見出し画像

入社1か月目、ベテランおばちゃん三人衆に完全にビビっていた話

介護施設に入社して、まだ1か月も経たない頃の話です。

50人のご利用者の名前と顔を覚えるだけで、頭から煙が出そうだった時期が少し過ぎた頃。とはいえ、介護技術もまだまだ。勤務の流れもまだまだ。一日のタイムテーブルを追いかけるだけで、頭の中は毎日いっぱいいっぱいでした。そんな僕には、もう一つ大きな壁がありました。

ベテラン職員との人間関係です。

当時の僕には、めちゃくちゃ怖い三人のベテラン女性職員がいました。僕は心の中で勝手に呼んでいました。

ベテランおばちゃん三人衆。

失礼なことを言っています。本当にすみません。

でも、20歳そこそこの新人だった僕には、そう見えていたんです。

三人が休憩室にいるだけで、空気が変わる。

申し送り中に腕を組んでいるだけで、背筋が伸びる。

何か言われる前から、もう怒られた気分になる。

まだ何も始まっていないのに、勝手にHPが削られていく。ドラクエで言えば、戦闘前に毒をくらっている状態です。

いや、ほんとに。

当時の僕は、それくらいビビっていました。というより、完全に苦手意識しか持てませんでした。

ちなみに、数か月後。この三人衆を余裕で超える存在が現れることを、この時の僕はまだ知りません。

人生って、油断できませんね(笑)。

仕事は遅い。名前もたまにでなくなるし。オムツ交換もぎこちない。移乗も危なっかしい。食事介助にも自信がない。

そんな新人が、ベテラン三人衆の前に立つわけです。

そりゃ、震えますよ。

ある先輩は、言い方がきつい。ある先輩は、無言の圧がすごい。ある先輩は、機嫌がいい日と悪い日の差が読めない。(ちなみに、この最後のやつは三人とも共通していました。)

新人の僕には、それぞれの攻略法なんてわかりません。攻略本なんか売っていない。今みたいに、ネットで調べれば何となく情報が出てくる時代でもありません。

完全に現場で覚えるしかない。

しかも、今日の正解が、明日の不正解になる。昨日の先輩に教わったやり方でやったら、今日の先輩に注意される。そのたびに、心の中で叫んでいました。

どっちなんだよぉぉお!!!

でも、そんなことを口に出せるわけがありません。新人ですからね。

言ったら、もっと地獄を見るんじゃないか。そんな気がしていました。

だから、ただ頭を下げる。すみません。また失敗したと思う。また怒られたと思う。そして少しずつ、職場に行くのが怖くなっていく。

正直、仕事そのものより、人間関係のほうがしんどかったかもしれません。

ご利用者の名前を覚えられないことも大変でした。介助の習得が遅くて、役に立てていない感じもつらかった。でも、それ以上にきつかったのは、

誰に何を聞けばいいのかわからないこと。

聞いたら怒られそう。でも、聞かなくても怒られる。この状態が一番きつかった。

新人にとって、先輩の一言って重いんです。

言った本人は、何気なく言っただけかもしれない。忙しくて、少し強い口調になっただけかもしれない。でも新人は、その一言を家まで持って帰ることがあります。朝起きても、まだ残っている。

25年前の僕は、完全にそんな感じでした。

ただ、今になって思うこともあります。あの三人衆が、ただ意地悪だったのかはそれは正直わかりません。少なくとも、当時の僕には怖く見えていた。

それは事実です。

でも今、自分も経験を積み、年齢を重ね、現場も見て、管理職の立場も経験して思うんです。

あの人たちにも、余裕がなかったのかもしれない。

人手が足りない。業務は終わらない。ご利用者の命を預かっている。新人を教えながら、自分の仕事もしなきゃいけない。そりゃ、いつも優しく丁寧に教える余裕なんてなかったのかもしれません。

そうだったとしても。新人だった僕が怖かったことも、正直な気持ちです。ここは、きれいごとで済ませたくありません。

今なら理解できる部分はありますが、当時の僕が怖かったことや傷ついたことまで、なかったことにはできません。

先輩から見れば、仕事が遅い新人。

新人から見れば、何を考えているかわからない怖い先輩。

お互いに悪気がなくても、どうしてもすれ違ってしまう。

そして新人は、だいたい自分を責めます。

自分ができないからだ。自分が覚えが悪いからだ。
25年前の僕は、そう思っていました。

もし当時の自分に声を掛けられるなら、こう言ってあげたいです。

先輩って、実はそこまで深く考えてないことも多いんだよ。笑

でも、当時の僕にはそんなことわかりませんでした。

ただ毎日、怒られないように。迷惑をかけないように。嫌われないように。職場の空気を必死に読んでいました。そりゃ疲れますよね。勝手にHP削られているんですから。

職場の人間関係に慣れるには、時間がかかります。仕事を覚えるのと同じくらい、一緒に働く人を覚えるのにも時間がかかります。先輩の言い方。聞きやすいタイミング。

そういうものは、学校の教科書には載っていませんからね。現場で少しずつ覚えていくしかないんです。

そして、先輩側にも伝えたいことがあります。

新人は、思っている以上にビビっています。必要以上に気を遣っています。これは25年前から時代が変わっても、あまり変わっていないんじゃないかと思います。

普通に言ったつもりの一言が、新人の心には大きく残ることがあります。その後の社会人生活に、思った以上に影響を与えてしまうこともあります。

僕自身、今は後輩や新人に関わる立場になりました。

だからこそ、25年前の自分を忘れたくないと思っています。

あの頃の僕は、ベテランおばちゃん三人衆に完全にビビっていました。

本当に情けないくらいに。

でも、僕の社会人生活において、あの三人衆との日々も大事な経験だったんだと思います。

まあ、もう二度と味わいたくはないですけどね(笑)

経験は、誰かの希望になる。

今日は、介護施設入社1か月頃の僕が、ベテランおばちゃん三人衆に完全にビビっていた話でした。

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。

スキやコメントをいただけると、今後の励みになります。

フォローもしていただけたら嬉しいです。

皆さんの新人時代にも、怖かった先輩はいましたか。今、怖いと思っている先輩はいますか。よかったら、コメントで聞かせてください。

またね。やまにぃー

いいなと思ったら応援しよう!