第3章|係長〜課長の“あるある”3連発
※この章は、次の悩みを解決します。
・任せた瞬間から確認が止まらず、上司の仕事が消える
・一度ミスが出ると空気が冷え、部下が黙って動かなくなる
・結局「俺が決める」に戻り、指示負荷が倍増して疲弊する
係長〜課長の“あるある”は、あなたが悪いんじゃない
係長〜課長のあなたへ。
ここからは“あるある”です。
安心してほしい。あなたの状況、珍しくない。
むしろ再現性が高い「罠」です。
最初の3日で、雪だるまが完成する
放置すると雪だるま、って言ったけど。
本当に“3日”で形になった。
1日目:まだ余裕があった
「確認が増えたな」くらいで、自分に言い聞かせた
2日目:状況が変わった
[未読/声かけ/電話]が[◯件]
通知が鳴るたび、胃がキュッと縮む
「今日、俺の仕事どこに消えた?」って本気で思った
3日目:私は逃げた
[既読だけ付けて返さない/先に自分で片付ける/雑に指示を投げる/会議に逃げる]
格好悪いけど、これが現実
焦りと、怒りと、情けなさが同時に来た
あるある①:任せた瞬間に「これで合ってますか?」が止まらない
任せた。
ちゃんと説明もした。
「じゃ、お願いね」と渡した。
…5分後。
「すみません、これで合ってますか?」
…10分後。
「この判断、私でいいですか?」
…昼前。
「一回見てもらっていいですか?」
ここから始まるのが、いわゆる“正解当てゲーム”。
「[ここまでで合ってますか?]」
「[この判断、私でいいですか?]」
「[一回見てもらっていいですか?]」
文章は丁寧。
でも中身は、相談じゃなく“保険”です。
外したときの損が怖いから、先に上司のサインを取りに来る。
そして、上司の時間が溶ける。
起きることはシンプル。
あなたの未読が増える
会議の準備が止まる
本来やるべき判断が、全部“確認対応”に吸われる
これ、部下が弱いんじゃない。
「外したら損する」空気の中で、正解を取りに来てるだけ。
安全策として、めちゃくちゃ合理的。
だからこそ、上司は一度やってしまう。
本当は、答えを言いたくない。
でも、言う。
[あなたが言ってしまった一言:例「もういい、こうしよう」「結論はこれ」]
その瞬間だけ、進む。
空気も戻る。
自分も少し安心する。
でも次から、部下の動きが変わる。
“考える前に聞く”が癖になる。
そしてまた、確認が増える。
短期の安心が、長期の地獄を作ってた。
具体例(現場)
作業手順を少し変えたい若手がいる。
本人は改善のつもり。
でも「誤出荷したら誰が責任?」が見えない。
だから動けない。
代わりに「これでいいですか?」だけが増える。
あるある②:失敗すると空気が冷え、次から部下が黙る
一回、ミスが起きる。
軽微でもいい。
その後の空気が冷える。
報告が遅くなる
相談が減る
「大丈夫です」が増える
会議で目が合わない
ミスが起きた瞬間より、その後の“空気”が怖い。
[ミスの出来事:軽微でOK]があった日
現場が静かになった
返事が短くなる
目が合わない
会議で「大丈夫です」だけが増える
あの沈黙は、反抗じゃない。
“次に刺されないため”の防具だった。
そう気づいたとき、背中が冷えた。
黙るのはサボりじゃない。
防衛です。
「言う=損する」になってるから。
そして上司側にも事情がある。
私だって、最初から詰めたかったわけじゃない
でも、詰めた
理由は単純
[納期/安全/上からの圧/再発が怖い]があった
“守りたいもの”があった
ただ、守り方を間違えると、部下は「言わない」が最適解になる。
その瞬間から、チームは学べなくなる。
具体例(オフィス)
クレーム返信を任せた。
言い回しを一箇所ミスった。
上司が強い口調で指摘した(悪気はない)。
次から担当者は、返信前に毎回“上司レビュー待ち”。
結果、上司の負荷が倍になる。
あるある③:結局、上司が“答え”を言ってしまい負荷が倍増
そして最後に、あなたが言う。
「もういい、こうしよう」
「結論はこれ」
「時間ないから、俺が決める」
「俺が決める」を言う前って、実は一番苦しい。
頭の中がこうなる。
このままだと間に合わない
でも任せたら事故るかもしれない
でも俺が全部やったら育たない
この矛盾の中で、最後に出る言葉がこれ。
「時間ないから、俺が決める」
言った瞬間はラク。
でも後で、ちゃんとツケが来る。
確認と許可取りが、倍増する。
そして長期的には、次からこうなる。
部下:考える前に確認する
上司:答えを出す前提になる
チーム:改善より“許可取り”が増える
指示を減らしたいのに、増える。
これが一番しんどい。
ミニ体験談:指示を減らしたいのに、なぜ増えるのか
俺(私)もそうだった。
本気で「自分で考えて動いてほしい」と思ってた。
だから言った。
「考えて動け」と。
でも現実は逆。
確認が増えた
沈黙が増えた
最後は、俺(私)が答えを言ってた
あの時の本音はこれ。
「任せたい。でも事故りたくない」
「育てたい。でも今は時間がない」
矛盾してるのに、どっちも本当だった。
転機は、派手じゃない。
刺さる一言だった。
[出来事:部下の一言/ヒヤリ/クレーム/面談]があった
そのとき[誰が]が言った
「[言葉を原文で]」
その瞬間、頭の中の矢印が変わった。
「部下が弱い」じゃない。
「設計がない」んだ。
責める相手が変わると、やることも変わる。
ここで初めて、前に進めた。
よくある反論(先回り)
「結局、部下の能力が低いだけでは?」
そう見える場面もあります。
でも、能力の話にしてしまうと、改善の手が止まる。
部下が迷うのは、能力だけじゃない。
“失敗したときの扱い”が曖昧だから迷う。
曖昧な場では、誰でも安全側に寄ります。
あなたが弱いわけでも、部下がダメなわけでもない。
罠の構造がそうさせる。
今日、ひとつだけやってほしい(罠の解除)
“育成”じゃなく、“罠の解除”です。
任せたい仕事を1つだけ選ぶ(小さくてOK)
「止めて聞いていい条件」を1つだけ決める
例:客先に出る前/安全に触れそうなら/金額が◯円を超えたら明日、朝いちでこの一言を言う
「ここは任せる。②に当たったら止めて聞いて。そこまでは試していい」
これだけで、確認の質が変わります。
“許可取り”から、“判断の相談”に寄せられる。
今日やること3つ
① 任せたい仕事を1つだけ決める(小さくてOK)
② 「止めて聞いていい条件」を1つだけ決める
③ 明日朝いちで「ここは任せる」を宣言する
よくある質問3つ
Q1. うちの部下は本当に弱い気がします。
A. 弱さというより「外したときの損が読めない」状態になっていることが多いです。まず“条件”を決めると、相談の質が変わります。
Q2. 事故が怖いので、任せるのが不安です。
A. だから「全部任せる」ではなく「条件付きで任せる」です。触ってはいけない領域は固定し、試していい範囲だけを切ります。
Q3. 忙しすぎて、育成どころじゃありません。
A. まずは1つの仕事だけでOKです。小さく線を引くだけでも、確認が“散発”から“整理された相談”に寄る可能性があります。
