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崩壊へのカウントダウン

人は、なぜ過ちを繰り返すのだろう。

「ごめんね。」

口からは謝罪の言葉が出てくる。

でも、しばらく時間が経つと、また同じことを繰り返す。

うっかりでもない。
つい、でもない。
忘れていた、でもない。

結果として、それは「重要」ではなかったのだ。

彼にとって、一番忘れてはいけないこと。
何よりも優先すべきこと。

それが、本当の意味では重要事項になっていなかった。

謝れば許してもらえる。

どこかで、そんな認識がある。

だから、その先にある崩壊へのカウントダウンが見えていない。

一度失った信頼は、そう簡単には戻らない。

人は一度裏切られると、その出来事を脳裏に刻み込む。

「またか……。」

先にやって来るのは悲しみではない。

苦い味だ。

けれど、その苦い味にも、いつしか慣れてしまう。

慣れは恐ろしい。

苦さの中に、わずかな甘味さえ感じるようになることがある。

繰り返されるうちに、人は麻痺してしまう。

本当はやめたい。
この状況から抜け出したい。

それなのに、麻痺した感覚には中毒性がある。

離れたいのに離れられない。

だから、また許してしまう。

でも、人には限界がある。

いつか必ず、その日は来る。

相手を壊すか。

自分が壊れるか。

どちらも選べないから。

最後に選ぶのは、

別れという名の崩壊。

それが、その時の最善だから。

それしか、お互いが生きていく道は残されていないから。

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