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【CAN】Canaan 2026年1-5月期マイニング実績:過去最高のBTC保有量とエネルギー統合インフラへの転換

1. 月次マイニング運用実績の推移(2026年1月〜5月)

Canaanの自社マイニング事業は、2026年に入り堅調な生産量の増加と保有資産の積み上げを見せています。
市場価格をみながら「使うターン」から「溜め込むターン」にシフトしているのが鮮明にわかります。


運用ハイライト:

  • 財務基盤の強化: 5月末時点で、暗号資産の保有量は過去最高の1,867 BTCおよび3,952 ETHに達しています 。

  • 北米での事業拡大: 2月にCipher Miningからテキサス州西部のジョイントベンチャー(JV)権益を49%取得し、120 MWの電力容量を北米事業に追加しました 。

  • 5月の局所的な稼働低下の背景: 5月はホスティング契約の計画的な終了に伴い、インストール済みハッシュレートが減少しました 。また、AlborzのJVサイトにおける山火事の影響により、JVの稼働ハッシュレートが低下しましたが、6月中旬には全面復旧する見込みです 。

  • 電力効率の持続的改善: 北米におけるセルフマイニングフリートの平均電力効率は、前年同月比で約11%改善し、過去最高の17.9 J/THを記録しました 。


現在のマイニング業界全体の状況

現在のビットコインマイニング市場は、歴史的な「極限のサバイバル競争」と「業界の構造転換」の只中にあります。

  • ハッシュレートの高止まりと収益性の悪化: ネットワーク全体のハッシュレートは1,000 EH/s(1 ZH/s)前後の過去最高水準で推移しています。一方で、半減期以降の報酬減とビットコイン価格のボラティリティにより、マイニングの収益性(ハッシュプライス)は過去最低レベルにまで落ち込み、非効率なマイナーは市場からの撤退を余儀なくされています。

  • 「20 J/TH」のサバイバルライン: 利益を出すための絶対条件として、旧型マシンからの脱却と、電力効率「20 J/TH以下」の最新機器へのリプレイスが業界の生き残り基準(スタンダード)となっています。

  • AI・HPCデータセンターへの事業多角化(Pivot): 厳しいマイニング収益を補うため、確保した大容量の電力網や冷却インフラを、需要が逼迫しているAIやハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)向けのデータセンター事業へ転用・併用する動きが、大手マイナーを中心に大きなトレンドとなっています。


Canaanの置かれた立ち位置と戦略的評価

こうした過酷な市場環境を背景に据えると、Canaanは「単なるハードウェアメーカーから、強靭な垂直統合型のエネルギー・インフラ企業への脱皮」を果たしつつあると高く評価できます。

  • 自社製造の強みと「溜め込む」耐久力:

    1. 17.9 J/THという北米フリートの電力効率は、現在の生き残りラインである20 J/THを大きく下回る極めて優秀な水準です。自社開発の最新マシンを原価で投入できる強みを活かして損益分岐点を低く抑え込んでいるため、ハッシュプライス急落のショックを吸収できます。月間90 BTCを自社採掘し、1,867 BTCまで準備金を積み上げている点は、市場が苦しい時期に安値で手放さず、将来を見据えた「強者のHODL(長期保有)戦略」を実行できている証拠です。

  • M&Aによるインフラ網の直接支配:

    1. Cipher MiningからのJV権益(120 MW)の取得は非常に戦略的です。マシンを販売・ホスティングするだけでなく、自ら北米(テキサス州)の安価で安定した電力網のオーナーシップを持つことで、外部業者に依存するリスクを排除し、収益をコントロールする能力を獲得しています。

  • 次世代を見据えたエネルギー・AI戦略:

    1. 買収元のCipher Miningの施設がAIデータセンターへ転換されていることからもわかる通り、Canaanが獲得した120MWの電力インフラは、単なるビットコイン採掘にとどまりません。自社の高密度コンピューティングのノウハウを活かし、マイニングとAI・HPC事業を両立・転換できる柔軟なポジションを築いています。

現在のCanaanは、自社製の高効率マシンという「矛」と、買収によって直接押さえた安価な電力インフラという「盾」を兼ね備えています。「使うターン(インフラ構築・M&A)」の成果が実を結び、「溜め込むターン(資産の強固な蓄積)」へ移行できている数少ないプレイヤーであり、業界の淘汰が進む中で極めて有利な優位性を確立しつつあると言えます。


2. 今後の展望・未来的アプローチ(Forward-looking Prospects)

短期的運用復旧プラン

  • JVマイニングサイトの全面復旧: 山火事の影響により5月の稼働が一時的に低下したアルボルズのJV(ジョイントベンチャー)サイトについて、現在、電力の早急な復旧作業が進められています。このサイトは、2026年6月中旬に全面復旧する見込みです。

次世代マシンの順次デプロイ(稼働開始)

  • AvalonMiner A15シリーズの通電: Canaanが発注済みの次世代マイニングマシン「AvalonMiner A15」シリーズ(総数12,500台)のデプロイが進行中です。

    • すでに米国に到着している空冷式A1566(約2,500台)および水冷式A1566I(約1,000台)について、順次通電(Energize)と稼働を進めています。

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