿部元監督の辞任騒動の例、プライベイトクレジットやハイ・イールド債の例)

② 議論の目的や言葉の概念について

・ChatGPTは議論の目的や言葉の概念を理解できません。
・世間の常識から考えた最大公約数の考え方を議論の目的やその言葉の定義にします。
(巨人軍の阿部元監督の辞任騒動の記事に書いたと思いますが、ChatGPTには「人間の幸福とは何か」ということはわかりません。今回のテーマで言えば「お金の概念*」がわかりません。)

・こちらが、目的や言葉の定義を明確にしないと間違った答えが返ってきます。

③ 中心理念

・ChatGPTは自分で理念を考えることができません。こちらが中心理念を把握していないと議論が成立しません。

[お金の概念]

・現在語られているお金の概念は次の三つです。
① 現物価値(金貨、銀貨)
② 交換価値(紙幣、暗号資産ー現在の一般的通念)
③ 利子のつくもの(経済のプロの考え)
・正確な議論をしようとすれば、「価値とは何か」という概念もはいってきますので、ChatGPTが正解を出せるようなものではないのです。





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