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「自分だけ幸せ」でいいの? 自己実現が流行る社会で、忘れてはいけないこと


◆広がる「好きなことで生きる」ブーム

最近、「誰でも好きなことで起業できる」
「発信して自由に、豊かに生きよう」
そんな言葉をよく目にします。

スピリチュアルや自己啓発の考えを取り入れながら、
「願えば叶う」「波動を整えれば現実が変わる」など、
心地よい言葉で夢を後押しする発信も増えました。
その中には、実際に救われた人や、前を向けた人も、きっとたくさんいると思います。

幸せを分かち合いたくて発信すること自体は、決して悪いことではない。
むしろ、自然なこと。
でも、私はときどき、モヤッとすることがあります。

◆夢を語る影で、見えなくなっているもの

「夢を叶える」ことが正義のように語られ、
「やりたいことを仕事に」「高単価で自由に」と
誰もが“理想の自分”を目指すような空気が強まっていく中で、
ある大切なものが、見えづらくなっている気がするのです。

幸せを発信することが問題ではありません。
ただ、その幸せを「商品」にし、
「誰でも起業できる」「願えば叶う」と煽る流れには疑問があります。
それを見て、「自分もそうなりたい」と夢を抱いて起業を目指す人が増えている。
でも、その裏で着実に失われつつあるものがあります。

◆社会を支える仕事は、誰が選ぶの?

たとえば、
農業、漁業、林業、介護、保育、物流、製造、清掃、インフラ。

こういった「誰かがやらなければ社会が成り立たない仕事」を、
いつの間にか“やらなくて済むようにしたい仕事”のように見ていないでしょうか。

「自由な働き方」や「場所にとらわれない生き方」が流行ること自体は否定しません。
でもその裏で、
「そうじゃない働き方は古い」「意識が低い」といった見えないラベルが貼られ、
「誰も行きたがらない」分野がどんどん増えていくように感じます。

社会を日々支えている「誰かがやらなければ成り立たない仕事」が、
若い人たちの“やりたい仕事”からどんどん外れていっていないか?

「自由に生きよう」「場所にとらわれずに働こう」
その言葉の裏に、**「そうじゃない働き方は古い」「意識が低い」**といった暗黙の価値観が潜んでいないでしょうか。

◆発信の力は、社会にも影響を与えている

もちろん、今の社会の課題は発信者だけのせいではありません。

でも、「誰でも発信で成功できる」「願いは叶うから信じて」という言葉が、
無意識のうちに現実を遠ざけ、
本当に社会を支えている人たちや仕事を“見えない存在”にしていないか。

そこに目を向けてほしいのです。

発信する側は「希望を届けたい」と思っているかもしれません。

でも、その影響で誰かが「現場」から離れ、
社会基盤がどんどん弱くなっていく構図に無自覚でいるとしたら、
それはもう単なる「夢の共有」では済まされません。

**「自分さえ幸せならいい」**という価値観が、静かに広がっていくこと。
それを見過ごしてはいけないと、私は思います。

◆自分だけが幸せになればいい、という空気

発信には影響力があります。
それは希望を与えることもできるし、現実から目を背けさせてしまうこともある。

自由や豊かさ、理想の生き方を語ることは素敵です。
でも、それが他の誰かを置き去りにするものであってはいけないと思うのです。

◆平和を語りながら、分断を進めていないか

私は、「自分さえ幸せならいい」という価値観が静かに広がっていくことに、危機感を抱いています。

平和や豊かさをうたいながら、
実は格差を生み出し、社会の根っこを弱らせている構造に、
もっと多くの人が気づいてほしい。

「発信や自己実現をやめよう」と言いたいわけではありません。

ただ、それが誰かの“現実”や“必要な仕事”を見えなくさせていないか、
少し立ち止まって考えてみてほしいのです。

影響力には責任があります。
自由や豊かさを語るなら、その土台にある“支える仕事”への敬意や、
見えにくいところで働く人たちへの想像力を、忘れないでいたい。

◆幸せのかたちを、もう一度考えたい

夢を見ることも、自己実現も、豊かさを目指すことも大切。

でも、その過程で
「誰かが支えてくれていること」
「社会には“目立たないけれど必要な仕事”があること」
を見失ってはいけない。

◆自分と社会、どちらも豊かであるために

願いを叶えることがゴールじゃない。

誰かを見捨てず、分断を広げず、
自分と社会がちゃんとつながっていられるような、そんな生き方のほうが
ずっとあたたかくて、豊かなんじゃないかなって思うんです。

発信するのも、夢を見るのも、豊かさを求めるのも、全部自由です。

でも、「自分だけよければいい」が広がった先に、
本当の意味での平和や豊かさはないと思うのです。

だから私は、
夢を見ることと、足元を見つめることを両立させたい。
そう願って、こうして言葉にしています。

あなたはどう思いますか?

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