「つなぐ」 ― 手話ダンスと音楽が共鳴する舞台

手が言葉を紡ぎ、身体が響きを刻む。
音楽が光のように走り、心を貫く。
ヴォーカル、旋律、手話、そして身体が交わる瞬間に、舞台が新たな姿を見せる。
昭和音楽大学アートマネジメントコースの学生たちがプロデュースする公演「つなぐ」は、音楽と手話ダンスが呼応し合うステージだ。きっかけは、ある学生の問い。「障がいのある人も、そうでない人も、同じ空間で楽しめる公演を創るには?」その問いを、言葉ではなく実践で示したのがこのプロジェクトである。アートマネジメントコースの3年生が、企画・制作・広報等のすべてを担い、約半年をかけて実現させる。

出演は、手話とダンスの融合表現を追求するユニットである「北村 仁&UD DANCERS JAPAN」。手話の動きに感情を重ね、身体全体で歌詞の世界観を描き出す。そのパフォーマンスは、歌詞を“翻訳”するのではなく、身体で“再創造”する表現だ。メンバーの中には聴覚に障がいを持つダンサーもいるが、言われなければそれに気づくことはない。振動を感じ、仲間の動きや視線を確かめながら、互いの呼吸を重ねるように踊るその姿には、驚くほどの精度と集中力が宿る。一糸乱れぬアンサンブルは、技術の高さと表現力の極みにあり、手話ダンスという枠を超えて“舞台芸術”としての完成度を示している。
今回の「つなぐ」では、「北村 仁&UD DANCERS JAPAN」とLIVE演奏が初めて本格的に融合する。録音音源ではなく、ステージ上で生まれるリアルな響きに身体が呼応する瞬間、音と動きが一つになる。録音では決して得られない、LIVEならではの熱と躍動が舞台を満たす。

共演する「Showa Dream Band」 は、当公演のために本学教員(ジャズコース/ポップ&ロックミュージックコース教員)により特別結成された夢のバンドだ。
名知玲美(ヴォーカル)は、艶と芯を併せ持つ歌で、旋律に立体感を与えるジャズヴォーカリスト。高瀬“makoring”麻里子(ヴォーカル)は、言葉の輪郭を鮮やかに浮かび上がらせる表現派ヴォーカル。林良(キーボード)は、確かな音楽性で楽曲に深みと広がりをもたらすキーボーディスト。齋藤たかし(ドラム)は、繊細さとエネルギーを併せ持ち、舞台全体に躍動感を生み出すドラマー。菅原潤子(ギター)は、緻密な音作りと美しいハーモニーで、音楽に彩りを添えるギタリスト。白船睦洋(ベース)は、包容力のある低音でアンサンブルを支える懐の深いベーシスト。
名手たちの奏でる音が、舞台を“生きた音楽空間”へと変えると同時に、学生たちの挑戦を支える。
プログラムは、Official髭男dism「Subtitle」、平井大「題名のない今日」、緑黄色社会「Mela!」、B’z「イルミネーション」(2024年NHK連続ドラマ小説「おむすび」主題歌)、坂本九「上を向いて歩こう」など、最新のJ-POPから昭和歌謡まで世代を越えて愛される楽曲が並ぶ。耳で聴く歌が身体の動きと出会い、視覚でも心に響く新たな音楽体験が生まれる。(「上を向いて歩こう」はダンスとの共演はなく、バンド演奏のみで届けられる)

会場にはヒアリングループ席や車椅子席、手話通訳、字幕も設けられ、多くの方が安心して楽しめる環境が整っている。学生たちが目指すのは、「すべての人が心で音楽を感じられる舞台」だ。
聴覚障がい者の国際大会・東京2025デフリンピックが間もなく開幕する。そんな記念すべき年に、年齢や性別、障がいの有無などを超え、誰もが共鳴し心をつなぐその瞬間を、どうか楽しんでほしい。

※本文中の出演者の肩書及び敬称は、編集上の統一を図るため省略させていただきました。ご了承ください。
「つなぐ」~音楽と手話ダンスが心を結ぶ~
2025年 11 月 22 日(土)17時(開場16時30分)
会場:昭和音楽大学 北校舎5F スタジオ・リリエ
