見出し画像

「つなぐ」の裏側~プレスリリース奮闘記~

自主企画公演に挑むアートマネジメントコースの3年生たちは、これまでに培ってきた力を活かしながら、それぞれが役割を担い、一つの公演を創り上げています。

その中に、明るくていつも笑顔、だけど涙もろく、感受性が豊かな学生がいます。友達想いの性格で、周りが困っているとすぐに「私やるよ!」と引き受けてしまい、本来自分のやるべきことが後回しになることも。さらに困った時の口癖は、「分からない」「難しすぎる」…そう言って、考える前に思考が止まってしまうこともありました。

それでも彼女は、必ず最後にこう言います。
「頑張ります!」
涙を流しながらでも、この言葉だけは決して忘れません。その前向きさを、私はずっと信じてきました。

とはいえ、抱えるものが多くなると気持ちが追いつかず、涙タンク(本人曰く)がすぐに100%まで溜まってしまい、涙が溢れてしまいます。

そこで私は「感情の起伏が激しすぎると、チームのみんなも心配します。プロデューサーを目指すなら、まずは自分の気持ちをコントロールできるようになろう」と、何度か助言をしてきました。

やがて少しずつ、変化が現れました。涙タンクが満タンになる前に止まり、自分の中で整理して、涙がこぼれないようになりました。これは大きな前進です。

「UD LIVE 2025」で宣伝を行う学生たち

そんな彼女が担っているのは「広報」です。中でもプレスリリースは、彼女が担当しました。公演の想いを言葉で届ける、大切な役割です。どの言葉なら記者の方々に想いが伝わるのか…何度も教員からの助言や修正を受けながら、文章と向き合い続けました。

夏の終わり、皆で決めたプレスリリースの期限を過ぎてしまいそうになり、一度、締切の延期を申し出てきたことがありました。私は彼女にこう伝えました。「新聞は毎日発行されますが、雑誌は月に一度。それだと月刊誌には間に合わなくなりますね」

その言葉にハッとしたようで、また前に進む勇気を取り戻しました。それ以降は、すぐに「無理」「難しい」「分からない」と思うのではなく、まずは自分で仮説を立て、相手の意図を確かめながら進められるようになりました。広報担当としての姿勢が、確かに身についてきました。

そしてついに、一人でプレスリリースを書き上げました。その一枚には、これまでの努力と成長がたくさん詰まっていました。

実際の「プレスリリース」の一部

課題はまだたくさんあります。でも彼女は泣きながらではなく、しっかりと前を見て、一歩を踏み出せるようになりました。
「頑張ります!」
その言葉は、もう涙の後ろには隠れていません。

誰かの心をつなぐ日を静かに想いながら、
彼女は今日も前に進んでいます。


「つなぐ」~音楽と手話ダンスが心を結ぶ~

2025年 11 月 22 日(土)17時開演(16時30分開場)
会場:昭和音楽大学 北校舎5F スタジオ・リリエ

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集