ゴールデンカムイ読者的新潟観光④~佐渡(後編)~夫婦岩に佐渡金山を添えて
この記事はこちらの記事の後編です。
1.ルート

新潟一日目に新発田と新津を観光済(別記事)。その夜に佐渡へ渡って宿泊し、二日目のまる一日観光したら、さらにもう一泊して三日目の朝に帰ります。この記事では佐渡の思い出の後半を綴ります。
2.タイムスケジュール
13:35頃 「宿根木」停でバスに乗車する。
15:00頃 「 佐和田バスステーション」停でバスを乗り換える。
15:30頃 「佐渡金山前」停で下車する。
15:30-17:30頃 【史跡・佐渡金山】
17:33頃 「佐渡金山前」停でバスに乗車する。
17:55頃 【夫婦岩】を車窓から眺める。
18:23頃 「佐和田バスステーション」停で下車する。
18:45頃 【あやめの桟橋】で海辺を歩く。
19:07頃 「河原田本町」停でバスに乗車する。
19:17頃 「真野新町」停で下車にホテルにチェックインする。
3.史跡・佐渡金山
明治29年(1896)、陸軍監獄。死刑の身となっている月島に、鶴見中尉(当時少尉)はこう伝えます。
「今年|佐渡鉱山《さどこうざん》を買い取った三菱の幹部が島に来た時えらく彼女を気に入って『ぜひ息子の嫁に』となったらしい」
佐渡鉱山とは、明治2年(1869)から官営となっていた佐渡金銀山のこと。明治29年に民間の三菱合資会社へ払い下げられた当時はそう呼ばれていたため、鶴見中尉もそう呼んでいるわけですね。払下げ後、佐渡金銀山は三菱さんによってずっと操業が続けられ、平成元年(1989)までは現役の鉱山でした(現在「史跡佐渡金山」を運営している㈱ゴールデン佐渡さんも三菱マテリアル㈱の完全子会社です)。だからなのかはわかりませんが……
バスを降りたら目の前にチケット売り場があって、そのすぐ隣がもう坑道。

なんという時間効率の良いアクセス……!
本当にいきなり坑道に入ってしまうので、心の準備をしたい方は時間があれば事前にガイダンス施設「きらりうむ佐渡」を見学しておくと良いかもしれません。私は弾丸観光ながらに宗太夫坑(約30分)と道遊坑(約40分)のどちらも(2坑道周遊コース)見学したかったので、ガイダンス的な内容は自分で予習しました。
①道遊坑・明治官営鉱山コース
道遊坑は明治32(1899)年に開削された機械掘りの坑道です。

公式から告知されているとおり、寒い!

「いご草」ちゃんこと「春見ちよ」さんが、「金子(仮)」さんになった後に掘られた坑道だと思うと感慨深い。見どころにはちゃんとパネルもあります。

けっこう奥まで進みます。もしも第79話みたいに坑道が塞がれてしまったら……と想像してちょっとドキドキ。


出口には機械工場があり、隠れミッキーならぬ「隠れ三菱を探せ」なコーナーがあります。


振り返ると先程その真下を確認した道遊の割戸の全景が見られます。江戸時代から「青柳の割戸」として知られていたそうなので、月島やいご草ちゃんが佐渡にいた頃からこの山はまっぷたつだったことになります。

ちょっと夫婦岩っぽさも感じます。

②宗太夫坑・江戸金山絵巻コース
江戸時代初期に開削された手掘りの坑道です。ゴールデンカムイ読者的にとってはちょっと時代が古すぎるのですが、ウォークスルー型アトラクションみたいで滅茶苦茶楽しかったです!

朝に見た佐渡歴史伝説館を思い出しました。


(手前の荷揚穿子さんの背中にモッコ背負い(第39話)の姿を重ねてしまう。)。


右のイカしたオッサンは本多髷という江戸で流行りのヘアスタイル。




このおじさんは無宿人と呼ばれる人で、故郷を捨てて捕らえられ佐渡金山に移送された人です。自分は罪人ではないのにと嘆いていました。



キツそうな作業をしてるのに、こなれた体勢と不敵な笑顔から余裕が感じられました。

③資料館
資料館では、採鉱された金鉱石が如何にして小判になるかがジオラマ形式で紹介されていました。


覗いちゃいけない部屋まで覗ける👀
途中からはゴールデンカムイに登場した砂金採りみたいな工程になります。

屋根が宿根木と同じ石置屋根ですね。


気の遠くなるような作業の繰り返しの末に精製された本物の金も展示されていました。


佐渡金山でも桶がピックアップされていて、宿根木とのつながりを感じました。今でこそ新潟県のほんの一部みたいになっていますが、江戸時代には佐渡島は島ひとつで佐渡国という一国だったんですよね。


(月島と杉元的な意味で)。
本物の金に触れて満足したら、売店でお土産を買ってカフェで一服し、「佐渡金山前」停から七浦海岸線に乗って「夫婦岩前」方面へ参ります。

4.夫婦岩
島の西端にある七浦海岸は佐渡の夕日の名所。この日は夏至が近く、夫婦岩に沈む夕日を見るなら絶好の日取りでした。
だったのですが……。

あいにくの曇り空。梅雨なのでしょうがない。本当は夕日が綺麗に見られそうならここは相川からタクシー利用かなと考えていました。
切り替えてバスの車窓から海岸線を眺めて夫婦岩を探します。


爆速通過でした(でも一目見られてよかった)……🥹
本当はここは昔ながらの塩工房があったり、ゴールデンカムイ読者に優しいお土産屋さんがあったり、通過するだけなんてもったいない場所なんですよね。ですがどちらも既に営業時間外。夫婦岩に来るなら午前中が良さそうだよなあと心のなかで再訪を誓いました。


5.あやめの桟橋
最後に佐和田海岸のあやめの桟橋付近をぶらぶらして浜辺に押し寄せる佐渡の波を感じて旅を終わりました。



6.まとめ
宿根木から夫婦岩って遠いんですよ。
【妄想】月島基の長い一日(※読まなくていいです)
故郷の何もかもが嫌になったある日の朝、月島は村を飛び出すんですよ。宿根木を飛び出した月島は仕事や学校で通い慣れた小木方面へ走り出すんですけれども、そこにもいい思い出がないのに気づいて踵を返し逆に未知の真野方面へ走るんですよ。そのうちに沖から船の汽笛が響いてきてひらめくんです。そうだ、相川で鉱山夫になろうと。故郷を捨てた無宿人たちも大勢いると聞いていて、稼げるだけ稼いでこの島からおさらばしてやろうと。輝かしい船出を夢想した瞬間に足が滑り、月島は地面へ体を強かに打ちつけるんですよ。
「クソッ……!」
下駄の鼻緒は切れ、喉には鼻血が流れ込み、がむしゃらに走ってきた反動で息は荒く、背中を揺らしながら地面に血反吐を吐いていると、都合のいい幻覚みたいな再会があるんですよ。
「基ちゃん? 基ちゃんだっちゃね?」
いご草ちゃん一家は既に村を出ていたんです。村には仕事がなくなってしまったからという口実で。いご草ちゃんは家業の手伝いに出かけていたところだったらしく、桶でしめらせた手ぬぐいで月島の顔を拭ってくれます。思わぬ再会に嬉しさを隠しきれないその様子に月島は愛しさが込み上げてきます。月島が下駄を直し終わってしまうと、いご草ちゃんの笑顔はどこか寂しげなものに変わりました。月島は察するのです。彼女はここでもやはりひとりなのだと。立ち上がった月島はいご草ちゃんに問いかけます。一緒に来ないかと。差し出されたその手をいご草ちゃんが取らない理由はひとつもありませんでした。
二人は知らない海岸線を北上します。高い太陽の光を反射して力強くキラキラと輝く水面は故郷のものよりも美しく感じられます。道中いくつかの出会いと別れがあり、二人は自分たちの行く末に希望を抱いたり、その儘ならさに無言になったりします。そのうちに日が傾いてきて、お腹もぺこぺこになって、身も心も力尽きかけたとき、海岸で塩づくりをしている職人さんが声をかけてくれるんです。
「おめさんら、夫婦岩みてーだっちゃな」
ピンと来ていないふたりの様子に、指をさして教えてくれるんです。
「仲良う寄り添うとるけん、夫婦岩ー呼ばれとるっちゃ」
夫婦岩の前にいご草ちゃんと二人で佇んで月島は思うんです。そうなれたらどんなにいいだろうと。でも今日出会った人たちを様々に思い出し、悟るんです。今はまだその時ではないと。いご草ちゃんは気づいていませんが月島は知っていました。ご両親の転居は娘を悪童から遠ざけるためでもあったのだと。夫婦岩へ沈んでいく夕日は赤く、やがて暗闇が訪れてしまったら、それをどう照らせばよいかも月島にはまだわかりません。
そんな思い出の地で月島は求婚し、いご草ちゃんはそれを受け入れました。でも日清戦争の間、手伝いの隙をついてたびたび夫婦岩まで足を伸ばすようになってしまったいご草ちゃんの姿が、相川に視察に来ていた三菱の幹部の目に留まることになってしまうんですね。
脳内をそんなストーリーが駆け巡る旅でした。


近いうちに必ず再訪します!!
