嫉妬は無くならない
私は現在40代で3人の子持ち。
結婚して、出産を繰り返し、
今では典型的なおばさん体型の
ごく普通のお母さんだ。
こんな私でも、
妊娠するまでの容姿は
自分史上完璧だった。
引く手あまたで、
どんな男でも落とせる。
不可能なんて無い。
本気でそう思えるくらいの世界だった。
それでも私は、
姉に嫉妬していた。
姉は私より3つ上。
顔立ちはハーフのように整い、
髪はシルクのような手触り。
体型も私より細かった。
私は昔から活発で、
少しでも太るとジムに通った。
職場から2時間かけて歩いて帰ることもあった。
とにかく体型維持に必死だった。
一方の姉は、
運動が苦手でほとんど動かない。
それなのに病的なほど細い。
肋骨が浮き出るほどだった。
私は昔から食べることが大好きで、
油断すると太る体質だった。
姉は逆に食に興味がない。
生きるために最低限食べるだけ。
だからずっと痩せていた。
そんな姉は、
小さい頃から私を
「ぶぅちゃん」
と呼んでいた。
私はその呼び方が大嫌いだった。
心の底から腹が立った。
何度も殺意が芽生えるほどに。
私が反応しなかったからだろうか。
傷ついていないと思っていたのだろうか。
姉は大人になっても呼び続けた。
だからだろうか。
そんな姉に、
「また痩せちゃった」
「これ、お姉ちゃんには大きいんだよね」
そんなことを言われるたびに、
自己肯定感がどんどん削られていった。
努力しても。
努力しても。
姉の容姿には勝てない。
比較されるたびに、
嫉妬心は消えなかった。
今なら分かる。
私は姉になりたかったわけじゃない。
姉より幸せになりたかったわけでもない。
ただ、
「私の方が頑張っているのに」
その気持ちが苦しかったのだ。
ジムに通った。
歩いた。
体型維持を頑張った。
食べたいものも我慢した。
なのに、
何もしない姉の方が細い。
だから腹が立った。
昔の私は思っていた。
もっと痩せれば。
もっと綺麗になれば。
もっとモテれば。
嫉妬なんて無くなるのだと。
でも違った。
私は自分史上最高の容姿を手に入れても、
嫉妬した。
姉より細くなっても。
姉よりモテても。
嫉妬だけは消えなかった。
なぜなら嫉妬は、
容姿の問題ではないからだ。
比較の問題だからだ。
人は自分より下を見て安心し、
上を見て落ち込む。
そして不思議なことに、
どこまで行っても
必ず自分より上がいる。
だから嫉妬は無くならない。
美人になれば無くなるわけでもない。
お金持ちになれば無くなるわけでもない。
成功すれば無くなるわけでもない。
嫉妬は無くならない。
たぶん一生無くならない。
容姿が変わっても。
年齢を重ねても。
お金を手に入れても。
人は誰かと比べて生きている。
だから嫉妬は、
克服するものではなく、
付き合っていくものなのかもしれない。
私が嫉妬しなくなったのは、
嫉妬が消えたからではない。
嫉妬している自分を、
人間らしいと思えるようになったからだ。
