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長崎・ピーススタジアムの熱狂で感じたデザインの力、そしてサウナの惜しさと可能性

先日、長崎県さんにお呼びいただいた事をきっかけに長崎のピーススタジアムを訪れ、Vファーレン長崎の試合を観戦しました。もともとスポーツ観戦にはそれほど関心がなく、どちらかといえば「物見遊山」でスタジアム建築や空間デザインを体感する目的でした。ところがこの訪問は、予想以上に心を揺さぶる体験となり、建物デザインが生む熱狂の力と、その周辺施設の経済的可能性と課題 を考えるきっかけになりました。

心踊るピーススタジアムの入り口

スタジアムデザインが生む「熱狂の経済効果」

ピーススタジアムの最大の魅力は、その空間設計とデザインが生む圧倒的な一体感と高揚感にあります。
階段を登った瞬間、視界に飛び込んでくるのは、見事に計算された開放感、洗練された構造美、そしてスタイリッシュな素材や色彩の調和。歩いているだけで心が高鳴る体験がそこにありました。

心踊るエントランス

電光掲示板や照明の演出は鮮やかで、音と光がその場の空気を震わせ、観客の心を一つにしていく力を持っていました。さらに、曲席がフィールドに驚くほど近く、選手たちの息遣いやスパイクの音までもが伝わる設計は圧巻です。これこそが「デザインが生む体験の力」であり、私は強く感動しました。

フィールドまで小さな壁しか無い

観戦当日は、観客の7〜8割を埋めるホームサポーターの声援と歌声が、空間全体を包み込み、スポーツ観戦初心者の私まで自然とその熱気に引き込まれていきました。この 熱狂そのものが、経済を動かし、地域に新たな価値をもたらす原動力 になっていることを、肌で感じる時間でした。

熱狂的なファンたち

非日常を引き立てる仕掛けと惜しさ

その熱狂体験をさらに後押しする仕掛けとして、スタジアムをまたぐ ジップライド もとても印象的でした。見た瞬間に「これはやってみたい!」と心が躍り、純粋な高揚感を感じさせてくれる仕掛けでした。

一方で、屋上の 無料の足湯 は、長崎の街並みと海を一望できる素晴らしい場所でありながら、「ここはもっと特別な体験として活かせたのではないか」という惜しさも残りました。無料で開放する優しさは素敵ですが、せっかくの景色を「有料温泉・サウナの利用者だけの特別な時間」として届ける選択肢もあったように思います。


商業施設に感じた「惜しさ」と問い

スタジアム周辺の商業施設にも、どこか物足りなさを感じました。おしゃれな店舗は揃っていて、スノーピークのショップなど魅力的なお店もありますが、試合前後の時間帯に「なぜここで買い物をするのか」という理由が見えてこないのです。

ファングッズのショップは例外で、スタジアムの熱気とつながった買い物体験がうまく作られており、お客さんも集まっていました。ですが、それ以外の店舗は試合の高揚感や非日常感に寄り添うものになりきれていない印象で、試合前後に「これが欲しい」と思わせる商品や仕掛けが足りないように思いました。

おしゃれなグッズショップ

周辺施設と温浴・サウナの課題

温泉・サウナも基本の設備や衛生面は良かったのですが、スタジアムで感じたあの特別感を引き継ぐ力は弱いと感じました。

  • お風呂は清潔ですが、景観や意匠に特別感がなく記憶に残りません。

  • サウナは温度・清潔感は十分ですが、整いスペースや休憩空間の演出が弱く、心をつかみきれませんでした。

  • 追加料金の特別サウナも光や音楽の演出はあれど、選曲の中途半端さが世界観を作りきれておらず、利用客は少数でした。

YUKULUのエントランス

経済視点での改善と可能性

1️⃣ 体験価値の階層化と価格戦略の見直し

例えば、大分の 「シティスパてんくう」 のように、基本の温浴・サウナは低料金・短時間利用に特化し、特別ゾーンでは絶景と非日常を徹底的に体験できる高付加価値サービスを提供する。足湯や展望エリアも「特別体験」として有料化し、満足度と収益を両立させる仕組みに。

2️⃣ 「本物のサウナ好き」の視点を企画に導入

温度・香り・光・動線まで細部を見直し、サウナそのものを体験価値の核に据える。地域の物語性を盛り込み、ブランド力を高める。

3️⃣ 地域経済への波及を意識した商業連携

商業施設は、地域とスタジアムの熱狂をつなぐ場所 として再設計が必要です。
試合前後の高揚感に寄り添う商品やサービス、スタジアム限定の「ここでしか買えない」魅力を作ることが、商業施設の価値を高め、地域経済への波及を広げる一歩になるのではないでしょうか。(とは言うものの、ここはどうすれば良いのかが正直、イマイチわかりませんでした)


最後に:スタジアムと地域経済の未来

ピーススタジアムは、間違いなくデザインと空間が人の心を動かし、熱狂を生み、経済を動かす力を持った素晴らしい施設です。あの場所に立ったときの高揚感は、今も心に強く残っています。だからこそ、周辺施設や商業空間もその熱狂の余韻を引き取り、「また来たい、ここで過ごしたい」と思わせる体験へと磨き上げていけたら。この場所が、長崎の新たな象徴としてさらに輝いていくことを心から願っています。

スタジアムシティはとてもカッコ良い

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釘宮謙悟 「やさしさは、社会を面白くする。」そんな実践を発信していきたいと思っています。いただいた応援は、取材や書籍購入など次の発信のために活用させていただきます。