『これで合ってる?』不安な自分を、少しずつ卒業していく一歩
「これで合ってる?」
たったそれだけのひと言が、いつもどこかでブレーキをかけてくる。
頭の中で、見えない会議が始まってしまう。
「上司はどう思うだろう」
「パートナーは嫌がらないかな」
「これを選んだら、がっかりされないだろうか」
本当はもう、心の中では答えが出ているのに。
最後の一押しだけを、“誰かのOK”に預けてしまう。
前回の記事では、この状態を
私は「外側OK待ちモード」と呼びました。
今回は、そのモードを少しずつゆるめていく実践編です。
(※前回の背景編はこちら → 「気づけばいつも“相手の反応”を優先してしまう」──そのクセの正体に、ようやく名前がついた日)
「明日から、誰の許可もいりません」なんて、急にはいかない。
だからこそ、テスト感覚でできる小さな実験を用意しました。
■ ゴールは「許可ゼロ」じゃなくて、「選べる自分」
最初にひとつだけ。
許可を求めること自体が悪いわけではない、ということ。
仕事では確認が必要な場面もあるし、
一緒に暮らす相手とは、すり合わせが欠かせません。
めざしたいのは、
「本当は自分で決められる場面でまで、
自動的に“外側OK待ちモード”に入ってしまうのを、少しずつ減らしていく」
このくらいの温度です。
そのために、今日からできる
3つの小さな実験を置いていきますね。
■ 実験①:1日1つだけ、「自分OKだけで決める」
最初の実験は、とてもシンプルです。
1日1つだけ、「自分のOKだけで決めること」を選ぶ。
「人生の大きな選択」じゃなくて大丈夫。
今日の服をどうするか
コンビニでどのお菓子にするか
カフェでどのドリンクを頼むか
そんな小さなことでOKです。
そのときに、心の中で一言そえてみてください。
「これは、自分のOKだけで選びます。」
たとえば、カフェでメニューを見ながら、
「今日はこっちのラテが飲みたい。
これは、自分のOKだけで選ぼう。」
そう決めて、注文ボタンを押す。
誰にも気づかれないし、
外から見れば、いつもと変わらない日常かもしれません。
でも中では、
「外側のOKじゃなくて、内側のOKで動いた一歩」
が、確かに積み上がっています。
これを毎日1つだけ。
できる日だけでいいので、試してみてください。
■ 実験②:許可を待っている自分を「実況中継」する
2つ目の実験は、「やめる」ではなく「気づく」こと。
何かを決めようとしているときに、
心の中で、こんな実況を入れてみます。
「あ、いま外側OK待ちモードに入ってるな。」
上司の顔が浮かんだとき
パートナーの反応を想像したとき
「怒られないかな」「がっかりされないかな」と身構えたとき
その瞬間に、やさしく実況するイメージです。
「またダメな自分だ」と責めるためではなく、
「このモードは、長いあいだ自分を守ってくれた防衛本能なんだよね」
と認めてあげるための実況。
すると、「私はダメだ」ではなく、
「いま、“外側OK待ちモード”が発動している」
と見られるようになり、
自分とモードのあいだに、少しだけ距離が生まれます。
そうすると選択肢が増えます。
今日はそのまま許可を取りにいってもいいし、
「ここは自分のOKでいけるかも」と感じたら、試してみてもいい。
どちらを選んでもOKです。
大事なのは、「またやってしまった」と責めることではなく、
気づけた自分を一度ねぎらうこと。
それだけでも、モードの勢いは少しずつ弱まっていきます。
■ 実験③:相談するときは「自分の案を先に出す」
3つ目は、「相談の仕方」を少し変えてみる実験です。
いつもなら、
「どう思いますか?」
「どっちがいいですか?」
と、相手の意見から先に取りにいっていたところを、
「私はAがいいと思ってるんだけど、どう思いますか?」
と、自分の案を先に出してから聞いてみます。
たとえば、仕事なら、
「私はA案で進めたいと考えています。
理由は〇〇だからです。
もし気になる点があれば教えてもらえますか?」
家のことなら、
「私は今日はカレーがいいなと思ってる。どう?」
…そんなふうに。
これも、最初から全部でやらなくて大丈夫。
週に1回、この形で相談してみるくらいで十分です。
自分の案を先に出すのは、最初は少し落ち着かないかもしれません。
でも、そのたびに
「自分で考える力」
「自分のOKを口に出す感覚」
が、ゆっくり育っていきます。
相手のOKを借りる前に、
一度自分のOKをテーブルに乗せてみる。
それができるようになると、
「許可をもらうための相談」から
「一緒に整えていくための相談」に変わっていきます。
■ 小さな実験が積み重なるとき
この3つの実験は、どれもささやかなものです。
1日1つ、自分OKだけで決める
「いま外側OK待ちモードだ」と実況してみる
相談のとき、自分の案を先に出してみる
どれか1つでも続けていると、ある日こう思う瞬間が来ます。
「あれ、前よりも、自分で決められる場面が増えてきたかも。」
前は、何でもかんでも外側のOKが必要だったのが、
ここは、自分のOKで進めていいところ
ここは、相手とちゃんと合わせたいところ
そんなふうに、境界線が少しずつ見えてくるようになっていきます。
■ おわりに ── 今日の一歩も、ちゃんと「あなたのOK」で
外側のOKを求めてきた時間は、
あなたが弱かったからではありません。
怒られないように
間違えないように
誰にも迷惑をかけないように
そうやって、長いあいだ真面目に生きてきた証拠です。
だから、そのやり方をいきなり否定しなくて大丈夫。
ただもし、
「そろそろ、自分のOKでも進める自分になりたいな」と思ったなら、
今日のどこかで、
「これは、自分のOKだけで決めてみよう」
と決めてみてください。
たとえそれが、
夕食のメニューを選ぶ一歩でも、
カフェでラテを選ぶ一歩でもいい。
その選択に**“あなた自身のOK”が乗っている**なら、
それはちゃんと、「進める自分」に向かう一歩です。
今日の一歩だって、
まぎれもなく“あなたが選んだ一歩”。
その積み重ねが、
少しずつ「外側OK待ちモード」から卒業していく道になります。
今日の3つの実験を続けてみようかなと思えたら、よかったら背景編も読んでみてください。
「外側OK待ちモード」がどこから生まれたのかを、もう少し丁寧にほどいています。
→ 『気づけばいつも“相手の反応”を優先してしまう──そのクセの正体に、ようやく名前がついた日』
そして、「また自分を責めてしまったな…」と感じる日が多いときには、こちらもそっと置いておきます。
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