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麦わらの一味も祈願する車折神社とその周辺は、珍しい歴史の宝庫:LUMIX G1とLUMIX G VARIO 14-42mm

京都・嵐山の喧騒から少し外れた場所にある「嵯峨野」。
子どもの頃に住んでいたこの地、当時は当たり前のこと過ぎて疑問に思わなかったことを敢えて調べてみたら、珍しい歴史の宝庫でした。
今回はその珍スポット3つを紹介します。

お詫びから名付けられた「車折神社」

今や赤々と連なる玉垣に名だたるアイドルや俳優の名が並ぶ、もはや説明も不要の「芸能の聖地、車折神社」
子どもの頃は遊び場として馴染み深いこの神社、参拝に来られた時代劇俳優さんを度々見かけていましたから、疑いもなく「芸能の神様」と今の今まで思っていました。ところがここ、元はお墓で「学問の神様」から「商売繁盛の神様」という遍歴の持ち主でした。
そもそもこの神社の創始からして面白い。鎌倉時代、後嵯峨天皇が乗った牛車の引き棒が、このお社の前で大きな音を立てて折れてしまったのだ。高貴な牛車が突然立ち往生する中、慌てた伴の者が調べると、そこは平安時代の儒学者・太政官の大外記(だいげき)清原頼業公の廟所「桜の宮」でした。
「学問の神様の前を乗り物に乗ったまま素通りしようとしたからだ」と平謝りした後嵯峨天皇が、お詫びに「車折大明神」の神名を贈ったという。
後嵯峨天皇が車を降りて祠に一礼されると車が動き出したとか、頼業の廟所を通りがかったのは亀山天皇であったとする伝えもあります。

本殿正面
願い石(子どもの頃は、石に願いを込めて鳥居の上に乗せると聞いた覚えが…)
本殿全景

車折神社には色々なお社がありますが、その中でも珍しいのが「清少納言社」。 清少納言の正体は明らかになっていませんが、本名が「清原諾子」という説から、清原頼業公の同族とされ、ゆかりのあるこの地に祠を建て、お祀りされています。

清少納言をお祀りする神社は日本でここだけと言われています

しかし、この神社が面白いのは、そんな神様をも凌駕する「人間のしたたかさ」です。
江戸時代、大坂の商人たちはこの頼業公の「よりなり」という名前に目をつけて、「よりなり…ヨリナリ…。あッ、お金が寄り(より)付き、商売が成り(なり)立つ!」
ただの駄洒落。だが、商魂たくましい彼らはこの強引な語呂合わせを大真面目に信じ込み「商売繁盛の神様」として仕立て上げてしまった。
それが今でも続くとは、学問の神様もまさか自分の名前がそんな風にハックされるとは思わなかったに違いない。

そして明治時代、この神社が廃れるピンチを救ったのは、近代日本画の巨匠・富岡鉄斎。「頼業公の社が荒れ果てているのは耐えん!」 そう憤った鉄斎は、なんと自ら宮司に就任。自分の絵を売りまくってその資金をすべて神社の再建につぎ込んだ、芸術家らしい極端な救い方でした。

鉄斎筆の本殿扁額
鉄斎筆の裏参道入口社号標

そして昭和の高度成長期。京都は日本のハリウッドとして、映画制作のメッカとして盛り上がる最中、太秦の東映撮影所や松竹撮影所の関係者からの厚い信仰が集まり、日本で指折りの「芸能神社」として有名に。
最近はメディアやSNSで露出も増え、年々煌びやかに。
昭和の素朴な姿とはかけ離れてしまいましたけど、思い出深いこの神社には、毎年必ず参拝に行くようにしています。

芸能神社とされる前は小さな社だったと聞いた気が
猿田彦命がどこにも祀られてないのが気になるところ
年々増える玉垣には圧倒

悔しい思い出の犯人はお前だったのか⁉︎「安堵の塔」

車折神社から北に離れたところ、新丸太町通南の有栖川沿いに、ひっそりと埋もれるように「安堵の塔(ルルゲさん)」という小さな石碑があります。

たぶん昔は放置状態だったのかも、全く知りませんでした

小学3年生まで近所に住んでいたのに全く気づかなかったこの石碑。
今回、偶然発見していわれを調べると…。

鎌倉時代後期。日蓮聖人の孫弟子である龍華樹院 日像上人(りゅうげじゅいん にちぞうしょうにん)は、車折神社の社頭で熱心に法華経を説いていた。しかし当時、新しい教えを説く彼は、他宗徒から激しい弾圧を受けることになる。
ある日、襲撃を受け絶体絶命の危機に陥った日像上人は、近くにあった甲塚(兜塚)古墳へと必死に逃げ込み、その石室の中に身を隠した。息を殺し、追手の足音が遠ざかるのを待つ時間。奇跡的に難を逃れ、九死に一生を得た上人は、神仏の加護に深く感謝した。そして、その古墳の大きな石蓋に「南無妙法蓮華経」というお題目を力強く刻み込んだのだ。
このお題目石は「安堵の塔」と呼ばれ、災難を避けるご利益があるとして今も大切に祀られている。
地元の人々は、日像上人の院号である「龍華」に親しみを込めて、いつしかこの題目石や上人のことを「りゅうげ」が訛り「ルルゲさん」と呼び始めた。

なんてことはない記念碑的なものなのですが、引っかかったのは、甲塚古墳の蓋ということです。
私の小学生当時にスーパーボールが流行り、なけなしのお小遣いで買ったスーパーボールで大きなバウンドをさせながら、キャッチボール的な遊びをするのですが、跳ねすぎてキャッチし損ねると、ボールは甲塚古墳の蓋のない横穴に吸い込まれるという経験を…何度も何度も…。
私有地で鉄柵がある古墳の横穴には入ることもできず…穴の奥からちらりと見える蛍光色のスーパーボールをどれだけ悔しい思いで見つめたものか…。
古墳の近くで遊ばなきゃいいんですけど、そこは子ども、ボールを無くすスリルも味わっていたんでしょうけど笑
横穴の蓋を持って行ったのは「龍華樹院、お前か!」と、悔しい記憶の犯人が判明して、スッキリした気分で次の地に向かいます。

お菓子屋のように思ってた「油掛地蔵尊」

子どもの頃よりは色白になったお地蔵さん

ルルゲさんのいる有栖川に沿って西に進むと、住宅のようなお堂に突き当たります。そこに、ひっそりと祀られているのが、油でツヤツヤと光る「嵯峨油掛地蔵」
ここは昔、本当に賑やかで、地蔵様の前にあるベンチは老人の集いの場所でした。集まる老人から、お参りするとご褒美で貰える、お菓子目当てで何度も通い詰めました。通い詰めるほどに信心深い子と思われ、お菓子のグレードもどんどんアップ!
ここで高級菓子の味を覚えたと言っても過言じゃありません笑

下に溜まっている油をすくって地蔵様に掛けます

ところがこのお地蔵「地蔵尊」ではなかった事実に、今さら驚愕!
御詠歌の額に記される「大日如来」かといえばそれも間違いで…。

お堂の額に「油掛 大日如来/地蔵尊 御詠歌」として「あさひさす日の出かがやく油かけ ただひとすじにたのめこそすれ」と掲げられている。明らかに大日如来を意識した御詠歌と言えよう。少なくとも三百年以上前から油が掛けられ、今見える御姿になる前は油でコテコテのムックリした油の塊で、外見だけではお地蔵様とは見えにくく、庶民の間では大日如来様かと思われていたようである。御詠歌が作られた時も、結局恐れ多いと両方を祀って大日如来/地蔵尊としたのであろう。
…ところがである。昭和53年8月22日に好井密雄堂主・佐野精一氏・小吹和男氏・地蔵奉賛会世話役の方々による石仏の油落しが行われた結果、総高170cm、幅84cm、厚さ40cmの花崗岩製肉厚彫り、頭光背の線刻の内側に種字「サ」の「観音」と「サク」の「勢至」が彫られご本尊は阿弥陀如来坐像、身光背の線刻の外側と框の間、向かって右に「延慶3年(1310)庚戌12月8日」左に「願主 平重行」と判明したのである。(調査の経緯詳細は「京の石仏」を参照されたい)京都で鎌倉銘の石仏はこれまで2体しかなく、何れも重要文化財・重要美術品に指定されており、この油掛の石仏も重文級の価値があるものである。
これまでの2体は次の通り
①弘安元年(1278年)銘 善導寺 三尊石仏 (重要美術品)
②元仁2年(1225年)銘 石像寺 弥陀三尊石仏(重要文化財)

油と地蔵信仰 その3 嵯峨の油掛地蔵 https://www.yoil.co.jp/column/446.php

当時は、お菓子をくれる老人から普通に「お地蔵さん」としか聞いていませんでしたけど笑
皆様の身近にも敢えて調べると、とんでもない事実が出てくる場所があるのでしょうね。


■使用した機材
 Panasonic LUMIX G1
 LUMIX G VARIO 14-42mm

2008年に登場した世界初のミラーレス機で、いろいろなオールドレンズが使いたくて買った、自分にとっても初ミラーレス機。
動画も撮れない写真専用機というシンプルスペックが幸いしてか、使い始めてから15年余り、一度も壊れたことのない優等生です。
持病の塗装ベタベタ病の発症は例に漏れず、重曹で印字が落ちるまで拭き倒してしまったので、今では記憶と勘を頼りに操作しなければならないのですが、他に持っている後継機までボタンの割り当てが変わらず、操作にそれほど苦労をしないのはパナの良いところだと思います。
イメージセンサーの小さいM4/3は写りが悪いと言われがちですが、私的には十分満足で、ミラーレスはM4/3、APS-Cはペンタックスという体制で続けています。
レンズは2代目のキットレンズです。これも写りの評判はあまりよろしくないモデルですが、初代よりも軽く、M4/3の小型・軽量というメリットを引き出してくれて重宝しています。
不満点は、G1でのMF時、EVFでもモニターでもピントの山が全くと言っていいほど掴めないことです。拡大して見れますが、そんなウザったいことはやってられず。専らAF機となり、当初目的のオールドレンズ使用機とはなりませんでした。

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