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私の足はフィンだった?

 このところ、週三くらいの頻度で息子と市民プールへ行っています。
 徒歩圏内に屋外プールもあるのですが、この暑さ。プールサイドが灼熱なので、つい少し遠い屋内プールへと足が向きます。

 夏休みということもあって、幼児向けの浅いプールも25メートルプールも大賑わい。
 息子はまだバタ足の練習中なので、ビート板を持って25メートルプールの初心者コースで休み休み、行ったり来たりを繰り返します。

 「膝を曲げないで、はい、足まっすぐ。力入れないで」
 なんて偉そうに教えながら、「こうするんよ」と泳いでみせると
 「お母さん、はやーい!」
 と、息子が手を叩いてくれる。

 鉄棒も球技も、陸上競技はまるでダメな私。
 褒められて悪い気はしません。

 でも、実は私は、子どもの頃は水が大の苦手でした。
 幼稚園の頃はプールに入るより、プールサイドを走り回って遊んでいたくらい(※危ないので、真似はしないでください)。

 見かねた祖父母が、泣いて嫌がる私をスイミングスクールへ入会させたのでした。
 最初は嫌で嫌でしかたがなかったのですが、不思議なもので、慣れてくると泳ぐのが大好きになってしまいました。

 小学校、中学校では先生に「大会に出てみないか」と声をかけてもらって、練習に参加したこともあります。
 ただ、そのたびに言われることは決まっていました。

 「腕の回転が遅すぎる。もっと速くできれば言うことないのにな」
 そして、
 「お前はバタ足がうまいから速いんだな」
 と、バタ足だけはよく褒められていたのです。

 そんなこともあって、「私はバタ足がうまいんだ」と得意になって息子に泳ぎを教えていたのでしたが……
 昨日、横で見ていた夫がポツリと

 「氷鯰ちゃん、足が大きいから、フィンみたいな効果が出てるんじゃないのかな?」
 と言ったのです。

 がーん。
 実は私、服は上下ともSサイズなのですが、靴だけはLL。
 昔から靴屋さんで「LL無いですか?」と訊くと、店員さんに「え?」という顔をされることもしばしばです。

 子どもの頃からそれがコンプレックスで、「ドナルドダックみたいな足だな」「ビッグフットって私のことなんじゃ?」とか自嘲したことは数知れず。

 でも、祖父母の介護でお世話になっていた方が、あるとき
 「大きな足は転びにくいし、良いんよ。神様からの贈り物やね」
 と言ってくれて、その言葉で少し救われたような気がしていたのですが……

 まさか、水のなかでも役に立っていたなんて。

 勿論、大足によるフィン効果で、私の泳ぎが速いのかどうかは分かりません。
 でも、先生がいつも「バタ足だけは速い」と言っていたことを思い出すと、あながち外れてもいないのかも知れません。

 小さい頃からコンプレックスだった、大きな足。

 それが、私を転倒から守り、もしかしたら泳ぎもちょっと速くしてくれていたのかも知れない。
 あのとき介護の方が言ってくれた「神様からの贈り物」という言葉は、案外、本当だったのかも……

 ふとそんなことを思った、酷暑のある日のことでした。

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