見出し画像

安心が正義みたいな人生だなって思う人

温泉好きですか? 私好きです。っていうかカラスの行水なんですけどね。
っていうかもともと私は温泉で働いていたんです。お風呂屋さんって、みんな、お客さんがすっぱだかなんですよ。裸。で、裸で全身全霊ちょーリラックスして、心がもしもお鍋でリラックスすればするほど沸くお鍋だったとしたら、もう中の汁物ドッバドッバ出てきてでてきてもう後片付け大変じゃないですかもうまじ無理。でね、その後片付けの中、「お兄ちゃん、牛乳どこで売ってんの?」とかね、聞いてね、来るんですよね。
ああ、ああ、分かってるよ。
↑↑↑ここまで本文と関係なし↑↑↑
人間の不安というのは、死からやってくるらしいですね。
死ぬかもしれないって、めっちゃ不安ですよね。根源的な、ね。
で、例えば、ちょっとした変化でも不安になりますよね。昨日玄関脇のトレイに置いておいた鍵がなくなってるとか、そういうので、ほんのささいなことで不安になるんですよね。
いやまあ鍵がどこかにいったとかは、不安で重要なことか。
トレイに置いておいたと思っていた100円玉がさ、なくなっていたりしたら、不安?
ちょっとした不安かもね。
死とは究極の変化のことで、だから些細なことでも変化は怖いのだらしい。
不安ね。
不安。
不安で、まずは安心できるところからしか始まれないのかもしれないね。
セキュアベースから始まらないといけないんですね。
べき論、始めました! 今日の無名人インタビューもお楽しみいただければ幸いです!!(主催:qbc)

今回ご参加いただいたのは A さんです!

現在:無理してやりたくないことやらなくていいのかなって思ったりしてます

石井:今、どういうことをされてる方でしょうか?

A:仕事で言うと、肩書きはフリーランスです。実質ほとんど働いていないっていう感じですね。
去年の末に入った転職先で、早々に上司が怖くて休職して辞めるっていうことをやったり、今年に入ってからも、セクハラ系のことでメンタルをやられてすぐ辞めたりっていうのを繰り返したのかな。ここ最近3回ぐらい。
それで疲れたのかわからないけど、会社員とか働く気力、正社員で働く気力かな、最近全然なくて。友達の会社をゆるっと週1-2ぐらいで手伝ったり、たまに降ってくる写真の仕事とかしながら。

石井:写真なんですね。

A:写真を撮るのも好きで。本当にストレスのない生き方をしています、良く言えば。

石井:クリエイティブなことで生計を立てていらっしゃる感じなんですか? 

A:そうですね。

石井:今お話されてたそのお仕事、最近ですかね。変わられた期間ってどれぐらいだったんですか? 

A:社会人歴が10年近くあって、その前にもいろいろしてたんですけど。
去年は契約期間としては3ヶ月間で、実際会社にいたのは1ヶ月ちょっとですね。昨年末で退職した不動産ベンチャーがあり。
今年に入ってからは、また別の友達の会社に入ったんですけど、3月末ぐらいに急に泣いて喋れなくなるみたいなことになって。やばい、多分もうここにいられないって思って、少しずつ整理して1ヶ月ぐらいでちゃんと辞めたかな。いた期間は3-4ヶ月くらいでしたね。
もう1個派遣で1ヶ月やって。話が違うなっていう感じで、契約を更新しないで辞めたのが直近です。

石井:ストレスのない生活って仰ってたと思うんですけど、今の生活はいかがですか? 

A:経済的な不安を除けば、すごく楽です。

石井:楽。

A:心が楽。
子供の頃から親がすごく苦手で。父親がアルコール依存症で喧嘩が絶えないのと、すごくラブラブな時期も繰り返していたりして。あとお父さんが高圧的で、お父さんが家にいるのがすごく苦手だったんですよね。家が休まる場所じゃなかったっていうのが、20年ぐらい自分の家庭ではありまして。20歳で家を出たんですけど。
今彼氏と一緒に住んでて。1年前ぐらいに知り合った人なんですよね。お付き合いして、結構すぐに同棲を始めて。それが本当に穏やかな生活で。
私ファーストみたいな、何でも肯定してくれるし。機嫌が悪くても否定しないっていうか、本当に優しい人なんですよね。
なので、家が落ち着く場所っていうのは当たり前かもしれないんですけど、私にはその前提が子供の頃からなかったので、すごくそれがありがたくて、尊いっていう感じですね。

石井:今、ご趣味とかってどういうものがあるんですか? 

A:読書と、写真を撮ることと、あと手紙を書くこと。

石井:私、手紙を書くっていう趣味を初めて聞きました。

A:本当ですか? 確かに現代ではあんまりないですよね。あと、靴を磨くことかな。
手紙を書くのは、子供の頃からお母さんが趣味でやってたことで、お年玉のお礼とか、祖父母に書くとかがわりと当たり前に、お母さんがお膳立てしてくれてやっていたので。
日常生活の一つだったのが、大人になってからも続けて趣味になった形ですね。

石井:大人になってからは、どういう場面でお手紙を書かれるんですか? 

A:子供の頃からおばあちゃんとか、遠方の友達に書くっていうのをやってたので、それがそのまま続いていたり。
友達は携帯を持ったタイミングで書かなくなっていくので、やりとりは切れたりするんですけど。普通に身近な友達とかでも、そんなに会わなくはなるので、そういう子に思い出したタイミングで書いたりだとか。
彼氏のお母さんも、たまたま手紙が好きな人で、やりとりしてますね。

石田:読書って、どういうものを読まれるんですか? 

A:多分いろいろ読んでる方なんですよね。きっかけは中学生ぐらいの頃に、重松清さんっていう方の小説を先生に勧めてもらって読んで。すごく面白かったので、小説から入りました。最近はビジネス書とか、クリエイティブ系の本、実用書とか。エッセイとか雑食で。
ただ純文学はなかなか苦手で、読み進められないっていうのがあります。

石井:どういうところが苦手なんですか? 

A:わからない言葉が多すぎる。あと洋書も苦手なんですよね、適度にわからない言葉なら全然調べて読むんですけど。横文字も苦手なのかな。理解するのに、知らないことが一定を超えると、私は読むのにストレスを感じるのかっていうのを、今話しながら気づきました。

石井:ビジネス書とかは平気なんですね、結構横文字は多いと思ったんですけど。

A:確かに、言われてみればそうですね。自分の知ってる言葉だからかな。そう感じます。

石井:今はどういう瞬間が充実してるって感じますか? さっきおっしゃってた、お家にいらっしゃる時間でしょうか?

A:確かに充実はしていて。でも、やっぱり自分に社会で役割を与えてもらったときかな。
この間も、彼氏が経営者でコミュニティ運営とかもしてるんですけど、そのイベントでの撮影を任せていただいて。いろんなテーブル回りながら写真撮ったりだとか。
いちカメラマンとして参加したんですけど、自分に興味を持ってくれて、お話して、知り合いができたりだとか。そういうふうに役割があったりだとか、人間関係の輪が広がっているって実感しているタイミングとかかな。

石井:過去の社会人生活とは、また少し違いますか? 最近のそういう生活って。

A:全然違いますね。これまで、高校卒業してから社員としてセラピスト、マッサージ屋さんみたいなこととか。販売職とか、カスタマーサポート、カスタマーサクセスとか。会社員でもバイトでも、かっちり週5以上働くような生活だったんで。あんまりクリエイティブ系みたいな感じではなかったんですよね。決まった人間関係の中で動いてるって感じですね。
それが今、プライベートでは元々いろんな人と会ってたんですけど、その線引きがなくなってきた感じがありますね。

石井:今までいろんなお仕事されてた中で、お仕事を選ぶ基準って何だったんですか? 

A:後半からは、もうそのときにやりたいと思ったことをやってました。高校を卒業したタイミングで進学したかったんですけど、それを諦めた状態だったので何もやりたくなくて、正直。先生とかに、何かこういうのが向いてそうって言ってもらったのを頼りにやるみたいな。面接は多分得意で、何かそれっぽいことそれなりに喋って通ってしまうから、入れはするんですけど。入ってから、やっぱりやりたくないことやるってこんなに辛いんだなって気づいたりだとかっていうのはありがちですね。

石井:それが、社会人前半? 

A:そうですね。

石井:それがやりたいことに変わったのは、どうしてだったんですか? 

A:今のやりたくないことでも、それなりに喋れて入れちゃうっていうのを最近やっと気づいたんですけど。やっぱりやりたくないことはやらないって最近決めて。その生き方ではマネタイズできてないんですけど。でもそれはすごく良いなって思ってて。
私はカスタマーサポートというか、電話対応がすごく苦手だなって感じるんですけど、メールとかチャットなら全然大丈夫で。それ系だと思って応募した求人が、電話対応ありって面接で言われて、その場で辞退するっていうこともあったりだとかして。
でも、これでいいんだなって思ったり。
履歴書書くの面倒くさいから、履歴書不要の求人を探して応募してみたら、すごく自分に合っている仕事だったりだとか。無理してやりたくないことやらなくていいのかなって思ったりしてます。最近は。

石井:やりたいこと、やりたくないことは、具体的なレベルではっきりしてるんですね。

A:言われてみればそうかもしれないです。

石井:やりたいことっていうのは、どういうことだったんですか? 

A:昔ですか? 

石井:今ですね。

A:過去から話させてもらうと、昔はクリエイティブ系の学校へ進学したかったし、こういう仕事をやりたかったって思ってたんですけど。正直、今はやりたいことってあんまり、本当に正直ないなって思ってて。
私、結構やりたいことを聞かれがちなんですよね、私の周りってやる気にあふれた人ばっかりなんで。新たに出会う人たちも。やりたいことがなくても、自己紹介で何か好きなことを聞かれたりだとか。先日は私のやりたいことを、その場が勝手に探す雰囲気になって、それがすごく苦手で。なくていいじゃんって思うんですよね。
なので、正直、普通に普段やって楽しいこととか、こういうことを続けていきたい、今が続けばいいとは思うんですけど。周りの、起業している友達とかみたいに、絶対にこれをこう、こういう中にしたいとかっていう熱意がないって感じですね。
自分みたいな子供はいてはいけないって思うんですけど、それをどうにかしようっていう、自分の時間めちゃめちゃ割いてまで変えなきゃいけないみたいな。そこまでのやる気はないって感じで、やりたいことにハードルを感じてるなって、今喋ってて思いました。

石井:やりたいことっていう言葉自体に? 

A:そうですね。

石井:今の生活に満足はされてますか? 

A:満足、そうだな。経済的に自立、多分やろうと思えばできるんですけど。それができれば満点かなって思います。

石井:それ以外は満足してらっしゃる? 

A:はい、幸せですね。

石井:幸せは、やりたいことをやれてるっていうことの他にも、何か要素があったりしますか? 

A:日常生活がうまく回ってるのと、親との関係が、距離を置いて落ち着いたっていうのは大きい気がしますね。

過去:恨み続けていて、自分の人生がうまくいかないことや、進学できなかったことも。

石井:過去のお話に移らせていただければと思うんですけど。
さっき、自分みたいな子供って仰ってたと思うんですけど。自分みたいな子供っていうところ、もう少し詳しくお伺いしてもいいですか? 

A:最初にお話したところと重なるんですけど、家が苦手だったんで。
たまに両親が大きな喧嘩をして、お母さんが家を出たときに自分が家事をやることとか。っていうか、犯人はお父さんなのにお父さん何もしないし、自分に家事が降りかかってくる。
今も困ってる子供っていっぱいいると思うけど、助けを求める先がわからなかったんですよね、多分。先生とか、あったんだろうけど。望まない孤独の状態に陥っていたなって感じますね。

石井:お話されたくなかったら大丈夫なんですけど、ご両親の不和の原因、お父様の不機嫌の理由は何だったんでしょうか。

A:お父さんのアルコール依存症と、女性関係、複数回の不倫。あと、コミュニケーション能力が低いと思うんですけど、ひとことで言うとモラハラなのかな、当時はわからなかったけど。

石井:最近の言葉で言うと?

A:人格否定。あと、話し合えないんですよね。大体お酒飲んでるときの理性飛んでる状態が喧嘩の原因なんで。それを否定しても、お父さん本人は覚えてないから話にならないみたいな。父方の両親と母の関係も悪かったりだとか。

石井:オンパレードですね。

A:確かに。

石井:そういう状態って、いつ頃からいつ頃までだったんですか?  

A:私が生まれる前からお母さんがそういう悩みを抱えてたっていうのは、子供の頃から聞いてて。できちゃった結婚だし、遠距離だったし、本当に相手のことを全然知らなかったと思うんですよね、両親は。1年ぐらいの遠距離恋愛を経て、でき婚でした。
私が赤ちゃんの頃も、お母さんは自殺が頭をよぎるぐらい追い詰められていた。私がお腹にいる間も。しかも、父の両親と同居していてすごく辛くて、喧嘩は必ず3対1だったっていうのを、子供の頃から、多分本当は子供に話す話じゃないことを、ずっと喋っていたお母さんがいて。
家が狭くて、生々しい話で申し訳ないんですけど、襖の向こうでセックスしてる声とか身体の音とか、聞こえて、夜。それが仲良しであることはなんとなくわかるんですけど、混乱するんですよね、子供としては。

石井:そうですよね。

A:お父さんは、酔ったときひどくて、トイレの場所を子供部屋と間違えてしたりだとかして。文具が濡れるとか本当臭いし汚いし。ベランダでするとかも。
そういういろんなことを経て、16歳ぐらいの頃に、お父さんがお酒をやめたんですよね、パタっと。何回約束しても破ってたのに。
そこで一旦、家は落ち着きました。私にとってお父さんは、勝手に威圧感を感じて怖い存在のままだったんけど。
ただ私はそのタイミングで高校へ行けなくなっちゃって、教室に行こうとすると泣いちゃうみたいな状況が続いて。多分関係あるのか、ありそうだなと思うんですけど、父のお酒辞めた後っていうタイミングでそうなったことがありました。
それが数年続いた後に、20歳のタイミングで父がお店を開いたんですよね、母と一緒に飲食店を。私はその時も父を恨み続けていて、自分の人生がうまくいかないことや、進学できなかったことも。お父さんは自分の開業資金のためにはたくさんお金を稼ぐし使うけど、子供には決して回そうとしないんだなっていうのがすごく悲しくて、当時は。
周りの人の親は大体そうしてくれるのに。

当たり前っちゃ当たり前って、当時、思おうとしたんです。してたんですけど、お父さんは自分のためにお金を稼ぐから、私も進学したければ、自分でそうすべきなんだなって思おうとしてたけど。やっぱり周りで、ライフプランを立てる大人は、子供が大学行けるように考えてるし。子育ての終了地点が違うんだなっていうのと、お父さんの優先度は、子供じゃなくて自分なんだなって感じたりしてたんですよね。

石井:そこに、お母さんは入らないんですね。

A:家庭でお父さんが強かったのと、本当に最近になって知ったんですけど、進学については、お父さんは、奨学金を使ってまで学びたいことがあるなら行けばいいし、その後卒業するタイミングでその奨学金はお父さんが払ってくれるつもりだったらしいです。子供の覚悟を試してたんですね、そこまでして学びたいことがあるのか。

石井:それがわからなかった。

A:お母さんは、多分それを知ってたけど言わなかった。弟は、奨学金を使って大学行って、最近卒業して。お父さんは有言実行して、奨学金の返済をしているらしいです。
結局、20歳の時に、それまでのお父さんのことを責めすぎて、お母さんに勘当されたんですよね、結局。「いつまでもそんなこと言うな」と。

石井:勘当された? 

A:勘当されました。

石井:具体的には、お家を出された? 

A:夜中に、出て行けって言われて。そのとき、自分の自傷した写真とかをSNSに上げたことがあって、それにめちゃめちゃ怒って。「店開いたり大事なときに何してくれてんだ」って。本当にごもっともだと思うんですけど。
っていうことがあって、当時の彼氏の家に転がり込み、ってことがありました。

石井:そこから一人暮らしされてる? 

A:そうですね。その時は、結局転がり込んだまま住所変更して、3年弱、一緒に住みました。

石井:結構長いですね。

A:その後、やっぱり無理というか、合わないなって思って。引っ越して、シェアハウス暮らしとか一人暮らしとかを経て、今って感じですね。

石井:自傷した写真って、バレちゃったんですか? 

A:バレちゃったんですね。私が、ごちゃまぜでSNSをやってたので、多分両親の店の関係の写真も上げていたし、自分の個人の写真も上げていたので、検索したタイミングで出てきたらしいですね。

石井:当時のSNSって、どういう存在だったんですか? 

A:自己満足、自己開示の場かな。あんまり何用とかも考えてませんでしたね。写真も好きだったので、そこにいいねがつくのも嬉しかったし。そうだな、自分を知って欲しかったのかな。

石井:お友達、どういう方と繋がってたんですか? 

A:なんだったかな。多分カフェの投稿とか多かったんで、コーヒー好きの人と、リアルの友達と、クリエイティブ系の人と。

石井:かなりいろんな。

A:そうですね。

石井:そういうのってなかなかばれないよなって思ったので、気になっちゃって。

A:確かにそうですよね。確かに半分は実名な感じだったと思うんですよね、当時。だから、全然隠そうともしてなかったなと思います。

石井:でも、それがお母様の逆鱗に触れた。そうだったんですね。
その後、さっき仰ってたように、ご両親との関係というか距離感が落ち着いた? 

A:やっぱり、物理的な距離を置いて落ち着いたなって感じましたね。

石井:それは、もうお家を出た後から? 

A:実家を出た数年後に、半年ぐらい、既に父が別居した状態で母と弟と暮らしたことはあるんですけど。そのときに、お母さんの生活のちょっとだらしないところとかを、ふと見たタイミングで。絶対こうなりたくないって、お母さんのことは好きだけどこうなりたくないって思ったときがあったり。お母さんからも私の交友関係を否定されたことがあったりだとかして、やっぱり、こうなりたくないと思う人とは一緒にいてはいけないし、お母さんとはお互いに適度な距離が必要なんだなって感じて、そのまんま、また出ましたね。

石井:ご両親どちらでも構わないし、お2人含めてでも結構なんですけど。ご両親からの一番大きな影響って何だと思いますか? 

A:やっぱり父だなって。どっちも影響あるんですけど、お父さんだなって思うのと。
それは二つあって、一つはアルコール、女性関係、モラハラを含めて色々と私にお土産を授けたってところで。散々恨んだんですけど、でも多分、そのスパイス的なものがなければ、自分ってここまでいろいろ考える人に形成されなかったし。
うちって、両親が20歳で私を産んでたんで、それなりに外見も綺麗でかっこよくてかわいくて、外から見れば良いなって、いろんな友達から羨ましがられる家族だったんですよね。でも、中身はぐちゃぐちゃだったんで、若いことに何のメリットも感じなかったし、それなりに社会を知って大人になって子育てをする親の子供が羨ましかったりしてたんで。何もない家庭はないっていうのを、自分の家庭で過ごして感じたから、決してそんなふうに思わない。みんないろいろ抱えているよねっていうのは、思えるようになりましたね。それが負の部分として、もらったところです。
もう1個は、読書をする習慣。本から本当にいろんなもの、知識だけじゃなくて、そこから行動していろんな人に出会ったりしているので。私の人生が、すごく豊かになってるんですよね、きっと。それは子供の頃から「本、読みなさい」ってお父さんに言われて。そんなに納得できる理由はないけど、お父さんの言うことだから図書館に行くみたいな生活が、小学生の間続いてたんですよね。

石井:お父さんも、本を読まれる方だったんですか? 

A:お父さん、本は読みますね。勉強熱心なところは尊敬できるところだな。
開業準備中も、会社員・バイト・自営業を掛け持ちしながら、睡眠時間は4時間とかだったんじゃないかなって思うんですけど、それでも寝る前には本を開くみたいな。家族全員に寝なよって言われてたんですけど。
親自身は本を読まなくても、子供には読めという親がいっぱいいると聞くんですけど、お父さんは自分も読むし子供にも読みなさいって言う人でした。ただ家にいないんで、家にいない人の真似をするというのは難しいと聞くし、まさにそれだった気もします。

石井:読まないわけではないけど、読む姿を見てる感じではない? 

A:そうですね。一番近くにいる人の行動を真似するっていうのは、本当なんだなって感じますね。お母さんの真似をして、よく手紙を書いてたし。
そういう感じで、結局良い本に出会って好きになれたので。苦痛に感じる時間は長かったけど、きっかけをくれたことはすごく感謝してますね。

石井:そのあと、お家を出られてから今に至るまでの間で、特に印象的だったことって、何かありますか? 

A:両親との関係ですかね? 

石井:それに限らず、お仕事に関係ないことでも大丈夫なんですけど。

A:本を読んでたり、いろんな友達が友達を紹介してくれるみたいな感じで、交友関係がどんどん広がってるんですよね。
その過程で多分、いろんな人に「本を読む人」っていう認識をされてて、アウトプットは、たまにInstagramでするぐらいしかしてなかったのに、「本の話をしたいです」って言ってくれる友達がいたりして。
その方に対して、私は個別で喋りたいと思わなかったんですけど、でもせっかく読んでるのに読みっぱなしなのはもったいないなってふと思って、以前から気になっていたnoteというブログみたいなサービスを使うのを思いついて、前月に読んだ本をまとめて書くっていうのを、やり始めたんですよね。メモと称して。感想文とか書評とか書くのは恐れ多くて、文章を書くのが苦手だったので。2-3行でもいいや、メモだからって気持ちで始めたのがきっかけで。
そこから仕事になったり、人と会うきっかけになったりしたんですよね。今の彼氏もビジネスアプリで最初は知り合ったんですけど。その後、彼の会社が運営するコミュニティに入って、自己紹介で書いてるnoteを共有したら、note内の文章に興味を持ってくれて、直接会うことになって、付き合いに発展してって形で。すごくありがたいです。

その後も、noteをコンスタントに毎月更新して、そこから文章を読んでみたいって言ってくれる友達がいたんで、本を介さずに自分のことを書いてみるっていうのを交えたりし始めて。そしたら、また別の友達で「その文章で自社に貢献してほしい」っていう人が現れて、お仕事に繋がったりだとかしたんで。あんまり力まずにやっても、フォロワーがすごく多いとかじゃなくても、自分の名刺みたいなものとして、何かこんなに可能性は広がるんだなっていうふうに、noteでの発信を通して感じて。
それは、結構大きなインパクトだったなって感じますね。

石井:本を読んで、それを表現するっていうのが、わりと中心にある時間だったんですね。どうしてそんなに本がお好きなんだろうと思ったんですが、何か醍醐味みたいなものってありますか? 

A:何だろう。単純に、面白いっていうのもありますね。
漫画とか読んだりします? アニメとかそういうものを見たり聞いたり。

石井:漫画は割と読む方ですね。

A:へえー。そうなんですね。
私は、漫画はそんなに読まなくて。家にあった『金色のガッシュ!!!』とか『お〜い!竜馬』とかあったら読むぐらいだったんですけど、次がどんどん気になるんですよね。多分、それは文字になっただけで、娯楽として好きっていうのが、読み始めた頃は好きなところはありました。
それを何年か続けて最近思うのは、読書感想文とか昔は苦手だったんですよね。今では文章を書く仕事をしていたりするけど。多分、本によって自然に言い回しとか語彙っていうのが身に付いたんだなって感じるので。楽しみながらその恩恵にあずかれるっていうのは、こんなに良い趣味はないなっていうふうに思ってるのと、人が勧めてくれた本を読むっていうのは、その人の関係を深める上ですごく有効だなって思って。自分もそれしてくれるとすごく嬉しいので、勧めてくれた本はその人と仲良くなりたければ仲良くなるツールとしても大事だと思うので、ちゃんと読もうって思ってますね。

石井:楽しみ方はいろいろあるんですね。
最近読んだ本で、これはっていうものって何かありましたか? 

A:目に入ったので言うと、さくらももこさんの『桃の缶詰』っていうエッセイは、ブックオフにフラッと入った時に買ったもので。ハードカバーなんですけど、表紙とか表紙めくったところのデザインとか見るのが好きです。そういうところを見て、こんなに凝ってるのに200円でいいの、みたいに思いました。
しょうもない頼りにならないお父さんのこととか、近日結婚の挨拶をするからか目に留まったりして。多分、そんなにのめり込む系とかでもないんですけど、他人の家庭を覗くのが面白いのかな。部屋の中を見るような。さくらさんの文章好きだなって感じましたね。

石井:好きな作家さんとかって、決まってるんですか? 

A:最近は、特にこの人ばっかり読むっていうのはないんですけど。もし聞かれたら、重松清さんの本をたくさん読んだなって言いますね。

石井:重松さんの話も、家族の話が多いですね。どういう部分が好きでした?

A:当時、中1の時ですね。
背景から話すと、小学生の、父から本を強制的に読みなさいと言われてる頃、学校の人間関係って本当に、女性関係のドロドロした感じで。友達の好きな男の子と話していたら怒られるとか、すごく面倒くさくて。なんかもう、深入りするのをやめようと思って。中学校、公立なんですけど、同じ小学校から来る女の子は誰もいないようなところを、あえて選んで行ったんですよね。ある程度みんなとフラットに、グループに属さず一匹狼でいようって決めて。新学期からグループ作りにそわそわしている頃に読書をして、私はどこにも属さないっていう意思表明をするってことをやってました。
そんなときに本を読んでたら、先生が本を好きなのかと勘違いして、「これ面白いよ」ってお勧めしてくれたのが、重松さんの『きみの友だち』っていう作品でした。等身大、自分と同じくらいの年頃の女の子の複雑な人間関係が入っていて。特に、面倒くさい人間関係にみんなが巻き込まれてるっていうか、みんなが作り出してる環境を面倒じゃないのかなって周りを不思議に思ってたんですけど。なんか、こういうのに巻き込まれてるのが自分だけじゃないんだなっていうふうに、小説を読んで思ったり。
重松さん、当時既におじさんだったので、おじさんが10代の女の子の気持ち、こんなふうに書けるのにびっくりした感じで。10代って短いと思ってたので、せっかく自分は中学生で、この重松さんはそれぐらいの子の話をたくさん書いてくれてるので、等身大の今読みたいって気持ちで。その年代が主人公の作品をたくさん読んでたなって思います。

石井:家族っていうよりは、自分に近いからお好きだったんですね。 

A:そうですね。

石井:私も好きでした。

未来:なんかもう安心が正義みたいな人生だなって

石井:これからのお話を伺っていきたいと思うんですけど。
何かやってみたいことっていうのはあんまりないってお話だったので、今何か楽しみなことってありますか? 

A:ただのノロケみたいになるんですけど、結婚するのが楽しみで。一緒に住んでるので、そんなに変わりはしないと思うんですけど。
彼氏のお母さんもすごくいい人で、今までも何回か会っていて、結婚ってこんなに安心してできるものなんだって。結婚に対して身構えすぎていた部分はありますが。うちの母が嫁姑系辛そうだったんで、そういうのを周りからも聞いてたし。

石井:結婚式とか、特定のイベントっていうよりも、その後の生活?

A:そうですね、確かに。お互いの大事な人に会う機会も既に何度かあって。そういう人に会っても、大学時代の友達とか会社関係の人も、みんないい人なんで、友達はその人を表すんだなと改めて思って。父の友達は、ちょっとびっくりする人が多かったので。人生の後半戦が、安心して過ごせそうで、なんかもう安心が正義みたいな人生だなって、今話してて感じはじめたんですけど。
結婚する気も、ちょっと前までないぐらいだったんですよね、1-2年前とか。っていうか、それは結婚に対してネガティブな先入観が多すぎたから、そんな感じではあったんですけど。自分と相手次第で、多分人生はすごく豊かになるんだなっていうのを、一緒にいながら感じ始めて。多分、何事もなければずっと一緒に、彼氏やそのご家族とか友達とかも、関係を築いていけることがすごくありがたいなって感じますね。

石井:ありがたいな、なんですね。

A:嬉しい楽しいもあるけれども、どんなに頑張っても、好きな人の関係者までは仕事とかと違って選べないと思うんで。彼氏のお母さんがいい人であるとか、友達がいい人であるとか。それが、偶然っていうか、それまでの彼氏が作った人間関係ではあるんですけど、自分もその恩恵にあずかれるっていうことがありがたいなって感じますね。

石井:結婚を考えるにあたって、Aさんご自身のご家族とかの関係は変わられましたか? 

A:そこは変わってもないかな。顔合わせに向けて家族に連絡をしたら、お母さんや弟はやっぱり協力的だし、お父さんはちょっとしたことで、こういうこと言わなきゃいいのに、みたいな残念なコミュニケーションが出るし。そうゆう人だよねって私は思うし、変わらないかな。
お父さんのこと、こういう場に呼ぶかみたいなのは、万が一結婚するときどうするんだろうって子供の頃、考えました。結局、顔合わせには呼ぶことにしたんですよね。

石井:子供のときから考えてた? 

A:子供のころかな。結婚式って何回か行ったことはあったんですけど。必ず両親への手紙を読む場面があるなと思ってて。私は、あれ絶対にできないなって子供の頃、思ってました。だから、式は挙げたくないなって。

石井:手紙を読めないのはどうしてですか? 

A:当時、父に対する感謝が全くなくて、こんな綺麗事を喋りたくないっていうか。面接と違って、思ってないことを書いたり言ったりするのが、本当に嫌だなって思いましたね、それについては、その場のためとか割り切れなくて。
ただ、1年前ぐらいにあるセミナー行ったときに、登壇者の方がお母さんのことをめちゃめちゃ大事にしてて、介護の費用とか多額を払ってて。多分本当に、産んでもらっただけで、その後はほとんど継母と過ごしてみたいなんですけど。お父さんについても、本当にいただけで放置されてたんだろうなって話から感じられたんですけど、全然責めてなくて。なんでかっていうと、親の役割として、自分をこの世に存在させただけで役割を果たしてるって仰っていて。
私は、結構それが大きなショックだったんですよね。かつ、そうなのかって、なんかやけに腑に落ちたんですよね。そう思いたかったのかな。そう思うことで、自分の親を肯定できるように、初めてなったんですよね。お父さんに、大学まで費用を出してくれないとか、家庭を大事にしない、顧みない。子供が生まれるときも飲み会、子供の誕生日も飲み会みたいなお父さんの悪い面ばかり見てたんですけど。
私も自分のことが嫌いだったので、消えたいぐらい嫌いだったんで、産み落としたこと、堕ろさなかったことをずっと恨んでたんですよね。でも、去年ぐらい、やっと自分のことをちゃんと好きになり始めているタイミングでそんなことを聞いたので。産んだことを恨んでもないし、確かにいろいろあったけど、今やっと幸せを感じられるようになっていて。そのきっかけをくれたのは、育て方はどうであれ、世に存在するきっかけをくれた父と母なんだなって思えて。
それぐらいから、変わった人だなと今も思い続けていますが、恨みみたいな感情は、ほとんどなくなったんですよね。

石井:Aさんご自身は、これからのご家庭の像とかって、何か考えられるところあるんですか? 

A:まだふわふわしていますね。子供は欲しい、子育てをしてみたいってところはあります。

石井:子育てをしてみたいというのはどうしてなんでしょう。

A:1年前ぐらいは、それなりに働いて稼いでいて。精子バンクとか使って、1人で子育てしたいと思ってました。そのときは、倫理的にどうだろうって自分でも思ったんですけど、人を成長させてくれるのって、子育て以上のものはないと思ってたんですよね。子育てっていう体験をしてみたいっていう気持ちでした。子供は特別好きとかではなくて。
っていうところから時を経て、最近は彼氏と知り合って、めちゃめちゃ自分のことを肯定してくれるので、この人と子育てしたら絶対楽しいだろうなっていう気持ちがしました。
最近は、そっちの方が9割ぐらいですね、そっちが強いです。

石井:子育てによって人が成長するって、例えば、どういう成長みたいなものを期待されてたんですか? 

A:なんだろうなあ。多分、そういう話をいっぱい聞いたからっていうのが大きいのかもって、今は思うんですけど。子育て漫画とかエッセイとか読んでいて、会社以上にとんでもない理不尽が飛んでくるみたいな。ご飯作っても投げられるとか、頭にかけられるとか、そういうのを経て、心が強くなるとか。それを、多分自分の子供だから、子供でもどうにもならないことあるだろうけど、この辺、ちょっとうまく言語化できないや。

石井:なるほど。

A:自分のこと嫌いなときは、自分の遺伝子をこの世にこれ以上存在させるのを絶対に避けたかったんですけど。命は自分で終わらせたくて。でも、自分のことをある程度肯定できるようになったら、私みたいな考えの子がいたら、世の中もうちょっと良くなるんじゃないっていう、考えがすごく転換したっていうか。でも絶対いい影響を与えると思うんだよなっていう気持ちで、そういう人生の同志みたいなパートナーが欲しかったのかなって思います。

石井:それは今もですか? 

A:でもそこまで考えてませんでした。そういえばって思ったんですけど。ただ、悪い子には育たないなと勝手に思ってるので。多分、ポジティブな考えを持っていたり、優しい人って、世の中にそれを連鎖させてくれると思うんですよね。すごく小さな行いとか言動でも。そういう人が少しでも増えてくれたらいいなって思ってるし、自分と一緒にいる人はそうなっていくと思っていて。そういう人が存在したら嬉しいなって思ってます。

石井:他に何か、もう本当に小さなことでもいいんですけど、楽しみなことはありますか?

A:あとは結構短期的に、晩ご飯何作ろうとか考えながら生きてるのが楽しいって感じですね。

石井:5年後とか、どんなふうに過ごしてたいなとかっていうのはありますか? 

A:何してるんだろうって感じだな。ちなみにそれって皆さんに聞かれてますか。

石井:質問は、結構それぞれで違うんですけど。

A:わかんないし。わかんないなってところですね。
32歳ぐらいになってるわけですね。どうしてたいんだろう。でも、大きな変化は望んでいなくて。私の人生は変化しまくりだったので、もう5年後、多分、望んでいなくても大きく変化はしていると思っています。
でも、今の大切な人たちとは、引き続き良好に生きていると良いなって思ってます。
今住んでる土地がすごく好きなので、土地とも引き続き関われていたらいいなって思ったりしてますね。

石井:何か一つ、もしもっていう質問をしていて。
やっぱりご家庭の影響、ご両親の影響って大きいなって、伺ってて思ったのと。普通の家庭みたいなことが出てきたと思うんですけど、もしご両親ご家庭が普通だったら、どうなってたと思いますか? 

A:とりあえず、信頼できる人はこんなにいなかったなって思います。で、もうちょっと平穏だった気がします。大学を出て、美大へ行ったかはわからないけど、多分潰しが利く感じの文系の経済学部とか行って。堅い企業に入って、会社は辞めずに居続けて、会社と家と、たまに趣味か学生時代の友達と会って、結婚とかしたのかな。わからないや。
でも、もうちょっとちゃんとしたレールの上を歩いてたんだろうなって思います。良いとか悪いとかじゃなくて。

石井:いいとか悪いとかじゃなくて。

A:そうですね、確かに昔は違う人生を望んでいたりしたけれど、なんだかんだ私は今で良かったなって、考えて思いました。

石井:ありがとうございました。

あとがき

おだやかなトーンながら、なかなかに強烈な内容でした。
恨みや悲しみという感情を、逆にここまでおだやかに語れるものなのかと、思わずにはいられませんでした。
でもみんなそうなのかもしれませんね。

みんなそれぞれ何かを抱えて、それでもおだやかに、優しく生きている。
そんな強さを突きつけられた気のする、不思議なインタビューでした。

インタビュー担当:石井

編集協力:有島緋ナ

#無名人インタビュー #インタビュー #自己紹介 #読書 #写真

マガジンで過去インタビューも読めますよ!

インタビュー参加募集!


いいなと思ったら応援しよう!

無名人インタビュー いただいたサポートは無名人インタビューの活動に使用します!!

この記事が参加している募集