人生を豊かにする「もっとも希少な資源」
経営学者ピーター・ドラッカーが「最も希少な資源は時間」と喝破したように、多くの人にとって一番大事なのは自分自身の時間をどう使うか、それによって人生を豊かで幸せなものにできるかだろう。カネを他者に託して金銭的リターンを得ることは、投資のほんの一側面でしかない。
NISA(少額投資非課税制度)の普及で投資のすそ野が広がっているが、そもそも、原義までさかのぼって考えれば、この世に生まれ落ちたすべての人は投資家なのだ。
投資は胡散臭いものという根強い偏見により、日本には投資家マインドや投資文化が根付いてこなかった。その嫌悪感が資産形成の狭い世界にとどまっていたなら弊害は少ないかもしれない。
だが、私には、投資家的思考の欠如は長年、日本の社会の弱点になってきたのではという思いが強い。
限られた資源をどう配分するか。リスクをどうとらえるか。時間という要素をどう管理するか。不確かな世界のなかで、誰を信頼して、何を託すのか。こうした問いに正面から向き合うのを避け、問題を先送りしてきたツケが、今の閉塞感の強い社会を形作っている。
新しいことを始めるのに、遅すぎることはない。今からでも、投資家のマインドをもって人生に臨むことはできる。本来、人間はすべて生まれながらにして投資家なのだから。
