AIに「辞書登録ツール作って」と頼んだら、デバッグ相棒になった話
不動産の仕事をしていると、専門用語をめちゃくちゃ打つ。「還元利回り」「取引事例比較法」「DCF法」。毎回フルで打つのがだるくて、Google日本語入力のユーザー辞書に登録しようとするんだけど、あの登録画面がまた面倒くさい。
設定を開いて、辞書ツールを立ち上げて、単語と読みを入力して、品詞を選んで、登録ボタンを押す。1個ならいい。でも10個まとめて入れたいときは、もう途中で心が折れる。
で、ある日ふと思った。「文字を選んでショートカットキー押したら、そのまま辞書に登録できるツール、作れないかな」と。
Claude Codeに投げてみた
自分はプログラミングがそんなに得意じゃない。でも最近、Claude Codeというターミナルで動くAIを使っていて、これがなかなかすごい。やりたいことを日本語で伝えると、コードを書いてくれる。
今回伝えたのはこんな感じ。
「ブラウザやメモ帳で文字列を選択した状態でCtrl+Shift+Rを押すと、Google日本語入力の辞書にその文字が登録されるツールを作って。読みだけ聞いてくれればいい。品詞は名詞固定で」
これだけ。
数分後、5つのファイルで構成されたアプリが出てきた。タスクトレイに常駐して、ホットキーで起動する設計。Google日本語入力の辞書ファイルを直接読み書きする仕組みらしい。内部的にはprotobufという形式を扱っているとのことだったけど、正直そこはよくわからない。
「お、これは期待できるぞ」と思って起動してみた。
当然のように動かない
ホットキーは反応する。Ctrl+Shift+Rを押すと、ちゃんとポップアップが出てくる。
でも、肝心の「選択した文字列」が空っぽ。
ブラウザでテキストを選んでからホットキーを押しても、ポップアップには何も入っていない。メモ帳でも同じ。選んだ文字を取得するところでつまずいている。
ここで「やっぱ無理か」と思うか、「もうちょっと粘るか」で分かれると思う。自分は粘った。というか、Claude Codeに粘ってもらった。
俺: 「ホットキーは反応するけど、選択文字列が取れてない。ログ出してくれる?」
AI: ログ出力追加しました。あと、選択文字列の取得方式をクリップボード経由に変えてます。再テストお願いします。
俺: 「まだ空。ログ見ると、クリップボードのコピー処理がホットキーのキー入力と競合してるっぽい」
AI: キーを離すタイミングを待ってからCtrl+Cを送るように直しました。
俺: 「お、取れた。でもメモ帳だと動くのにブラウザだとダメ」
AI: ブラウザだとフォーカスの切り替わるタイミングが違うみたいです。ポップアップ出す前にコピーを終わらせるように順序変えました。
こんなやりとりを4、5往復くらいした。1回のやりとりが数十秒から1分くらいなので、全部合わせても15分くらいだったと思う。
結局どうなったか
動いた。ブラウザでもメモ帳でもExcelでも、テキストを選択してCtrl+Shift+Rを押すと、小さいウィンドウが開いて読みを聞いてくる。読みを入れてEnterを押すと、Google日本語入力の辞書に即登録される。品詞は名詞固定。タスクトレイに常駐しているので、PCを起動したら勝手にスタンバイしている。
これ、自分で一からコードを書いていたら何日かかっていたかわからない。Windowsのホットキー登録、クリップボード操作、protobuf形式の辞書ファイルの読み書き。どれも自分の知識だけでは手が出ない領域だった。
「一発で完成」はしない、という前提
ここまで読んで気づいた人もいると思うけど、AIは最初から完璧なものを出してきたわけじゃない。最初のバージョンは普通に動かなかった。
でも、自分がやったのは「動かない」と伝えて、ログを見て、「ここがおかしいっぽい」と伝えただけ。修正はAIがやってくれる。自分はひたすら「動かしてみる係」。
これ、プログラミングの知識というよりは、普段の仕事で鍛えてる感覚に近いと思っている。不動産のデータを見て「この数字おかしくないか」と気づく、あの勘。コードの文法は知らなくても、動きの違和感には気づける。
AIと一緒にモノを作るのって、自分の中ではそういう体験になりつつある。設計図を描いてもらって、組み立ててもらって、自分は「ここ歪んでない?」と指差す。それだけでちゃんとツールができてしまう。正直、最初はちょっと気持ち悪かった。自分、何もしてなくない? と。でも「何もしてない」と思えるくらい自然に役割分担ができている、ということなのかもしれない。
もし似たようなことをやってみたい人がいたら、「自分が日常で面倒だと思っていること」をそのままAIに伝えるのが出発点になると思う。辞書登録が面倒。それだけで始められた。
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