【ASDの子を育てる親御さんへ】自閉症の当事者から伝えたい「最初にすべきこと」

そして何より、親自身が育児ノイローゼと精神疾患、さらには知的障がいを抱えていたという現実があります。
誰も悪くなかった。
でも、誰も助けられなかった。

そんな中で、私はなんとか今、働けています。ですが、それは「たまたま」運が重なった結果であって、放っておけば社会からはじかれる危険もあったと、今でも感じています。



■ ASDは「子ども本人」だけの問題ではない

お子さんに発達障がいの診断が出ると、多くの親御さんは「何をしたらいいのかわからない」と混乱すると思います。

まず、言わせてください。
何か悪いことをしたわけではありません。

ASDは先天的な脳の特性であり、育て方や環境のせいではありません。そして、これは多くの場合遺伝的な要素も関係しています。つまり、「お子さんを支える側の大人自身」も実は特性を持っている可能性があります。

これは責めるべきことではなく、気づいて、備えることが大切なのです。



■ ご両親にまずしてほしいこと

診断を受けて、すぐに療育を調べたり、学校や支援機関に相談することも大切ですが、私から一番強く伝えたいことがあります。

それは、

「親御さん自身がいなくなった後の備え」を今すぐ始めてほしい

ということです。

親は永遠ではありません。
しかし、ASDの特性を持った子どもは、「ひとりで生活する力」を身につけるまでに多くの時間と支援が必要です。
だからこそ、経済的な備えが重要になります。

たとえば――
• 生命保険を2重3重にかけておく
• 子どもが将来困らないよう、信託や後見制度の情報を集める
• 親亡き後の「住まい」「収入源」「人とのつながり」の選択肢をリストアップする

この3つを、できる限り早いうちに準備しておいてほしいのです。



■ 私自身は、働けている。でも、それは奇跡かもしれない

私は、今こうして働きながら、文章を書いたり、AIを使った発信をしています。ですが、ここに至るまでには15年以上の空白がありました。うつ病になり、社会との接点を断ち、住む場所すら危うい時期もありました。

それでも、ほんのわずかに残っていた希望の糸を、自分で結び直しながら生きてきたのです。

だからこそ、声を大にして言いたい。
あなたのお子さんの未来は、今のあなたの備えで変わります。



■ 最後に:あなたの子どもは「あなたの責任」だけではない

社会はまだ完璧ではありません。
ASDに対する誤解や偏見は根強いです。
でも、少しずつ仕組みは整ってきています。支援制度、理解ある学校、柔軟な働き方。昔より選べる道は確実に増えています。

だからこそ、今できる一歩を。
親亡き後の支援を、親が元気なうちに整えること。
それは、愛情の延長線にある、もうひとつの「育てる」という行為です。



どうか、お子さんとあなた自身の未来が、安心できるものになりますように。

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