やりきれない連載
かわいいからやりたい。
かっこいいからやりたい。
みたいな、体裁のために行動しようとすることが昔から多い。そしてやめることが多い。
例えをあげよう
最近知ったお酒の名前、きっちょむ。
かわいすぎるやろ。きっちょむっていう女の子かわいすぎるやろ。と思って吉四六を頼みたくなった(漢字いかちいので書き物にはおすすめしない。)が、
店員さん「次何飲まれますか?」
うしお「(きっちょむ一丁!と言おうとして、元上がり症が再発してしまい)きっちょむいっちょむ!」
と噛んでいる自分まで想像できて、気持ち悪くなってやめた。きっしょむである。
博多弁なんかは本当にずるい。すいとーよ。かわいい。すいとんもかわいいもんな。
「すいとん、すいとーよ」
いや繰り返すのはしつこいか。塩梅が大事。
いやはや、習得したい。そいで「あちき、福岡と東京のハーフです」と言えばハーフと名乗れることにもなるな。なにそれめっちゃいいじゃん。
図書館で本格的に勉強しようと企てていたら、友達に「天然の方言だから可愛いのであってエセは意味ないよ。」と言われてやめた。別にいいじゃん。元江戸川区民がすいとーよ!きゃっ!と言ってもいいでしょう別に。天然のいくらじゃなくたって美味しそうに食べるじゃんみんな。養殖だって口にしたら一緒じゃんぷちぷちしてんならいいじゃん。と、ぷちぷち言ってみる。
強い女に憧れた。
「好きです鈴木くん!!」という少女漫画にハマっていた頃、セリフを一部完コピしたのだが、そこに出てくる女の子が剣道をこなしていて強くてカッコよくって悪い男どもを蹴散らしていたシーンを見てしまってからは、「てめぇら全員お縄につけぇ!」みたいな、その漫画の中のセリフを家で一生言っていた。当時、家族はどう思っていただろうか。怖くて表情が思い出せない。忘れたい記憶。
それと同様の流れで空手をやっていたこともあった。強くなりたかった。しかし実践というか、試合に出されることになって即やめた。だって痛いから。痛いの大嫌い。大会の練習のためか、同じ道場の女の子と戦わされたのだけど仲良いのに本気でお腹殴られて意味わからなかった。痛いし殴らないでもらえる?と思った。わたしは人のこと殴れないし殴られたくないし痛いのヤダ怖いなんでお金払って殴られにいくんだろやーめた。となった。あの友達のギラついた目が本当に怖かった。お願い殺さないで!って本能的に思っちゃうレベル。
習い事でいうなら、そろばんも。
えなんか空中で計算できんの?暗算すっげ!素早い動きカッケェ。指フォー!ってなってる指レイザーラモンじゃんレーザーでそうじゃん!いっけーーーーーー!!!
嘘つきまくって辞めさせられた。
めっちゃ嘘ついて休んだ。弾く音は好きだけど、段を上げるための試験中に思ってしまった。何弾いてんねん我。って。そろばんのソロって、1人って意味だったと思う。自分自身と向き合うってこと。幼いときに自分と向き合った結果、別に指レイザーラモンじゃなくてもいいな、となりました。
先日は意味もなくコーナンでとぼとぼ歩いてたら、かんわいい名前を発見。がじゅまる。ポケモンみたいな植物。隣の丸いサボテンのほうがその名前似合うやん、と思った。が、名前がかわいいので見入る。
うちにがじゅまる、いるよ。と言う自分を想像して、誰か連れ込めそうだしモテそう。と思う。手を伸ばして購入しようとしたが、デジャビュを感じてやっぱりやめる。昔もこういうことがあった。
うぱるぱ飼ってるよ、まりももいるよ、と言いたくて飼おうと思ったことがある。でもよく考えるまでもなく断念。そう、わたしは自分のお世話で精一杯。生き物なんて飼えるけえ。生きてるだけで偉い。今日もよく生きた。こうやって甘やかして育った子が仮病を使ったり、ありとあらゆる細工を施してズル休みをする。ずるに命をかける。そう、わたしです。
そもそもやりたい!と思うからやーめた!が発生してしまうのだ。期待からの失望。そんなもの、わたしの空手で培った回し蹴りで成敗してくれるわ!
何年振りの渾身の技は一周回って空振り。
バランスを崩して、壁に足の小指をぶつける。
「ドゥワッ!!ハッ!!」
かっこよくない技とかわいくない悲鳴。
息切れ、意気消沈。
痛いよう。小指を撫でるが、指レイザーラモンは不在。博多弁も不在。博多弁で「痛い!」って「あいたー!」って言うらしい。かわい。今知った。悔しい。やりきれないものばかりだった24年にやりきれない思い。かっこよくもかわいくもなれず終了。
なーんて、こんなところで終われるわけがないだろい。まりもの冒険はまだまだ続く!
(終)
打ち切りになりました。
