ギターリペア
20年以上前に購入したエレガットギターのビビリがひどくなってきたので、リペアを依頼することになった顛末を書いておこうと思います。このギターは現在は撤退してしまったJR博多駅近くの楽器店で、高価だったし散々迷ったあげくに購入したゴダン(Godin)というカナダのメーカーの人気モデルです。素人バンドで使うにはもったいないギターですが、楽器店の当時の店長さんに上手いこと乗せられて買ってしまったものです。今は主にエレキギターを弾く私ですが、最初に親に買ってもらったギターはいわゆるクラシックギターだったのでエレガットを弾くことには特に違和感はありませんでした。ちなみにエレガットというのは、エレキギター並みに弦高が低いのにナイロン弦が張ってあるのでガットギター(クラシックギター)のような柔らかな音が出る機種で、アンプに繋いで音を大きくしてバンドでも使えるタイプのギターのことを言います。ただ私はバンドで弾くよりも自宅で一人静かにクラシック曲や好きな映画音楽を弾いて楽しむことが多いという使い方をしていました。
ネックの反り
音のビビリはローポジションが主だったので、ネックが逆反りしてるのかと思ってリペアマンに相談したところ、一部逆反りに加えて一部順反りになっているS字反りという状態で、かつトラスロッドはこれ以上回せないという診断でした。
修理にはネックアイロンを使ってネックをできるだけ反りが少ない状態に戻し、さらにフレットのすり合わせも必要とのことでした。ただギターのネックは木でできているのでアイロンを当てても必ず新品のような状態に戻せるかは確約できないとのことでした。ネックアイロン(ネックヒーターとも言います)とは、金属板でギターのネックを挟み込んで加熱しネックに使われている接着剤を柔らかくしてネックの反りを矯正する装置です。
弦高調整
最初は提案どおりにネックアイロンでリペアしてもらおうと思っていたのですが、もしかして弦高を上げればビビリ音が軽減するかも?と思って相談したら、たしかにその方法がいちばん確実な解決方法とのことでした。リペアマンが最初にその方法を提案しなかったのは弦高が変わると演奏感覚にかなり影響するという理由からでした。

この機種(Godin Multiac Duet Nylon)の弦高(12フレット)は1弦側で2.5mm前後、6弦側で2.7〜3.0mmですが、標準的なガットギターの弦高値は1弦側で3.0mm前後、6弦側で3.5~4.0mmとのことです。たかが0.5~1mm程度弦高の差ではありますが、演奏したときの感覚は大きく変わります。でも、これはエレガットではなくて普通のガットギターだと思って弾けば、私にとっては問題ないので弦高を上げる方法でのリペアを依頼しました。
音質は変化した
弦高を上げるためにブリッジサドルを交換することになりました。Godinのエレガットに使われていたブリッジサドルの材質はタスク(TUSQ)だったのですが、弦高を上げるためには在庫の関係もあって材質を牛骨に変える必要がありました。タスク(人工象牙)は音の立ち上がりがシャープでクリア、牛骨は中低音が強調された柔らかい音という違いがあるそうです。Godinのギターは、ブリッジ直下にあるピエゾピックアップと本体に仕込まれたマイクで拾った音を自分の好みでミックスした後、イコライザーも通すので、リペア後のアンプから出た音がリペア前と大きく違うという印象はありませんでした。
音質よりも演奏感覚の変化が大きいと感じます。いずれにせよ、ビビリはゼロにはなりませんでしたがほぼ無視できる程度に軽減されました。
リペアは1週間程度で終了し受け取りとなりましたが、リペアマンのアドバイスとしては「面倒でも弾き終わったらペグは少し(半回転くらい)緩めてネックを休ませてください」とのことでした。私は昔からチューニングしたままでペグを緩めたりはしていなかったのですが、私が依頼した楽器店のポリシーはギターのペグは保管時は少し緩めることに統一しているそうです。
チューニングしたギターを保管するときペグはそのままか緩めるか?は諸説あるのですが、今回は素直に緩めることにしようと思います。
リペアにより復活したエレガットは、これからも良き相棒として私の音楽ライフを彩ってくれるものと期待しています。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
