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ホルムズ海峡が止まった世界ー市場はまだ楽観している

2026年3/7の記事

世界のエネルギー動脈とも言われる ホルムズ海峡
ここが本当に封鎖され、原油が届かない状況になったとしたら――。

ニュースではしばしば「最悪のシナリオ」として語られてきたが、もしそれが現実になれば、単なるエネルギー問題では終わらない。世界経済の構造そのものを揺さぶる出来事になる。

そして興味深いのは、封鎖から1週間が経過したとしても、金融市場はまだどこか楽観的に見えることだ。

まずアメリカはどう動くのか

この問題を考えるとき、最初に見るべきはアメリカの動きだ。

トランプ は、3/3イランへの攻撃に関し、①イランのミサイル能力の破壊、②海軍の殲滅(せんめつ)、③核兵器保有をさせないこと、そして④政権によるテロ組織支援を止めることを目標としていることを発言している。

彼は、この目標に向けて動き続けるであろう。しかしながら、トランプは、同時に原油価格とそれが米国に与える影響、具体的には、インフレ、米国の株式市場を見ているはずだ。

原油価格が急騰すれば、アメリカ国内のガソリン価格は跳ね上がる。
ガソリン価格はアメリカの有権者にとって「最もわかりやすいインフレ指標」だ。

つまり、ホルムズ海峡封鎖はそのまま政治問題になる。

このためアメリカが取り得る行動は大きく3つある。

  1. 海軍による海峡の安全確保

  2. 軍事的圧力による封鎖解除

  3. 停戦交渉

特に海軍力という点では、アメリカは世界でも突出している。
軍事的に海峡の安全確保を試みる可能性は非常に高い。

しかし問題はここからだ。

戦争は、必ずしも計画通りに終わらない。


泥沼化という最も厄介なシナリオ

仮にアメリカが海峡の安全確保に乗り出したとしても、相手がいる以上、事態が短期間で終わる保証はない。

ミサイル攻撃
機雷
ドローン
代理勢力

中東の紛争は、こうした「非対称戦争」によって長期化する傾向がある。

つまり、
「封鎖解除のための軍事行動 → 事態の拡大 → 長期化」
という泥沼のシナリオも十分あり得る。

市場が最も嫌うのは、この「出口が見えない状態」だ。


真っ先に崩れるのはアジア

では、原油が止まったとき、どこが最も弱いのか。

それはヨーロッパでもアメリカでもない。
アジアだ。

もちろん日本や中国は一定量の国家備蓄を持っている。
だが問題は、インドと東南アジアである。

近年、世界の製造業はこの地域に急速に移転している。

インド
ベトナム
タイ
インドネシア

しかし、これらの国々の原油備蓄は決して多くない。

もし原油供給が止まれば、何が起きるか。

まず工場が止まる。
そして次に起きるのは、電力不足だ。

電力が不足すれば、問題は一気に社会へ広がる。

  • 交通の混乱

  • 冷蔵設備の停止

  • 水処理施設の問題

  • 医療インフラの低下

その結果として、

社会不安
衛生問題
犯罪増加

こうした現象が連鎖的に起きる可能性がある。

エネルギー問題は、社会問題に変わるのだ。


株式市場で脆弱な地域

この構造を踏まえると、株式市場で最も影響を受けやすい地域も見えてくる。

  • 日本株

  • 中国株

  • インド株

  • 東南アジア株

これらは、エネルギー輸入依存度が高い経済圏だ。

特に製造業比率が高い国ほど、原油供給の停止はダイレクトに効いてくる。

逆に言えば、比較的耐性があるのは

  • アメリカ

  • 一部の資源国

という構図になる。


それでも市場はまだ楽観している

封鎖から1週間。

もしこの状況が続いているとしたら、金融市場の多くはおそらくこう考えている。

「そのうち解除されるだろう」

市場は常に
最も都合の良い未来を織り込みたがる。

しかし歴史を振り返ると、大きな危機はいつも同じ形で始まる。

最初は誰も深刻に考えていない。

問題が長引くにつれて、
「これは思ったより大きい」
と認識が変わる。

そしてその瞬間、市場の価格は一気に動く。


長期投資家が見るべきもの

短期的な株価は読めない。

しかし、長期投資家が見るべきものは、
世界の構造的な弱点だ。

エネルギー
地政学
物流

ホルムズ海峡封鎖という極端なシナリオは、普段は見えないこれらの脆弱性を一気に浮かび上がらせる。

市場がまだ楽観しているときこそ、
本当のリスクは静かに膨らんでいるのかもしれない。

今頭の体操をしておきたいこと

ここで一つ思い出しておきたい出来事がある。

昨年4月、トランプ が関税政策を打ち出した際、市場は大きく動揺した。
結果として S&P 500 は約20%下落し、日本の 日経平均株価 もほぼ同じ水準の下落を経験している。

それまでは政策は撤回されなかった。

つまり、ここから言えることは一つだ。
市場が20%近く下落する局面までは、政策目的がある限りは一定期間耐える可能性がある。

もし ホルムズ海峡 をめぐる緊張が長引く場合、株式市場が下落したからといって、すぐに状況が改善するとは限らない。

むしろ、
市場が思っているよりも長く続く。

そうしたシナリオも十分に考えておく必要があるだろう。

金融市場は常に未来を織り込もうとする。
しかし時として、世界の出来事は市場の想定よりもはるかに長く続く。

1週間で終わる危機なのか。
それとも、数か月続く構造的な問題なのか。

今、市場はまだ答えを出していない。

しかし投資家だけは、その両方を考えておく必要がある。

↓こちらも400人以上の皆様に読まれております。ありがとうございます。


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