見出し画像

半径10メートルのローカルヒーロー 第9話文化は「仕組み」で受け継がれる

「ねぶた教育って何ですか?」

私はよく聞かれます。

最初は、ねぶたの歴史や由来を教えることだと思っていました。

でも、活動を続けるうちに、それだけでは文化は残らないことに気づきました。

町内ねぶたは減り、子どもたちがねぶた小屋で学ぶ機会も少なくなっています。

「昔から続いてきたから大丈夫。」

そう思っていた文化が、少しずつ姿を変えているのです。

そんなとき、私は伊勢神宮の「式年遷宮」のことを知りました。

伊勢神宮では20年に一度、社殿を建て替えます。

建物が古くなったからではありません。

1300年以上にわたり、宮大工の技術や伝統を確実に次の世代へ受け継ぐための仕組みなのです。

私は、その考え方に大きな衝撃を受けました。

文化は、自然には残らない。

人が意志を持ち、仕組みをつくって初めて受け継がれる。

ねぶたも同じではないでしょうか。

だから私は、

ねぶた教科書を作りました。

金魚ねぶた工作キットを作りました。

学校ねぶたを提案しました。

そして、ねぶたツアーという構想も考えました。

見るだけではなく、自分の手で作る。

一年に一度だけではなく、制作する機会を増やす。

その積み重ねが、技術を守り、人を育て、文化を未来へつないでいくのだと思います。

私は、これを「ねぶた教育」と呼んできました。

でも今は、もっとふさわしい言葉があるような気がしています。

文化継承の仕組みづくり。

それこそが、私が本当にやりたかったことなのかもしれません。

ねぶたは、毎年運行すれば残るものではありません。

教える人がいて、

学ぶ場所があり、

作る機会があり、

地域で受け継ぐ仕組みがある。

その積み重ねがあって初めて、100年後も生きた文化として残っていくのだと思います。

私は、ねぶたを守りたいのではありません。

ねぶたを受け継ぐ人を育てたい。

それが、私の目指す「ねぶた教育」です。

いいなと思ったら応援しよう!