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3月19日(木)は卒業式でした。アートマネジメントコースからも学生が昭和音楽大学を巣立っていきました。まずは卒業生の皆さん、本当におめでとうございます。その中でも、中尾ゼミから送り出したFさんとDさんのことを、少しだけ書いておきたいと思います。

Fさんは、いつも明るく素敵な笑顔が印象的な学生でした。でも、その本当のすごさは優しさの奥にある芯の強さだったのだと思います。「企画制作演習Ⅱ」(実際に学生が立案したコンサートを実現する授業)において自身の企画が最終選考に選ばれた際には、「絶対に実現したい!」という気持ちがぐっと前に出てきました。その後、夢が叶い採択へと至りましたが、そこから先は決して順風満帆ではありませんでした。しかし、苦しいときほど逃げずに踏ん張り、何度壁にぶつかっても前を向こうとする姿がありました。人を押しのけて前に出るのではなく、自分の責任を静かに引き受けながら最後までやり抜く・・・その姿は、とても美しかったです。Fさんを見ていて、人の成長とは「うまくいかない現実から目をそらさず、そのたびに覚悟を決め直して前に進むことなのだ」と、改めて教えられました。

Fさんが企画した公演「チャペルの奏」

Dさんは、中国からこの大学に来られ、言葉も文化も違う中で一つひとつを本当に誠実に積み重ねてきました。その姿を思い返すと、まず浮かぶのは「まっすぐさ」です。人の話をきちんと受け止め、学びたいという気持ちを素直に行動に変え、懸命な努力で自分の力に変えていく・・・簡単なようで、なかなかできることではありません。慣れない土地で、見えない不安もたくさんあったはずです。それでも笑顔を忘れず、ひたむきに前へ進み続けたDさんの姿には、何度も胸を打たれました。教員として接していたはずなのに、こちらのほうが励まされていたことも少なくありませんでした。

式典の前に研究室へ挨拶に来てくれた二人

当たり前のことではありますが、学生は卒業するその日だけで成長するのではありません。何気ない一言や、悔しかった出来事や、報われないように思えた時間の中で、少しずつその人らしさが磨かれていくのだと思います。FさんにもDさんにも、そういう時間がたくさんありました。そして、その積み重ねがあったからこそ、今のお二人がいます。

教員をしていると、ときどき「こちらが教えている」と思い込んでしまいそうになります。でも本当は、学生たちの一生懸命な姿から教えられることのほうが、ずっと多いことに気がつきます。Fさんには「人が覚悟を持ったときに生まれる強さ」を教えていただきました。Dさんには「ひたむきに努力を重ねることの尊さ」を教えていただきました。お二人が中尾ゼミにいてくださったことを、心から誇りに思います。

そして、もちろんその想いはこの二人だけに向くものではありません。今年卒業された皆さん一人ひとりにも、それぞれの努力があり、それぞれの物語がありました。表からは見えなくても、誰もが自分なりの課題と向き合いながら、この日まで歩いてこられたのだと思います。卒業生の皆さん全員に、心からの敬意と祝福を送りたいです。

アートマネジメントコースの卒業生がくれた色紙と手紙

改めてFさん、Dさん、そしてアートマネジメントコースの皆さん、ご卒業おめでとうございます。
皆さんが大学で過ごした時間は、決して消えることのない大切な足跡として、これからも残り続けます。苦しかったことも、頑張ったことも嬉しかったことも、そのすべてがこれから先の皆さんを支えてくれるはずです。
そして私にとっても、お二人と、そして4年生の皆さんと過ごした時間は宝物です。これからも、いつでも大学へ遊びに来てください。待っています。

※追伸
スペースの都合上、詳しく取り上げたのはゼミ生2人のみですが、本コースの卒業生全員に、個別にお祝いのメッセージを送信しました。

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