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🕊浦島真奈美の事件簿 第1章 第4話



第4話 思わぬ真実と事実

午後三時。
浜松南署の会議室は、静まり返っていた。
ホワイトボードには、現場の地図と遺留品の写真が貼られている。

浦島真奈美は、机の上に置かれた一枚の封筒を見つめた。
差出人不明。
現場近くのポストから投函されていたことが、鑑識の調べでわかった。

封筒には、短い文章が書かれた紙が入っていた。

「彼女は嘘をついている」

“彼女”とは誰なのか。
遺体の女性か。
通報者の妻か。
あるいは——全く別の人物か。

浦島は静かに息を吸った。


中村係長が、手元の資料をめくりながら言った。
「奥さんの足取り、洗い直したぞ。
 事件当日の朝五時半、自宅から外出してる。
 帰宅は七時二十五分。
 ……遺体発見が六時二十分。その間が空いてる」

「現場の近くに居た可能性……ありますね」

浦島が答えると、中村は肩をすくめた。
「通報者の靴底も気になるしな。夫婦ともに、何か隠してる匂いがする」

そのとき、ドアがノックされた。
若い刑事が、息を切らして入ってきた。

「浦島さん……これ、見てください」

差し出されたのは、街の防犯カメラから新たに見つかった映像だった。
画面の隅、歩道のガードレールの陰に、
“もう一人の女性”が写っている。

短い髪。
黒い上着。
歩幅が狭く、どこか怯えたような様子。

「この人、誰?」
浦島の声に、刑事がゆっくり首を振る。
「まだ特定できてません。でも、遺体発見の三分前です」

三分。

その“たった三分”が、大きな意味を持つ。
真奈美は、映像を何度も巻き戻して見た。
女性は一度、川の方向へ顔を向けていた。

(見たのか……? 何を)

胸の奥がざわついた。


夜。
署の駐車場に出ると、風が冷たかった。
ビルのガラスに映る街灯の光。
どこか現実の輪郭がぼやける瞬間だった。

「浦島」
後ろから中村が声をかける。

「通報者夫婦だけを追っても見えねぇぞ。
 もうひとり、いる。これはお前も薄々感じてるんだろ」

「……はい」

「事件ってのはな、真実の“手前”に、必ず誰かが立ってるんだよ。
 そいつをどかさない限り、本当の姿は見えない」

浦島は黙ってうなずいた。
その横を、夜風が通り抜けていく。

帰ろうとしたそのとき、彼女の携帯が震えた。
画面には“非通知”。

耳に当てると、かすれた声が聞こえた。

「見られています……気をつけて」

鼓動が早くなる。
通話は、そこで切れた。

浦島真奈美の“違和感”は、確信へと変わり始めていた。


※本作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
物語の中で描かれる警察活動や手順は、あくまで創作上の表現です。

©ChatGPT & 宇都宮幸宏


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