下巻が読みたい。あと原作も。
家から車で40分。まぜそばを食べに行く。
帰り、その近くの本屋さんに立ち寄った。
その本屋さんの名前は、別所書店。
仕事中、車を運転していると「別所書店」と書かれた電柱広告を発見した。いまどき、広告を出せる規模の本屋さんがどれほどあるだろうか。
私が住むような地方の町には、大きな本屋さんはもうほとんど無い。今ある少し大きな本屋さんですら書籍コーナーは段々と縮小し、ガチャガチャ、文房具、雑貨、テーブルゲームなどのコーナーが益々勢力を拡大している。本だけとは言わないまでも、本とCDだけでワンフロアーを埋め尽くすような本屋さんは近所にはもう無い。
そんな中での「別所書店」の電柱広告。
きっとここは大きな本屋さんに違いない。期待に胸を膨らませた。
駐車場に車を止める。何台か他の車が既に止まっていた。それなりに人気みたいだ。店舗は白を基調としたレゴでも作れそうな直方体のシンプルな外観に、水色のラインが入ったデザイン。おそらく水色というよりも元の青色が経年劣化した薄青色。ラインの右上には、パワポならアニメーション機能で今にもバウンドしそうな「別所書店」の文字。私の期待を表しているようだ。
いよいよ中に入ると、LEDではない蛍光灯(確かではない)、人はいるのに静かな店内、そして見渡す限りの本、本、本…。ガチャガチャも文房具も無い、ワンフロアーを本で埋め尽くす空間がそこにはあった。
これだよ!これ!これが大きな本屋さんだよ!
何故だか平成に戻ったような懐かしい感覚であった。
ひと通り店内を見て歩く。雑誌や自己啓発本、出版社別での文庫本、ジャンル別での単行本など、王道のレイアウト。逞しい。
ただ、この別所書店には真の実力がまだある。
2階もあるのだ!
都会では丸善、TSUTAYA、紀伊國屋など当たり前のことかもしれない。しかし、何度も言うが地方には大きな本屋さんがもう無い。2階のある本屋さんなんて貴重この上ないのだ!
階段を登り、2階へ向かう。
そこには漫画、CD、児童書が立ち並ぶ。ここへ来てのCDという遊びもかましてくる度量。恐れ多いよ、別所書店。恐れ多くも先の副将軍だよ。
チラリと印籠をかましつつ、2階のさらに奥に向かう。そこには別所書店の真の真の実力がまだあった。それは専門書だ。ニッチな内容の専門書がたくさん鎮座していたのだ。ここでどんな専門書があったか例のひとつでも挙げられれば、より深みもあるっていうものだが全く覚えていない。とにかくそこそこ難しそうな専門書がたくさんあるのだ。私の学力では到底分からないので、気になる賢いあなたはまた別所書店へお立寄りの上、確認してみてください。
2階を含めCDという遊びもありながらも、さすがに本だけにしては広すぎる延床面積。ワンフロアーを本で埋め尽くす本屋さんを期待していたが、さすがにやり過ぎだよ。別所書店。
今回特に本を買うつもりもなく、下見するだけの予定であったが、とある一冊の漫画を買った。
梨木香歩原作、近藤ようこ漫画『家守綺譚(上)』
1階の「ジャンル分けしにくい漫画のコーナー」みたいなニュアンスの名前のコーナーにあった。そこには「速読したくない、ゆっくり読みたい漫画です。原作を読んだことがある人もない人も、原作と交互に読みたくなるループに入ってしまいます」(これもニュアンス)と書かれたポップが置かれていた。これがなんか妙に引っかかった。ポストカード風のおまけも付いていた為、ビニールで封がされており立ち読みはできない。でもなんか気になる。正直安い値段ではないので中身を知らずに買うのは躊躇した。しかも上下巻。
ただ、せっかく別所書店に来たのだ。
いってまえ!!
とりあえず上巻のみ購入。(臆病)
…そして、読後のいま。

今回のnoteに続くというわけだ。
まんまと別所書店の術中にはまっている。
きっと近いうちに再び40分かけて行くだろう。恐ろしきかな、別所書店。
おわり
p.s.
『家守綺譚』についてはまた読み終えたら。
