考えているのに、何も進んでいない気がする日
考えている時間はちゃんとある。
いや、むしろよく考えている方だと思う。
それなのに、
何も進んでいない気がする日がある。
通勤中も、寝る前も、
頭の中ではずっと何かが回っている。
なのに、
いざ「で、私はどうしたいんだっけ?」と
立ち止まると、
驚くほど何も掴めていないことがある。
まるで、それまでずっと、
空気を抱きかかえていたみたいだ。
考えている“つもり”と、
整理できている“感覚”は、
似ているようで、まったく別物。
考えている“つもり”のとき、
頭の中は、にぎやかになる。
過去の出来事が顔を出し、
誰かの言葉がよみがえり、
まだ起きていない未来まで
先回りして心配する。
でもその多くは、
同じ場所をぐるぐる回っているだけだったりする。
前に進んでいるようで、
実は立ち位置が変わっていない。
一方で、
整理できているときの感覚は、
少し静かだ。
答えが出ていなくてもいい。
迷いが消えていなくてもいい。
それを自分にちゃんと許可できている。
そして、
「今、自分がどこに立っているか」
それがわかっている感じがある。
焦りはあるけれど、混乱は少ない。
不安はあるけれど、方向は見えている。
頭の中は、不思議と静かになる。
この差は、意外と大きい。
私たちはよく、
考えている時間=前に進んでいる時間
だと錯覚してしまう。
でも本当は、
考えている時間が長いほど、
思考が絡まっていくこともある。
ひとりでほどこうとすると、
余計に結び目が増える、あの感じ。
整理するというのは、
正解を出すことじゃない。
もっと言えば、
「今、考えなくていいこと」を
ちゃんと見分けることかもしれない。
机の上には、今必要なものだけを取り出し、
あとは、引き出しにしまっておくような状態。
もし今、
いろいろ考えているのに、
何も片づいた感じがしないなら。
いやむしろ、なんだか頭の中が
前より散らかっているような気がするなら。
それは、あなたの思考力が足りないわけでも、
向き合い方が間違っているわけでもない。
ただ、一人で背負う必要のない荷物を、
いくつも手に抱えているだけかもしれない。
そんなときは、誰かと一緒に、
思考の流れを眺めてみるだけで、
ふっと、言葉になる瞬間が訪れることもある。
その現象に名前がついた瞬間、
あなたの中のモヤモヤは、
少し形を変える。
私は普段、そんな人に向けて、
答えを出すためではなく、
思考を整理するための対話の時間をつくっています。
うまく言葉にならないままでも大丈夫。
考えている“つもり”の状態から、
整理できている“感覚”に移るだけで、
見える景色が変わっていきます。
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