被災ピアノが奏でる美しい音色とともに美味な料理を楽しむ|STAY BANK SANRIKU演奏会 in 岩手県大船渡市
『この場所は、津波による被害の断片を保管・展示している。誰かが残そうとしないと残らない、現物を残したいと思い、20年計画で取り組んでいる。様々な切り口でこの場所を守っていきたい』
災害復旧カメラマン・ロケーションプランナーとして活動してきた、STAY BANK SANRIKUのオーナー・新藤典子 氏は、この日訪れた人々を前に、穏やかな声で想いを語った。
STAY BANK SANRIKUは、昨年平成以降最大規模の山林火災に見舞われた岩手県大船渡市にある、恐らく日本で唯一、被災ピアノなどを展示・保管している私設の震災痕跡史料館だ。
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2026年5月5日、そして翌5月6日。STAY BANK SANRIKUにおいて、被災ピアノの生演奏を聴きながら食事を楽しめる企画が行われると聴き、昨年のプレオープン振りに同館を訪れた。
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被災ピアノの演奏に聴き入りながらとびきり美味なランチを楽しむ|STAY BANK SANRIKU 演奏会|岩手県大船渡市盛街
STAY BANK SANRIKUは、大正時代の建造物であり、気仙大工が建築した旧気仙銀行盛支店の建物を活用している。そのため、現代ではあまり見られないレトロモダンな空間が建物内に広がっており、どこか厳粛さが漂うピアノのある空間は、教会を思わせる。
昨年の8月、プレオープン時には、厳選した豆を用いた深入り特化焙煎コーヒーを中心にドリンクのみの提供だった。2026年5月5日の今回は、食事に加えてピアノの生演奏も楽しめる形となっている。なお、5月6日も同様の内容が提供される。

提供されるランチプレートは、一言で伝えるならば『すこぶる美味』だ。パプリカーシュをメインに、オーブンを使って低温でじっくりと焼かれた人参・蓮根の入ったサラダ、トマト、マッシュルームスープ、甘く漬けられた柑橘類が入ったヨーグルト、無花果とバナナの焼き菓子。加えて、深入り特化焙煎コーヒー。
その全てが、これまでカフェや食事処などの飲食店ではあまり感じられたことのない味わいでありつつ、美味しく食べられた。とりわけ低温でじっくりと焼かれた人参とマッシュルームスープが絶品で、野菜の好さを残しつつも深い甘みが口の中いっぱいに広がる味わいがたまらなく素晴らしかった。
食事の傍ら、岩手県内の演奏者2名による被災ピアノなどの生演奏が行われた。モンポウ「歌と踊り 第5番」や辻井伸行「それでも生きていく」、Mrs. GREEN APPLE「Soranji」など、全10曲程度が披露され、訪れた人々は美味しい食事をとりながら被災ピアノ、サクソフォンが奏でる優しい音楽に聴き入った。
演奏終了後に、新藤典子 氏が訪れた人々の前で挨拶し、一旦の幕引きとなった(営業時間中はその後も演奏が続いている)。
『昨年8月、クラウドファンディングの返礼としてプレオープンを行い、演奏者2人がその際に出会い、今日この場に繋がった。音楽が繋いでくれた。演奏会は、年に6回を予定している。夏には、この被災ピアノを海の見える場所に持って行って海の傍で演奏会をしたい。また、いずれ訪れた人がいつでもピアノに触れて、演奏できるようにしたい』

写真と文章で見るSTAY BANK SANRIKU







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