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2歳の買い物

孫が、まだよちよち歩きの2歳だったころ。

娘が、孫を連れて、スーパーに買い物に行ったときの話だ。
 

 
 
娘は、カートにカゴを上下二つ乗せた。
孫の歩く速さに合わせて、
ゆっくりとカートを押す。
 
お菓子コーナーへ着いた。
 
孫は、いつものように、
自分の好きなお菓子を手当たり次第に、
カートの下のカゴに入れていく。
 

 
 
妊娠中の娘は、その様子を嬉しそうに見ている。
 
駄々をこねて泣く子どもの横で母親が、
大きな声で叱っている場面をみかけると
娘は
「なんだか切なくなる」
と言っていた。
 
 
 
 
 

 
 
 
娘は、お菓子コーナーにいる間、
ずっと誰かの視線を感じていた。
商品棚に隠れるようにして、
こちらをじっと見ている人がいる。
 
子どもに陳列を乱されないよう見張っているお店の人かな。
 
娘が、視線の方向に目をやる。
買い物客らしい中年の女性が微笑みながら立っていた。
娘が軽く会釈をする。
 
そのご婦人も会釈を返して、どこかへ行ってしまった。
 
 
支払いの前に、娘は、孫がカゴに入れた商品を
元の場所に戻した。
 
レジを済ませ、店の出口へ行くと、
さっきのご婦人がいた。
 
 
 

 
 
 
娘が
「さっきは、どうも…」
と話しかけた。
 
ご婦人は微笑みながら
 
「あのね、私、子どもがどんどんカゴにお菓子を入れるのを見るのが好きなのよ」
と、笑った。
 
「そうですか、さっきのお菓子は全部戻しましたけどね」
 
と言うと、ご婦人は
「あら、まあ」
と、また笑った。
 
そして娘が、孫の頭を撫でながら
「こんどから、このおばちゃんのカゴに入れさせてもらおうね」
と言うと、ご婦人はカラカラと
笑いながら店の外へ出ていかれた。
 
 
 

 
 
 
 
 
孫が、両手を広げて、
覚えたての片言で、母親にせがむ。
 
 
「だっ、 こっ」