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【米国株 $CAN 】カナンの今後の株価シナリオ:テキサス大拡張の裏に潜む「上場廃止リスク」と機関マネーの思惑《超深堀り》

はじめに:Canaan($CAN)で今、何が起きているのか?

ビットコインマイニング機器大手のカナンが現在大きな転換点を迎えています。直近の動向を追うと強気な事業拡大と厳しい現実が同時に進行していることがわかります。

事業面における最大のトピックはテキサス州での大規模なマイニング拡張です。既存のプロジェクト権益を取得し自社の採掘能力を一気に引き上げました。先日発表された2025年第4四半期決算でも売上高は前年比で大きく伸びており事業のトップラインは間違いなく拡大フェーズにあります。

しかしその裏で収益性と資本市場からの評価は厳しい局面に立たされています。決算の利益面は市場予想を大きく下回る赤字となり収益化の課題が浮き彫りになりました。さらに深刻なのが株価の低迷です。ナスダックの最低取引価格基準を割り込む状態が長引きついに上場廃止の警告を受ける事態となっています。

事業の規模と採掘力はかつてない勢いで成長しているにもかかわらず利益と株価が追いついていません。アクセルを強く踏み込みながら生き残りをかけた時間との戦いを強いられているのがカナンの現在の姿です。

テキサス大拡張の全貌:Cipher社からの権益取得と「株式交換」のカラクリ

カナンがテキサス州で進めた事業拡張は単なる設備投資の枠を超えた戦略的な動きです。米国の上場マイニング企業であるサイファーマイニングから稼働済みのマイニングプロジェクト3か所の共同事業権益を49パーセント取得しました。この取引によってカナンの採掘能力は約13.6エクサハッシュ毎秒まで一気に跳ね上がることになります。

さらに注目すべきは1キロワット時あたり3セント未満という北米トップクラスの低コストな電力インフラを手に入れたことです。マイニングの利益率を左右する電力料金を極限まで抑える環境を居抜きで確保しました。

取引の決済方法も特徴的です。約3975万ドルの対価を現金ではなく自社の米国預託株式を新規発行してサイファー側に割り当てました。手元の資金を一切減らさずに大型の設備投資を成立させたのです。

サイファー側から見ればAIやハイパフォーマンスコンピューティング向けのデータセンター事業へ軸足を移すために既存のマイニング資産を切り離す必要がありました。一方のカナンは手元資金を温存しながら安価な電力を確保したかったわけです。両社の思惑が完全に一致した結果がこの株式交換による大規模な権益の移動をもたらしました。

7,200万ドルの機関マネーとQ4決算の「光と影」

テキサスでの強気な権益取得の背景には2025年秋に実施された大規模な資金調達が関係しています。カナンは10月に市場内随時発行プログラムを立ち上げましたが株主価値の希薄化を懸念する声を受けて年内の利用を即座に停止しました。

その直後の11月に暗号資産や金融業界の大手機関投資家であるブレバンハワードやギャラクシーデジタルなどから総額7200万ドルの戦略的投資を引き出しています。新株予約権などの複雑な条件を含まない純粋な普通株への投資であり調達単価は1株あたり1.131ドルでした。

当時の経営陣はこの資金の使い道について北米でのエネルギーインフラ取得に充てると宣言しています。機関投資家から集めた資金による強固な財務基盤があったからこそ手元資金を温存した株式交換という手段でテキサスの設備を手に入れることができたわけです。

資金調達による後押しがある一方で直近の業績には大きな偏りが見られます。2025年第4四半期の売上高は北米の大口顧客からの受注が牽引し過去最高の1億9600万ドルを記録しました。トップラインが大きく伸びたにもかかわらず1株当たり利益は市場予想を大きく下回る赤字に沈んでいます。マイニング機器の割引販売や費用の増加が利益率を圧迫しており売上規模の拡大がそのまま最終利益につながっていないのが現状です。

Canaanが目指す「垂直統合型」への進化

カナンが最終的に目指しているのは単なるマイニング機器の製造販売メーカーからの脱却です。自社のハードウェア技術と北米の安価な電力インフラを直接結びつける垂直統合型のビジネスモデルへと進化しようとしています。その象徴が自社で採掘したビットコインを売却せずに長期保有する方針の本格化です。すでに1700以上のビットコインを自社の資産として積み上げており安く掘って長期的に蓄えることで企業価値を高める狙いが鮮明になっています。

一連の動きから事業の規模は確実に拡大し長期的な視点でのスケールメリットを獲得しつつあることがわかります。しかし足元の株価は依然として厳しくナスダックの最低取引価格基準である1ドルの壁に直面したままです。

表面的なニュースだけを追うと強気な拡大路線が目立ちますが投資判断において本当に注視すべき核心は別のところにあります。

自社株買いの枠を残したまま大量の新株を発行した理由や機関投資家が投じた巨額の資金に対する回収シナリオは見過ごせません。さらに上場廃止リスクに対して経営陣がいつどのような最終手段に踏み切るのか。ここから先は公開データから読み解くカナンの裏シナリオと今後の株価に直結するタイムラインに迫ります。

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